Nicotto Town


しだれ桜❧


微かな南風-5


旦那様が珍しくアルフレッドの部屋を訪ねてきた

いつの間にか部屋の中が本棚に占領されている 多くて背の高い本棚が4つほど増えている その間の塗ってアルフレッドの後ろに忍び寄り
机で何やら書き写しているアルフレッドの手元を覗き込んで
「この間の話に進展はあったのか?」

相変わらず好奇心むき出しの子供の様に 前振り無しの質問にアルフレッドも笑いながら まずはソファーに座ってもらい少し調べたことを説明すると

「なるほど 人間が自然淘汰されずに生き残ったのは 知恵と工夫があったからだな 族長の考える奥底には 砂漠地帯での民の集団生活を支えること それがあるんだな」

お茶でもお入れしましょうと言うアルフレッドを手で制し
「ところで この間 小耳に挟んだのだが 
南の方でもそれなりに生活水準も上がってきている まあ電気を多用するようになった来たのだな それで外国から発電ブラントを 導入するそうだ」

「ほう そうでしたか 都市ならいざしらず 電話線はひかずに無線だとかなり楽ですね ただ砂漠で発電となると」

「まあエネルギーに関しては 専門家に任せて 気になるほうの話は そこで調査隊が入ったそうなのだが 現地でどうも古代王族の何かを見つけたのだそうだ」

「おや 今でもまだ見つかってなかったものがあったんですね」

「ただ 断言ができないのは 調査隊が全員消えてしまったのだ つまりは噂の域は出ていない」

「二つ考えられますね 一つ目は もう海外に脱出してる 二つ目は脱出準備でどこかに隠れている」

「もう一つある すでに砂に埋まっているかだ」

「ご冗談を・・」といいながら アルフレッドは変に納得したような顔をした

「今現在 調査会社が 必死に調査隊を探しているそうだ」

「そのあたりはすずらん殿が詳しそうですね」

「アルフ 今度のお茶会は楽しくなりそうだな」
それだけを言い残して旦那様が帰っていった





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