Nicotto Town



シオ、再入学【2】シッソナ姫とお付きの二人

シオが寮室に入ると、二人の女子生徒が何やら口論していた。それを見ている背の高い男子生徒。

「シッソナ姫様!どうして、武具選定の時に武具をひとつも選ばなかったんですか!?
姫様を慕って姫様を選んで下さった武具さんたちに申し訳ないと思わないんですか!?」
「だって、作者が私のクラスを何にするかまだ決めてないっていうんだもん!」
ホント、申し訳ない。シッソナ姫。
「あそこで武具を選ばなければ、冒険者クラスになるでしょ?会いたい人が冒険者クラスにいるの!」
「だからって、シッソナ姫様!」シッソナ姫お付きのメイド「ジミナ・モブリット」は、なおも続ける。
「だーかーらー!『シッソナ姫様』って呼ぶのやめてよ!ジミナ!
ここでは、二人でいる時みたいに、いつも通りに接してって言ったでしょ!?」
「……何だかお取込み中みたいだな。一旦出直そうか?」シオは寮室を出ようとした。
「おい、お前ら。いい加減にしろ。シオ・タイオーが困ってるじゃないか」
今まで静観していたウェルカム王国の見習い兵士「タイラー・ナミモリ」が初めて口を開いた。
「まぁ!シオ・タイオー様!いつの間に!?お恥ずかしい所を見せてしまって申し訳ございません!」
ジミナは、やっとシオ・タイオーの存在に気づき、顔を真っ赤にして謝っている。

「皆様、ごきげんよう。私は、ジミナ・モブリット。シッソナ姫様にお仕えしているメイドです。
私はホウキに選ばれたので、魔女クラスです。どうぞよろしくお願い致します」
ジミナは、スカートの裾をつまんでご挨拶した。
「ウェルカム王国の見習い兵士「タイラー・ナミモリ」だ。
まぁ、俺もシッソナのこと言えないけどな。王国の兵士が武具たちにとっては珍しいらしくてな。
剣、槍、こん棒、鉄球、短刀、メイス、杖、楽器…ありとあらゆる武具たちに取り囲まれてな」
そう語るタイラーは、少し照れているようでもあった。
「武具にモテてもねぇ…」シッソナ姫が口を挟んだ。
「私は、シッソナ・トゥー・ウェルカム。ウェルカム王国の王女よ。
何もタイラーまで冒険者クラスになることないのに~」
「俺はどの武具にするか迷って保留にしてもらったまでだよ」と、タイラー。
「俺は、シオ・タイオー。勇者クラスで…」
「アンタ、出戻り勇者なんでしょ?」「シッソナちゃん!」シッソナの歯に衣着せぬ発言にうろたえるジミナ。
「申し訳ございません!シオ・タイオー様!」シッソナ姫の代わりにジミナが謝った。
「だって、事実じゃない」シッソナ姫はそっぽを向いた。
「包み隠さず事実を言えばいいってものではありません!
それで相手を傷つけてしまうことだってあるんですよ!?だいたい、シッソナちゃんは…」
ジミナは、お説教モードに入ってしまった。
「お付きの従者を二人同行させることが、入学の条件だったから。お母さまを説得するのに苦労したわ。
ま、そういうワケで…よしなに、シオ」
チーム結成の時点で冒険者が二人…。また留年するのか?俺は…。
シオの不安は大きくなり、暗雲となって立ち込めていた…。

ーつづくー




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