Nicotto Town



ぼんくらティルト【2】三人のチームメイト

ティルトが部屋に入ると、すでに三人のチームメイトがいた。

「遅いぞ、ティルト・ウェイト!トルテ学院長の娘のくせにトロイ奴だな!」
開口一番、ティルトにしょっぱいことを言う青年。
「俺はシオ・タイオー。新入生。勇者クラス。まったく、揃いも揃って使えねー奴らだな。
特にティルト。お前には一応期待してたのに実に残念だよ。
そんなお古の杖に選ばれるなんて伸びしろなさそうだな。
ま、せいぜい勇者たる俺の足を引っ張らないように努力することだな」
塩対応というより、もはや上から目線である。
「シオっち、言い過ぎ。何様のつもりなの~?てかさ、ティルトちゃんも何か言いなよ~。
初対面のチームメイトにあれだけ言われて悔しくないの~?」
チョリ~スって感じのチャラい男子がシオとティルトの間に入った。
「あ、そうだ。自己紹介がまだだったね。僕はミトーシ・アマスギ。
クラスは…特に決めてないから冒険者クラスだって。僕も新入生だよ。ヨロシク~!」
「よろしくね、ミトーシくん。あれ?あと、もう一人は?」
「ゲホッゲホッ、ここ、埃っぽくない?ハウスダストとかアスベストとか大丈夫なの?
あれ?あなたが4人目?確か『ティルト・ウェイト』とか言ったっけ?
何?そのウィザードリィの核爆発の呪文みたいな名前。何か名前負けしてない?」
病弱そうな娘が咳をしながら寮室のベッドから身を起こした。
「私はサツキ・ヤマイ。新入生。騎士クラス。顔合わせも済んだし、もう少し寝てていい?」
サツキ・ヤマイはそう言うと、ベッドに身を横たえた。

上から目線の勇者男子「シオ・タイオー」
中途半端な冒険者男子「ミトーシ・アマスギ」
病弱な女騎士「サツキ・ヤマイ」
これから苦楽を共にするチームメイトに一抹の不安を覚えるティルトだった。

ーつづくー




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.