Nicotto Town


しだれ桜❧


微かな南風ー9

すずらんが スティーブの案内でアルフの部屋に近づくほどに 何かを感じていた
それは 甘美な 心をウキウキさせるような気配

「スティーブ アルフの部屋の方から ものすごく感じるものがあるのだけど なんなの?」

「はて?     」 顔を上げて周りを見回して気配を感じようとしてみたが
「すみません 私にはなにも・・・」とすまなそうな顔をしながら まだ天井の方を見まわしていた

そうこうしている間に 二人はアルフの部屋のドアの前まできた

スティーブがドアをノックして アルフがドアを開けた瞬間
中からものすごい数の妖精が一斉に飛び出してきて スズランの体に染み込んでいく
すずらんは両手を開いてすべてを受け入れた

「アルフ しばらく待ってね」と小声でころね姫が促した
スティーブも不思議そうに眺めている
何かは見えないけれどスズランの精神が高揚しているようにみえる
両手を広げ 目を閉じて 口が力なく開き気味になり頬が少し赤みを帯びている 
すべてが満たされたように感じる

一瞬だったか 数秒だったか スズランが目を開けて頭を振った

「スズラン様 大丈夫ですか」 アルフが声をかけたが
「あら 私どうしたのかしら? ちょっと椅子に・・・」
スティーブがすぐスズランの手を取って 椅子に座らせた
椅子に座って深呼吸をしたスズランはいつもの聡明なスズランに戻っていた
ころね姫が微笑みながら
「お帰り」
スズランは一瞬で何があったか理解したようだった

「やっぱりスズラン様は 持っていらっしゃたのね 」

「今目覚めたばかりなので・・・ そう・・・ これがころね姫のいらっしゃる世界」

珍しく アルフは上ずった声で 
「お茶をお入れしましょう」
というと慌ててキッチンに向かった スティーブも後を追う

それを見ていた スズランところね姫は目と目を合わせてフフッと笑った

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2022/11/18 00:49
しーちゃんのお話の世界に素敵に登場させてもらえて
幸せです~✨
ありがとうございます♥
魔法の力はやっぱり高揚するような素敵ものでなくっちゃね(^_-)-☆
ものすごい数の妖精がとびだして~という描写にときめきました(#^^#)
スズランさんのこれからの活躍が楽しみです~。




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