Nicotto Town


ガラクタ煎兵衛かく語りき


リリスバイバイ





聴かせてよ 子守歌
唄ってよ  子守歌
僕のための 子守歌
あなたの胸で眠りたい
あなたの胸でもう一度眠りたい




眼鏡を直すしぐさを言われたの?
先生に?
どの先生?
なんて?

「ヲレをバカにするなって」


母親は居間の掛け時計を見上げた
「まだ校長はいるわね」
数分で彼女は台所で支度を済まし 私に告げた
「5時丁度にご飯のスイッチを入れるのよ! わかったわね!」
私は頷くしかなかった
更に数分で母は身支度を整えて 最後に何かの象徴である帽子を選ぶ作業に入った
その時はベレー帽を選んだ ベルベット製の黒い王冠だ 



母が帰ってきたのはほぼ1時間後だったので
私が学校にいたのはごく数分だったのだろう
5時を過ぎていたから 炊飯器のインジケーターが赤く点灯しているのを確認して
私を抱き寄せた 「本当にいい子 私が全部守ってあげるね なんて可愛い」
女の人ってみんなこんないい匂いなんだ 全ての思考を放棄させる いや なんとなくね



翌日 私に文句を言った先生は学校にいなかった
数日間 教科の入れ替わりが行われたようで 妙に気忙しかった
担任は特に何も言わなかった
それでも人の口に戸はたてられないのか 級友の一人が囁いた
『おまえの母ちゃん すげ~な ※※辞めさせたんだってな~』
それを聞く私の反応を 周りの数人がわざわざ振り返ったりして見つめていた
視線で感じられた

こんなとき 私がとるべき応対には慣れている 過去にも数度あった
「ええ!? ホント! アジャパー!」
たいていこんなお返しで 級友は再び心を緩し 以前のスクールライフが再開する




聴かせてよ 子守歌
唄ってよ  子守歌
僕のための 子守歌
あなたの胸で眠りたい
あなたの胸でもう一度眠りたい



当たり前だけど 100%フィクションです





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