月桜亭に付き合うて【2】甘い物は別腹ですぅ~。
- カテゴリ:自作小説
- 2023/05/01 16:58:34
ブランは「何でも好きな物を頼んでもいい」と言ったことを今更ながら後悔していた。
マリアが『しあわせ満開プリンセスパフェ』を頼んでしまったから、さあ大変!
30分以内に『しあわせ満開プリンセスパフェ』を食べきらないと、料金支払いと皿洗いが…!
プリンセスのドレスをイメージしたきれいなホイップクリームデコレーションの山。
その上には、桜の花の形をしたクッキーやチョコレートなどのトッピングがふんだんに乗っている。
パフェの器が透けて見えていて、ケーキやアイスやフルーツなどがクリームに挟まって何層にも重なっている。
(これ、どこから食べればいいんだ…?)ブランは見ているだけで胸焼けがしてきた。
そんなブランをよそに、マリアはプリンセスパフェを順調に食べ進めていた。
「ティアラ型のチョコレート、アラザン、ピスタチオ、焼きメレンゲ…色々乗っかってて楽しいですぅ~」
嬉しそうに美味しそうにパフェを食べるマリア。アイスを食べて口が冷たくなったのでコーヒーを飲んで口直し。
「ごちそうさまでしたぁ~!」
口のまわりにクリームをいっぱいつけて、マリアは満面の笑顔で「しあわせ満開プリンセスパフェ」を完食した!
「すご~い!マリアちゃん、しあわせ満開プリンセスパフェを15分で完食したよ!新記録~♪」
店員のハルカ・フローラは、マリアに拍手をしていた。
「チャレンジ成功したから「しあわせ満開プリンセスパフェ」の代金は無料だよ♪」
ブランは安堵のため息を漏らした。そして、マリアの口を拭いてあげた。
「甘い物は別腹ですぅ~。お腹いっぱいになったら、何だか…眠くなって…きましたぁ~」
マリアは、こっくりこっくりと舟をこぎ始め、あっという間に眠ってしまった。
ーつづくー