微かな南風ー17
- カテゴリ:自作小説
- 2023/02/13 16:15:46
皆さんもご存じのように 砂漠とラクダは切っても切れない
「月の砂漠」というイメージから なだらかな砂の海を隊商がゆっくり移動していくイメージが一般的かな?
航空写真でみると シルクが波打っているように見えるものが多いし
風の力による風紋とかは心を癒してくれる風景 などなど
砂漠といっても一括りにはではない
いざ砂漠に入ると 人が入ってくるのを阻む地形としか言えない
砂の質が違うように砂漠も 岩山に近づくと岩がゴロゴロしているし 違う場所では砂が柔らかすぎて車のタイヤでは埋まってしまう
砂漠の中の一本道を進んできた一行もそんな砂漠に入る前に昼食にしようと路肩に車を止めた
ものの5分もしないうちに後ろから付いてきていたトラックが追い付いてきて
すずらんたちのトラックの後ろにブレーキの音とともに停車する
3人が見守る中 運転席のドアが開いて
「待たせたね」と ご主人様がおりてきた
アルフが驚きもせず
「ご主人様 いらっしゃいませ」と頭を下げた
ご主人様がちらっと残念そうな目の動きを見せたが
「おやおや お見通しでしたかなwww」
すずらんがフォローするように
「砂漠の1本道ですからね そのトラックは目立ちますよ(*´艸`)」
「ふむ 確かにそうだな わっはっは」
ご主人様の後ろに4人のクルーが並んだ
「砂漠には危険が多いので すずらん殿をおひとりで行かせるわけにもいかんのでな まっ われわれを保険と考えてくれたら」
4人のクルーたちが頭を下げてすずらん達に挨拶をした
クルーたちはすぐざまトラックの横からするするっとテントを伸ばし柱を立てて日よけとし テキパキと机椅子を並べ始めた
スティーブもすぐにお湯を沸かすべくトラックの荷台に上った
スタッフの動きを見てすずらんはアルフに
「頼もしい助っ人ね^^」
「何しろ町中のドライブではありませんから ありがたいですね」
アインがその様子を見ていて みんなが席に着いたあと 気づかれないように妖精たちの入っている瓶を持ってトラックの反対側に運んだ
アインが瓶の口を開けると小さなころ根姫が出てきた
「し~~っ」
と口に人差し指を当てながら 後ろの2台のトラックに向かって何やら呪文をかけ
かけ終わったとアインに合図を送った
アインは瓶の口をころねのほうに向ける 小さなころねは吸い込まれるように瓶に戻ると口を閉めた