料理は愛情【1】ノエルの料理修行
- カテゴリ:自作小説
- 2023/05/18 17:19:25
ここは、ウェルカム王国の北東に位置するシーナガルドの村。
「ノエルとブランは、今頃どうしているのかしらね?メンドーサ隊のみなさんと仲良くやっているのかしら?
ちゃんと食べているのかしら?」タバサは紅茶を飲みながら心配している。
「食べているといえば、ノエルは昔から料理が下手だったなぁ…」苦笑するジグルード。
「お姉ちゃんの料理っていうだけでブランの顔が真っ青になっていたっけ…」
ジグルードは、小さい頃のノエル・ブラン姉弟を思い出して懐かしむ。
「りょーりは、あいじょー!」
父と母のやり取りを聞いていた末っ娘のピノは無邪気に言う。
「料理は愛情」の語感が気に入っているのだろう。幼いピノは、その言葉の意味を知らない。
一方その頃、メンドーサ隊事務所の台所では…。
「料理は愛情ですぅ~!」ノエルの問いにマリアはそう答えた。
「だーかーらー!その「愛情」って何なのよ!?アタシのお母さんも「料理は愛情」って言ってたけど…」
三角巾にフリフリエプロン姿のノエルはふくれっ面で切り返す。
ノエルは、昔から自分の料理の腕が壊滅的であることを密かに気にしていた。
「残さず食べてね♡」とメッセージカードを添えなくても、弟のブランは自分の料理を食べてくれる。
その結果、いつもお腹を壊すブランの姿を見ることになるのだが…。
ノエルは、このままじゃいけないと一念発起。
マリア、チュニス、シャイナに料理を教えてほしいと頭を下げた。
野菜の切り方や下ごしらえのしかたを習っている時点で、ノエルの指先はすでに絆創膏だらけになっていた。
果たして、ノエルは料理をうまく作れるようになるのだろうか?
ーつづくー
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- ミコ
- 2023/05/18 22:38
- ほんとうに料理は愛情ですよね^^
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