Nicotto Town


出逢いのあの日に行こう


早朝爆音ラジオ


太宰治の「十二月八日」という短編小説があります。
高校生の頃に読んで、可笑しくて可笑しくて、
笑い過ぎて息ができなくなったことを思い出して、
深夜に布団の中でスマホで検索して、
ウン十年振りに読み直しました。

昭和16年12月8日、太平洋戦争が始まった日を、
日本の主婦の目を通して描いた作品で、
昭和16年は西暦では1941年ですが、この小説の中では、
日本が建国された年から数えて約2600年であり、
約100年後は日本の紀元2700年が来るという状況です。

小説の内容は、ネタバレになるので触れませんが、
今読み返して、あることに初めて気付きました。
昔は、ラジオを持っている家は大きな音でラジオを流して、
御近所の人はそれを聞いていたということです。

私が小学生の頃、私の父は大音量でラジオを流していました。
しかも、毎日、朝5時から大音量で鳴らすのです。
当然、近所の人が苦情を言いに来て、母が謝って父に伝えました。
しかし父は早朝爆音ラジオをやめなかったので、
別の日には別の御近所さんが苦情を言いに来て、
今度は兄が謝って父に伝えました。
それでも父は早朝爆音ラジオをやめませんでした。
数年後、父が死に、その葬式で兄が喪主として挨拶した際には、
「御近所の皆さんにはラジオの音で御迷惑をお掛けしました」
と、改めて謝っていました。

私は、そんな父を、頭がおかしいのだと軽蔑していました。
でも、「十二月八日」を読み返して、ハッとしました。
父がまだ子供だった昭和の初め頃の父の家は、大金持ちで、
蔵をいくつも持っていたし使用人もたくさんいたそうです。
その財産は、後に父が全部遊びで使い果たして、
兄や私が生まれた時には超貧乏になっているのですが、
とにかく、父が子供の頃の家は金持ちだったのです。
ということは、当時の父の家では、
ラジオを持っていない使用人や御近所のために、
わざとラジオを大音量で流していたのではないか。
父はそういう家で育ったから、
ラジオを点けるとどうしても大きい音にしてしまったのではないか。

もはや真相は確認できませんが、
もしかしたらそうだったのかもと思ったら、
頭がおかしいと思っていたことが何だか可哀想になりました。

お盆だから、父は今、家に来ているのでしょうか。
ちょっと謝りたい気にもなりますが、
ま、父の位牌は兄の家にあるので、
私の家には来ていないでしょうね。





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2022/08/19 05:53
とんとんさん

なるほど~。
答の出ない疑問から、小説を書いてみる、か~。
楽しそうですね~。
一日中カミサンと同じ部屋にいるので、
今は執筆活動(笑)が難しいですが、
そのうち何か書いてみたいな~。
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2022/08/18 10:33
ラジオを爆音で聞いたら、お父様が寄ってくださるかもしれませんよ^^

ラジオというものは大きな音で聞くものだという既成概念があったか
大きな音で聞くことで子供のころのことを思い出していたのか・・・

そんな答えの出ない疑問から、小説が書けるかもしれませんよ^^
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2022/08/18 00:50
ゆりあさん

あははは。
父は私の家にも寄り道してますかね〜。ww

そうですね〜。
考えてみれば、世の中で起こるほとんどのことが、
その時には他人には真相が分からないんですよね。
どんなに先になろうとも、
後で誰かに真相が理解されたとしたら、
それで十分なのかもしれませんね〜。
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2022/08/17 22:03
こんばんは!
あ!そこにお父様が!!
お兄さんのお家の帰りに寄られたのかも!?
なーんてね( ´ ▽ ` )

なんでもそうですけど、
後になって、あれはあーだった、こーだったということが判明します。
その時は誰も理解していなくても
後になって1人でも理解してくださる人がいるだけど
その出来事は昇華すると思いますー
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2022/08/17 18:40
ゆっきさん

父は、近所から苦情が2回来ても、
爆音でラジオを流す理由を言い訳しなかったので、
真の理由は永遠に不明なのですが、
何かしら父なりの理由があった
…と思いたいです。
そうじゃなきゃ、本当に頭おかしいですからね〜。
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2022/08/17 08:28
なるほど、
周りの人に聞こえるようにわざと・・・。
やさしさでやっておられたのかもしれないですね。
(息子にはずっと頭がおかしいと思われていましたがw)
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2022/08/17 00:39
夢芽さん

令和の今こそというか、
大人になった今こそというか、
あえて大正・昭和の小説を読むと、
発見や、やっと理解できることとかあって、
面白い気がします。

つい先日まで、
「ある奴隷少女に起こった出来事」という、
1820年代のアメリカの奴隷の自叙伝を読んでいました。
読んだ後は、200年経った今のアメリカについて、
改めて考えてしまいました。

(ああ…。真面目なコメント…。)
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2022/08/17 00:28
紫の上さん

私たちにとって、ラジオとは、
深夜に勉強しながら小さな音で聞いたものですが、
戦時中は、戦況を知るために、
そしてそれを近所の皆も共有できるように、
大きな音で聞いていたようです。

しっかし、うちの親父は、
レコードも爆音で聞いていたなあ。
やっぱりあの人は、自己顕示欲が強過ぎだったのかな?
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2022/08/16 21:46
へぇ~^^
そういう時代があったのですね
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2022/08/16 18:55
大音量のラジオのこと、初めて聞きました~。
そっか~~♪
みんなに聞こえるように わざと大音量にすることもあるのか~~。



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