Nicotto Town


ガラクタ煎兵衛かく語りき


Let it swim




泳がせておけ そのうち馬脚を出すしかなくなる
その時の為に 資料を貯めておくんだ
いいか?   我々は正義だ その日の為に働いているんだからな


自由に泳ぐ それは至高
呼吸を得られたなら あとは自由自在
マリンブルーの海で お魚さんや珊瑚達と再会できて
お互いの苦境をグチあってでも それでも逢いたくて
またここに来てしまった

また逢えたね 嬉しいね 元気? え? 大変なの?
そうなんだ ゴメンネ 知らなくて

これだけお騒がせの張本人の人間に
何を言っても響かないかもしれないけど
私は他の人間とは違うからね

また来てくれてありがと
え? 知ってるの? それでも諦めたの?
うん そうだよね もうどうしようもないよね


よし わかった
ねえ ねえ 聴いてくれる?
唄を歌いたいの
あなた達に歌うわ
私が創った唄よ
貴方たちが普段聴いている音階とはちょっと違うかもしれないけど
お久し振りのよしみで聴いてくれない?
じゃあ 始めるわよ いい?




何処までも続く水面
荒い日も穏やかな日も
風のある日もない日も
私達は生きてます


青空を反射した海
眼が眩みそう
左手をかざしながら
先じゃなく今を見据える

泳ごう 今を泳ごう 今を生きよう
泳ごう 今を泳ごう 今を生きよう



そんな最中に突然雑音が入電された
 
泳がせておけ そのうち馬脚を出すしかなくなる

「あらら ゴメンネ みんな なんか邪魔が入っちゃった↓」

それでも沖縄の海は即座に返答してくれた
「もっとあなたの唄が聴きたいです! 是非また歌ってください!」
「ありがと 声を整えて 整理して 曲を作り直してまた来るね!」






その時沖縄中の 雑草と海浜地域に生息している生命体がこぞって呼応した
未知な生命体反応の一形態が部分的にそして圧倒的に空間を歪めた
ウエザーリポート(CS放送)では放映不可能な状況に陥り復旧困難になった


沖縄の海で再会した私達 お気楽な地上波で放送された 
まだ沖縄にはこれで二度しか来たこと無いんだけど
多分 食文化が違い過ぎるw 素敵なミステリアスな日本の重要なパートです
当たり前です
We Never Forget Your Sacrifice
最期をカメラ目線で締めた










沖縄で起きている諜報合戦
「何だ? 今の障害は?!」
「わかりません 全てかどうか いや 一部で反応が認められません」
「保全員全員出動!  これはマズイぞ!」

数分後 殆どの回線と回路が復旧した
AIに訊け! 今の原因は何だ?」
その時 地下室に設置されていた彼らの基地に妙な振動が疾った

「先鋒隊からの報告が入りました!」
彼は不安を覚えながら指示を下した
「よし 流せ」




inochi okinawa umi inochi
inochi okinawa umi inochi

himeyuri himeyuri himeyuri himeyuri 
sanngo sanngo sanngo sanngo 

inochi okinawa umi inochi
inochi okinawa umi inochi



再び未知な生命体反応の一形態が活動を再開した
復旧したばかりの回線も次々に寸断された


「撤退する!」
そう命令を発した彼の御顔相は
果してアングロサクソンだったのか
果してモンゴリアンだったのか
果して何色だったのか

まあそんなことどうでもいい
だって 沖縄の全生命体が覚醒したのだから
彼らが歪めた空間は瞬時に他宇宙の我々の祖先と繋がったのだから

 
この後 地球は少し延命することになる
ひとまず核危機は去り
イーストアジアに大国が たった一つの国だけが君臨することになる
そしてアメリカはその多様性ゆえ衰退し
ユーラシアでは”きかん坊”ゆえ各国が衰退し
インド インドネシアは配慮し
南アメリカはサッカー選手を供給し
アフリカは食料と引き換えに資金援助を待っている

そうかっての強国 中国は度重なる新種ウィルスに疲弊し
韓国は新しい大国に全面的に協力し
北朝鮮は内部崩壊して終わった




そうして
イーストアジアに新たな大国が誕生し それに日本は併合された

延命された地球の新たな覇者
琉球王国でございます


ちなみにその後の琉球の王族の妃には こんな名前が歴代冠されたようです

『姫百合梅』
『姫百合桜』
『姫百合桃』

なんと雅な


その後”日本”という語彙はどこの文献にも見つけられなかったようです
度重なる地震により 辺境の地が海に沈みました
数百年後 海底の探索により 数件の過去の資料が発見されました

一つ目は 読み取りにくいのですが 何やら 公文書偽造という文字が
踊っています
もう一つは詩編でした これも 読み取りにくいのですが 
じゃあ再現してみますね



何処までも続く水面
荒い日も穏やかな日も
風のある日もない日も
私達は生きてます


青空を反射した海
眼が眩みそう
左手をかざしながら
先じゃなく今を見据える

泳ごう 今を泳ごう 今を生きよう
泳ごう 今を泳ごう 今を生きよう





意味不明ですねw 何ですか これ
こんな近海で渉猟できるものに価値があるとは思えませんな
私達はこの琉球王国の下で生きられる喜びを
生涯を賭して果たしていきます






その時 宇宙の片隅で 一片の思考が空宙を舞った
「何? どっかで私の詩をバカにしてる? なんかそう感じた」
「まあまあw」





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