ファーブル博士、奥本教授から学ぶこと
- カテゴリ:日記
- 2022/09/29 14:58:27
奥本大三郎教授はフランス語、フランス文学の教授であって
昆虫に詳しい ファーブル昆虫記の優れた訳もある
先生の言葉に「争いからは外れたところに自由な世界はある。
あの頃も今も、そう思っています。」がある
ユダヤ人に自分の判断でビザを発給した杉原千畝外交官のように
パスポートが無くても入国許可を出してあげてほしいと、今
命がけの国外脱出を試みる人たちをみて思わずにはいられない
五木寛之氏と同じで拷問の記述は飛ばして読む私だけれど、
奥本教授がクローズアップされている雑誌の中でたまたま目にした
安部龍太郎・文のキリシタンに対する拷問は凄まじかった 権力に盲従して
陰湿な拷問に手を染める人間の弱さにつくづく悲しくなる
そういえば、1922年に日本で初めて「昆虫記」を訳した
大杉栄氏も宗教上の理由で捉えられ翌日確か井戸に落とされて
殺されている 残念なことだ
子供の頃のファーブルの印象はフンコロガシ100%だったが、
当たり前だがそればかりでない 55歳から83歳までセリニャン村の
アルマス(荒れ地)での研究の記録は、それまでの説を覆す発見の
連続だった 人に聞いたことを鵜呑みにせず「自分の目で確かめる」
何が正しいか「自分で考える」それを実践した人がファーブルだ
「いろんなことを知っているのが偉いんじゃない、学問を楽しみ、
自分のものにすることが大切、それには根気と努力が必要」
ずっと心に留めておきたい
今回奥本先生訳のファーブル昆虫記を繰り返し読み、特に
惹かれたところを抜粋しておきたいと思う
★昆虫はプログラムされた決まった行動の上に生きている
それゆえ0.00033グラムのフェロモンで約4万km(地球1周分)の
道しるべをつけることが出来るが、反面、巣穴に獲物が無いのが
分かっているのに入口が開いていたらふさがずにはいられない、
獲物を運ぶときは触角をつかまないと運べないという愚かさも
あわせもつ
★それまで殺した獲物に腐らないような一種の薬品を注射していたと
思われていたが、昆虫が持つ麻酔の毒針は運動神経を麻痺させて
動けなくするだけなので、獲物が生きているので腐らない
幼虫は生きた新鮮な獲物を食べて育つ 毒針を刺すべき1点は
解剖学者のように正確である 獲物の体から孵った幼虫はプログラムされた
本能に基づき命に関係ないところから食べていく
★自らが待機する見張り台から獲物を捕らえるナルボンヌコモリグモ
に皮紐、3センチに切った太い毛糸、丸い小石を与えると2か月で
色も形も美しいアーティストの塔(見張り台)を作り上げる
★ユーフォルビア(毒のある植物)で育つアワフキムシや
ユーフォルビアスズメ(スズメガの幼虫)は、
毒のある管(植物の中で作られた養分)には刺さず
毒のない管(地面から吸い上げられた養分)だけを吸っている 凄い!
★青い蝶=モルフォチョウ、オオルリアゲハ、アサギマダラの青は
羽そのものの色 なので、黒い部分の鱗粉だけ柔らかい筆で落ちる
★ベルクマンの法則=北に住むもののほうが大きくなる(昆虫は逆)
ホッキョクグマ>ヒグマ>ツキノワグマ>マレーグマ
表面積の関係らしい 昆虫が真逆なのは、
暑い国は太陽の光が強く、湿度も高くて植物がぐんぐん育つから
★素早い一瞬の動きで待ちの姿勢から獲物を捕らえるハンミョウの幼虫
成虫はドローンに電動のこぎりがついた最新兵器みたいだ
英語名=タイガービートル
だが、上には上がいて、ハンミョウの幼虫も敵わない狩りの名人がいる
ツヤアリバチの瞬間技 恐るべし
★トックリバチは徳利のような巣を作り、完成するとぎゅうぎゅうに獲物
(蛾の幼虫)を運び入れる ひとつの巣に10匹くらい それでも卵は天井から
ぶら下がるように産み付けられているからもみくちゃにされない
★モンシデムシは地上の掃除屋さん 意味は死体を運ぶ者
自分より大きなモグラの死体の下にもぐって穴を掘る、死体を揺らして
体重を利用して落とす 一旦地上に出て十分でないことを知ると
さらに土をかき出して完全にうずめてしまう
★生まれて死にゆくまで、自然の摂理でバランスが保たれている
誰かが増え続けると一時的には繁栄したように思えても餌がなくなり
生き延びられない だから自ら天敵を呼ぶ操作まで彼らはやっている
土に返ったらまた幼虫や植物の栄養分になる 人間はいつになったら
彼らを見習えるのだろうか
ガンの特効薬も、もしかしたら昆虫から得る事が出来るのかも・・・
ガンの特効薬に限らず全ての難病にも当てはまる事なんですよ