Nicotto Town



学院見学【3】どうする?冒険者クラス

ここは、冒険者クラスの教室。フツツカ魔法学院の教師が一堂に会していた。

「みなさん、お待たせしました。これより「どうする?冒険者クラス」会議を始めたいと思います」
トルテ学院長が会議を始める宣言をする。
「ナローケイ現象の影響で異世界クラスをはじめ、クラスの急増に伴い、
深刻な教師不足に陥っているのは、先刻お伝えした通りです。
『冒険者クラス』とは、選択する授業や単位を間違えたり、
将来のビジョンがあやふやで、どっちつかずになってしまった宙ぶらりんの生徒たちの集まりです。
クラスの急増で冒険者クラスの人数も増えてしまい、留年待ちの生徒までいる始末です。
武具は問わず、クラス担任は基本的に不在。
生徒のほとんどは、教室に集まって何をするわけでもなく、ただダラダラと日々を過ごしています。
このように、やる気のない生徒たちばかりなので、冒険者クラスの担任の人が誰もいないのです」
一人の男が手を挙げた。
「召喚士クラス担任のタカシ・モーリスです!
トルテ学院長!冒険者クラスは即刻、排除すべきです!
クラスを掛け持ちで担当している先生方の負担を減らすだけではなく、生徒たちへの見せしめにもなります!」
いきなり厳しい意見を述べるタカシ先生。マリアが手を挙げた。
「看護兵のマリア・アレックスです!タカシ先生、それはあんまりだと思います!
冒険者クラスの生徒さんひとりひとりに話を聞いて、どうしたいのか聞きましたか?
それもしないで、いきなり排除するなんて乱暴すぎます!」
「異世界クラス担当のクラント・クラリッサだ!
そんじゃ、あーた(あなた)が冒険者クラスの連中の悩みとか聞くんか?」
「はいっ!私はもともと、そのつもりで来たんですぅ~!」
「そうか、お前が例の冒険者クラス担任の候補者だったのか…。なるほど…やってみるがいい。
先程の冒険者クラスを排除する意見は取り下げよう。だが、いずれ思い知ることになるぞ?
冒険者クラスはそんなに甘くはないぞ?マリア・アレックスくん。果たして、いつまで続けられるかな?」
タカシ・モーリスは、不敵な笑みを浮かべた。
「冒険者クラス担任は、マリア・アレックスさんでよろしいですね?反対の方はいますか?
…いないようなので、これで「どうする?冒険者クラス」会議を終わります!解散!」

会議後、マリアのまわりに教師たちが集まった。
「マリアちゃん、すっご~い☆マジ勇者じゃ~ん♪あのタカシ先生にあそこまで言える人なかなかいないよ?
あたし、アデリー・アデライン!勇者クラス担当だよ♪よろしくねっ☆」
「ホントホント!聞いてて胸がスッとしちゃった!私、ニコレ・ノノハラ!神官クラス担当だよ!」
「でも、タカシ先生に目を付けられちゃったね。大丈夫かなぁ?…私はアカネ・セレーネ。
衛生士(メディック)クラスと武闘家クラスとガンナークラスを兼任してるの」
「わぉ、クラスを3つも掛け持ちですかぁ?大変ですぅ~!」と、マリア。
マリアが冒険者クラスの教室で教師たちと話し込んでいる間、トリオンとトルテ学院長は学院長室へ。
「トリオン・シニュフォード・メンドーサ。
あなたには、弓使い(アーチャー)クラスと銃士(ガンナー)クラスを担当してもらいます」

一方その頃、ノエルとビリオンは、ブランとトリオンとマリアを完全に見失ってしまっていた…。

ーつづくー




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