妖刀　さゆきさんの日記 | ニコッとタウン

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うる星やつら　２３話

カテゴリ：アニメ
2023/03/27 03:59:23

この話は旧TVアニメ（1981年版）では押井守の暴走により、諸星アタルが美人コンテストの資金を持ち逃げして終わっている。
漫画版では美人コンテストがドタバタしながら進行するのだが、押井守は原作をそのままアニメ化すると動画枚数が多すぎて面倒だと考えた可能性が高い。
そこで、美人コンテストに出場する女の勝手ファンクラブ連中同士の抗争という形で話を進めた。
この手法はパトレイバーの内部抗争でも繰り返され、昔の極左学生革命グループによる内ゲバ抗争を思い出させる。

ともかく旧TVアニメ（1981年版）の　決戦！友１クイーンコンテスト　は原作を読んでいない者にとって意味不明なアニメでしかなかった。

昔、映画　ビューティフル・ドリーマー　を見た高橋留美子は「これは私の作品ではなく押井守のオリジナル作だ」と不快感。
この当時、押井守の暴走は目に余るものがあった。
そしてアニメヲタクの大半が「押井守のアニメは面白い」と喜んでいたのも事実。
アニメオリジナルのメガネ、角刈り、パーマ、チビ　といった連中が暴れていたが、この脇役達が漫画原作には出てこない、という事実にファン達は驚いた。
これも押井守の暴走である。

https://youtu.be/jtntZwQP3as?t=291
押井守が暴走して勝手に作ったアニメ　「みじめ！愛とさすらいの母」
↑
うる星やつらは原作に追いつきアニメオリジナルを乱発するようになると、ますます意味不明な作品になった。
その代表例がこの話。
押井守は社長から「わけの分からんアニメを作るな」と怒られたという。

ところが押井守は調子に乗り「天使のたまご」という怪作を作り出す。
当時、押井守は聖書における神秘性に傾倒しており、聖書の世界をOVA作品で表現できないだろうかと実験的にこの作品を作った。
ところが作品は意味不明で全く商売にならず、押井守は勝手な作品を作る暴走男という烙印を押された。
以後、押井守は監督としての仕事を失う。

しかし数年後、廉価OVAアニメ作品　パトレイバーの監督の仕事が舞い込む。
１巻当たり４８００円。　当時の水準では安かった。
ここで押井守が気持ちよく仕事できたのかというと、そうではない。
というのも押井守はイングラムのカッコいい造形が嫌いだった。
もっとかっこ悪くて、リアルな雰囲気のロボットを描きたかったらしい。
また、間が悪かったのがイングラムの正式なデザインがOVA制作当初、出来上がっていなかった。
このため押井守は主人公ロボのデザインも分からぬまま、作画を始めなければならなかった。
とりあえずイングラムが出てこないシーンを先行して作れば良いのだが、本当にイングラムの正式デザインの設定資料は遅れに遅れた。
デザイナーが「まだ期限は先だろう」と甘えていたのだろうか。
そしてとうとうアニメ制作の進行に影響したものだから押井守は激怒。
押井守はイングラムのデザインが気に入らないこともあり、デザイナーに早くしろと攻撃的な注文を出したように聞く。
ともかくパトレイバーのOVAは販売された。
押井守は安い制作費でもアクションシーンを減らしてアニメ作品を作れる才能があった。
そしてパトレイバー映画　第一作も押井守が監督。
ここでHOSを作った天才ハッカー　帆場暎一が聖書の一節を引用するなどした。
押井守は聖書に傾倒していたのか、アニメ作品に聖書の場面を当てはめることがチョイチョイあった。
「アクションシーンなんか要らないんだよ」と押井守は常日頃、言っていたが映画となるとアクションシーンを入れない訳にも行かない。
とは言え、パトレイバーの映画は静かな雰囲気で進んでいった。

押井守は川のシーンが多いからとロケハンを敢行するなど、かなりの時間を川の場面のために使った。
ロケハンは新しい視点を得るためにやった、と押井守。

川の撮影をした監督といえばジブリの高畑勲が日本中の川を撮影して回ったという話がある。
川に異常に執着した高畑勲だったが、出来上がった映画は客が入らずジブリは倒産の危機に瀕した。
高畑勲は好きな映画を作るためならジブリを潰しても構わない、というような無責任なところがあったのだろう。

押井守は自分が作った独自の世界をアニメで表現することに拘ったが、それが暴走すると訳が分からんアニメになる。
かの有名な映画　イノセンス　にしても、難解な作風が悪かったのかカンヌ映画祭で賞を取れなかった。
押井守は「この映画が賞を取らなかったら日本に帰らない」と宣言していたが彼は日本に帰ってきた。
あまり大きな事は言わないほうが良い。後で恥をかく。