記憶に残っていたわたし
- カテゴリ:日記
- 2023/01/31 00:10:38
突然、十数年ぶりの人から電話がかかってきた。
先方は転居したわたしの連絡先を人にきいてまでかけてきていた。
三年がかりで準備してきたイベントを二か月後に控え、
いよいよ直前になってもイメージがわかず、考えも煮詰まって、
どうしていいかわからなくなってきていたと。
いよいよピンチ!と思って、本当に困ってしまったら、
ふっとわたしの顔が浮かんだそうだ。
過去のイベント仕事の手持ち資料に大急ぎで当たって、記憶を戻して、
日にちが迫っているので、雪が降る中、待ち合わせをしてお茶に。
やりたいことを聴きながら、準備したものを見せていただきつつ、
浮かぶアイデアをどんどん出して、図面で説明しながらいい方法を探った。
そのうちに……
「さっきから、気持ちがなんだかすごく高揚して来て、イメージも湧いて
やる気が出てきた。残り時間使って新しいことにチャレンジしたい」と、
ソワソワして、早く家に帰って作業しなくちゃ、ぐらいの様子に。
「やっぱり頭いいねぇ。助かった。当日も来てくれる?」
おいおい、あなたは高校で教えて県内一番の高校の校長までやって、
今は大学で教鞭とってる大先輩でしょうに…とは言わなかった。
「ありがとうございます、お役に立てて、喜んでいただけで嬉しいです」。
20も年上の先輩の年齢で、新たなやる気がでてきたって、すごい。
困ったと思って20も下の後輩にヘルプを言える人柄って、すごい。
そんなことを思いながら帰りの電車に乗って、自分の事も考えてみた。
困った時に思い出して、探して連絡を貰えるだけの仕事を、
かつてのわたしはやっていたんだ。
DVの真っ只中で、職場のハラスメントの最中で、追い詰められながらも
結果としては記憶に残る仕事ぶりと評価を残していたんだな。
まともな人たちとは、きちんとした人間関係も保っていたんだな。
そう思えば、わたしも捨てたもんじゃなかったな。
あの業界には戻れないし、これから一生やろうとしていることは
カウンセラーだから分野がちょっと違うけど。
少しは自分に自信をもって、ちゃんと顔を揚げて頑張ろうかな。