Nicotto Town


出逢いのあの日に行こう


ワーニャ伯父さん


チェーホフの「ワーニャ伯父さん」を読みました。

去年のアカデミー賞で国際長編映画賞を受賞するなどした
映画の「ドライブ・マイ・カー」は、
演出家や俳優たちが出てくる映画でしたが、
私は、この映画の中で演じられていた
チェーホフの「ワーニャ伯父さん」がとても気になって、
去年、文庫本を買いました。

読んで、良かったなあ。

「こんなことを考えたよ。
百年、二百年あとから、この世に生まれてくる人たちは、
今こうして、せっせと開拓者の仕事をしているわれわれのことを、
ありがたいと思ってくれるだろうか、とね。
ねえ、ばあやさん。そんなこと、思っちゃくれまいねえ」

「たとえ人間は忘れても、神さまは覚えていてくださいますよ」

「ああそうか、ありがとうよ。いいことを言ってくれたね」

私は、担当した仕事自体は記録として残っていくものの、
私の名前まで後世に語り継がれるような大きな仕事はできなかったので、
この先は人々から忘れられていくばかりで、
やがては誰からも知られていなくなることを
少し寂しく感じていましたが、救われた気がしました。

「わたしはつらい。わたしのこのつらさがわかってくれたらなあ!」

「でも、仕方ないわ、生きていかなければ!」

この後の長いセリフは、映画の方でも使われていて、
ああ、生きていこう、って、しみじみ思いました。





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