南の魔女クレア158
- カテゴリ:自作小説
- 2022/11/16 03:43:46
マキバルは尚もクレアを説得しようとしたのをハタルが止めてイドエル氏がマキバル自身が手紙を書く事を提案しました。
内容は余りにも非道な行為に胸を痛めているという事とハタルの案でクレアの耳にも此の事は伝えた事をさりげなく付け加えた。
其の手紙がイドエル氏に付いて直ぐに彼らは極悪刑務所から出された。
多くの人達は其々の反応を示した。貴族の中には其の対応が甘いと言う物達、其れはやり過ぎだったから早くに出されて良かったと言う物達もいたが多くの人達は数日で彼ら全員が生きて出てきた事にほっとしていたようだ。
そんな事が在ったのも知らずにクレアは村に来た警邏隊達が驚いたと言う真冬でも春の温かさの庭に出て自分が居ない間の薬草の様子を見に庭に出ていた。
すると以前「魔女の城」から連れて来たカラスが人型に変身して自分の妹がまだ「魔女の城」に残っているので探してくれると貴方の役に立つ古古語を古語に直す人形を「魔女の城」のどこにあるかのかを知っているので一緒に行って持ってくると言うのです。
クレアは流石にもうモゾリアナ国に帰らなければならないので今度戻って来た時に一緒に「魔女の城」に行って探してあげる事を約束してモゾリアナ国に戻りました。
クレアが戻って直ぐにダルニがイドエルの命令でマキバルに直接イドエルからの手紙を届けました。其の手紙には彼らを極悪刑務所から出した事が書かれていてマキバルが心配するような事はなかったと全員無事に家族の基に帰って行って彼らも反省したようなので其れ以上のおとがめは無いだろうと言う事が書かれていてマキバルを安心させました。
イドニーはその足で村の警邏隊のクレアを見張る係の自分の部下を訪ねて来てクレアが帰って来た時に誰と会っているかとか村に入って来た者を見張っている様にと特に注意をして報告するようにと伝えて帰って行きました。
村のクレアを見張る様に指名されてやって来た警邏隊はダルニの様な上官が態々自分を訪ねてきた事に感激をしてクレアのいない時を見計らって館に入って中を調べてきた様子を報告しました。
その態様は既にダルニがマキバルから聞いていた事でしたが彼があまりに真剣に其の驚きの内容と言う報告を始めて聞くような顔をして聞きました。
ダルニは其れよりも過去の事件で逮捕された村人が直ぐに帰らずに首都のトウニや其の周辺の村などで下働きなどをしていた連中がチラホラと村に帰って来ている方が気になって村に帰った連中が何をしているかも他の警邏隊の人達に一人一人の素行の確認を怠らない様に注意をしてトウニに帰って行きました。
靴屋の息子が刑務所を出た後にトウニの靴屋の下働きをしながら修業を積んで若い嫁さんを連れて帰って来てました。
ダルニは其の靴屋によって子供の土産に靴を1足買って靴屋の店先に洋服が何枚か吊るされて売っているのを見てどういうことかと聞きました。
靴屋が息子が連れて来た嫁が縫子をしていてジルドから布を買ってきて洋服を塗って売っているのだと言いました。
ダルニは何か気になる物が心をよぎりましたが其の事はじっくりと様子を見る事にしてトウニに帰って行きました。
其の予感は当たってました。
クレアはモゾリア国に帰る前に村に洋服屋が出来たと聞いて行ってみる事にしました。
小さな靴屋の横に何着かの村人が着そうな服がハンガーにかけられて壁に紐でつるされています。
クレアは其の1着を手に取ると裏に返して縫い目や糸の始末の仕方袖の付け方か裾の始末等まるで製縫学校の教師が生徒の作品をチェックするかのようにじっくりと見ました。
狭い靴屋の隅にかなり年季の入ったミシンがぽつんと置いてあります。
今度は其のミシンを色々触ってみています。
其の内に糸が付いている事を良い事に椅子に座ると自分の履いているドレスのスカートを持ち上げて縫い始めました。
糸が引っかかりました。
何度か其れを繰り返していると若い女の子が気て其のミシンは独特の癖があってと言うとどこかほつれたのならドレスのほつれた所を縫ってくれるとクレアに言いました。
クレアはすっかりいびつな形になったドレスのスカートを気にせずに「此のミシンでこれらの洋服を塗ったの?」と聞くとにっこりとうなづきながら「ミシンの癖を覚えれば使いこなせますよ」と笑って答える若い娘をまじまじと見てました。
何処で縫子をしていたのかと聞くクレアにトウニではモニークの店程ではないがそこそこに名の知れた洋服屋で働いていたと言う。
クレアが其のいびつになったドレスのスカートのまま平然と店を出て去って行くのを其の若い娘は唖然とみていました。
其の若い娘も其れがクレアだとは思いませんでした。
村長かコボルトのイチゴを売って大儲けをして今レストランを作る予定の八百屋の家の人なのかと思ってました。
其の後に館に帰るとクレアは設計者と大工にクレアの裁縫用の仕事部屋を作る様に支持しました。
更に其れまで何の指示もしなかったクレア専用のリビングも事細かに支持をし始めました。
館に居る間の食事は最初は昔の質素な料理でしたがハタルがマキバルを説得してディナーはドレスに着替える程ではないが其れなりに少しマシになりました。
其の為クレアは肘をテーブルに載せてだらだらとスプーンでごちゃごちゃと混ぜてふてくされて食べる事は無く其れなりにマナーを守って食べました。
マキバルはそんなクレアを見て驚きましたがハタルは其れでもモゾリアナ国でのクレアの毅然として更に洗練された淑女としての姿を見ていましたのであの食べ方はクレアなりの抗議の表し方だったと理解しました。
其の後にクレアはまたハタルを猫に戻して龍に乗ってモゾリアナ国に帰って行きました。
トウニではダウニの報告を聞いたイドエルが更にもう一人クレアと村を見張る特殊警邏隊を出す事にしてました。
ダルニの後輩でダルニがトウニで仕事をするときは常に部下として付いている若い警邏隊が選ばれて村に派遣されました。
イドエルからすれば一人増やして二人にしても足りないくらいです。
クレアとマキバルとの言い合いの内容はイドエルは知りません。
クレアは既に製縫専門学校時代に貴族学生の部を選ばずに一般庶民が選ぶ学部で一般庶民の生徒達が友人でした。
更に自ら本屋の店員をして庶民の生活を体験しているし今トウニで一般人からも議員を出す事を主張している中心にクレアが親友としていたモニークが居るのです。
クレアが其の思想を支持すれば極悪刑務所の塀などは一瞬で破壊する事が出来ます。
囚人たちが中から出れば大変な騒動が起きるだろうし、更に魔女が味方に付いたと成れば彼らは勢い着く事は目に見えています。
だがまだ其の兆候は見られませんがどんな些細な事でも見逃さずクレアが庶民と其の思想に付いて会話して其の思想に同調する前に阻止しなければなりません。
イドエル達の心配をよそにクレアはモゾリアナ国で魔法書の翻訳と其の魔法の実践に取り組んで魔法学校の教師候補達と毎日どれをどのように教えるか等を実験してました。
コントロールが出来る様に成ったクレアは魔法を実践して見せて貰うのにちょうどよかったのです。
クレアもコントロールの重要性が解ったのとクレアの様にイメージだけで魔法を使うよりも呪文での魔法で的確にどんな魔法がどの程度出来るかを知る毎日が自分にとってとても良い影響と経験をしていると思いました。