「書簡にみる斎藤茂吉」
- カテゴリ:日記
- 2023/03/10 21:20:29
藤岡武雄・著
を読むと、長崎の病院に菊池寛と芥川龍之介が斎藤茂吉を
訪ねていったのが初対面だったとわかる
芥川が後に自殺する薬は、茂吉から処方されたものを
貯めていて一気に服用したためらしい
北原白秋の奥さんが貧しい中でもひたむきに彼を支える
理想の妻像のように書かれているが、人はいい面と悪い面と
両方を持って生きていると思っている
年が半分くらいの永井ふさ子さんに夢中になって
個人書簡だから、本になって公に読まれることを前提として
書いてないのに読まれちゃってるのは気の毒だけど、
茂吉のイメージを塗り替えるに十分なラブレターの数々
「ふさ子さん!ふさ子さんはなぜこんなにいい女体なのですか。
何ともいへない、いい女体なのですか。」とか
「そばにあるものはカマボコでも僕にとってはただのカマボコでは
ありません。ふさ子さんをたべるやうなものです。狼のやうにして
たべるのですか、かみつくのですか、」とか
「朝床に襟をふさ子さんとしてキスをいくたびしますか。
後便明朝かく あのふつくらとしたところ御大切にね。」とか
水着の写真をリクエストしていることもありました
奥さんの輝子さんと不仲と言われても、お嬢様育ちの輝子さんが
病院再建でお金が必要な時に頭を下げて回ったり、晩年の茂吉の
お世話もしているのも事実です
茂吉は鰻に目がなく、結婚式で新婦の分も「ちょうだい」と言って
食べてしまったりお茶目な面もある トンカツもよく登場する
孫が廊下で転んだら、砂で削って滑らないようにさせたり
次男の北杜夫に対して細かに指示を出す教育熱心なところもある
それにしても昔は優秀で貧乏な家の子はほとんど権力者や医者の家の
養子になっている 生家の父母の話も追ってみたいといつも思う
敵軍に殺されるんじゃなくて、日本軍人に命令されて死んでいった人たちの無念さを想うとき、
貧しい田舎の少年たちが将棋の歩のように使われていた事実を知る時、いたたまれなくなります
劇物を持ってた人が多かったようです><
「ヤだぁ~ またおっぱいとか書いてるぅ」ってもてはやされてる様子を想像してます