Nicotto Town



南の魔女クレア140


クレアは化粧台の鏡の前に座ってどうしようかと少し考えました。
マキバルの買い物を言い使って外に出る事が多いこの頃です。
いちいち化粧をジルドの市場にしても龍にのって行くクレアにとって直ぐに済むようじです。いちいち化粧をするのも面倒なので殆ど素顔で言っていたおかげで田舎の容赦ない太陽によってすっかり日焼けした顔が其処に映っています。
クレアはファンデーションを何時もの化粧の様に塗りつけましたがそれでは足りない様に思います。
前に化粧品店の店員に勧められるまま買った白めのファンデーションを其の上に塗りたくりました。
其れからアイシャドウもしっかりと付けると口紅も何度か其の上に更に塗りました。

どこかで見た様な顔になりました。「だれだっただろう・・・・。」と口に出した時に思い出しました。
其れはイドニーにあった時に一人の厚化粧の女の人がイドニーを見つけて懐かしそうにしなを作って寄ってきてイドニーの腕をつかむと「お久しぶり」と胸を押し付ける様に前を塞いで言いました。
イドニーは一瞬びっくりしたようにその腕を振りほどくと「ああ・・」と曖昧な返事をして其の後にクレアを其の場に置いて強引に彼女を連れて其の場を離れました。
一瞬其の女の人から懐かしい香りがしたのでクレアは其の場に留まりながらもイドニーが女と場を外しても気にしないのですが思わず目で追ってしまいました。
そして此の香りは何だっただろうと考えて直ぐに思い出しました。
昔はやっていた香水の匂いでクレアがイザという時に勝負服の様に「勝負香り」として購入してボルアートとの初夜に使おうとしていたあの香水の香りでした。

一瞬で当時の事が脳裏に浮かびクレアは胸が熱くなるのを感じて二人を見た。
と其の女の口からボルアートの名が出た様な気がしてクレアが更に二人に興味を示したのを察したイドニーが其の女の人を隠す様にしながら更にクレアから遠ざけながら何か強く言ったようで其の女の人は不服そうに一瞬だけクレアを見ると業とだらしない歩き方をして遠ざかって行った。

トウニはクレアが一度もあった事のない士官学校時代の友達にしつこく迫っていた女でみんな迷惑がっていたとクレアが聞きもしないのに言いました。

ボルアートの名前が聞こえたけどと言うクレアにイドニーはボルアートにもそいつが今どうしているか聞いてくれと言うので彼が戦死して傷ついている人もいるのに無神経だなと思って二度と声をかけて来るなと言って追い返したと何時もニタラニタラと不器用な笑い顔をするイドニーの仮面を張り付けた様な無表情の顔を見てクレアは(そうだわ、偶にイドニーはこういう顔もしたっけ)と寧ろそっちの方に気を取られたのを思い出した。

何時もよりかなり厚めの化粧をして2年前に買ってまだたっぷり残っている香水を振りかけると今度はコルセット型のトップを切ると右わき脇から手で強引に寄せて胸を熱くして今度は左わきからも胸の方に寄せて胸を熱くして胸の谷間を強調させた。
其の上に前が開いている上着を来て普段着のスカートをはくとそれとなく用事で来たと見えるコーデになったと何度も確かめてクレアはまずシーズの所へ行ってマキバルが用事があって行くのに女一人で男に会いに行くなとうるさいからシーズの子供をちょっと貸してと言いに行った。

シーズは最初は驚いたが子供の方はクレアが持っているバックのひとつにおいしそうな臭いがしているのを察して「僕、クレアと行きたい」と言ったので丁度シーズの所も秋の取り入れで忙しい時期だったのでクレアに数時間預ける事にした。

クレアは其の子を連れて意気揚々と警邏隊事務所兼郵便局の事務所に行きました。

彼は両方の事務所で其の時間は一人で留守番をする当番の時間なのをクレアは調べて知っていて其の時間帯に合わせて来たのでした。


子ども連れのクレアに確かに少しモーリスに似ているかもと前よりもっと近づいて見て思いましたが彼の方がずっと端正な顔立ちで知性的に見えました。

郵便局長はクレアが連れて来たシーズの子供を見て「君の子かい?可愛い坊やだね」と言いました。
クレアはあっさりと「ちがうわ。私の死んだ夫の愛人の子なの。私これでも未亡人なのよ。」と言いました。
郵便局長はクレアの言葉に少し驚いた様に一瞬戸惑った顔をしながらも「君の無くなった夫に愛人がいて其の人の子供をつれてきたと?」と戸惑いながらも上端だと言う言葉を期待しながら言いました。

クレアは「私は夫に愛人がいたのを承知で家の都合で結婚したの。私の家は子爵の家で家を守る為の結婚したの。こんな事はどこにでもある話だわ」と言いました。

確かに良くある話と言えばそうなので彼は黙っていましたが、其れでも遠慮がちに「愛人が憎いとか、嫉妬とかなかった?」と聞いてきました。
子どもの前で無神経な質問にクレアは必死に大人の話を盗み疑義している小さな心を察して「其れに此の子の母親と夫は幼馴染で子供の時から仲が良くて二人の事は知らない人は無い位で本当に心から愛し合っていたのよ。」そしてシーズの子供の頭をなでると「貴方は本当の愛の結晶なの。」と言いました。
私は後から家の為に其の間に割って入ったの。夫が私を愛してないのは承知で夫も私が愛してないのは承知だったの。此の子の母親の方が辛かったと思うわ。私は此の子の母親に申し訳ないと思った物」というと其の子が「違うよ。クレアは母さんの命の恩人だと何時も言っているよ」とクレアのスカートを掴みながらクレアの顔をしっかりと見て言いました。
クレアは其の目を見てハッとする程モーリスに似ているので複雑な気持ちになりました。

一瞬の間が空いて「所で今日は何の用で?」と彼が聞いてクレアもそうだった。私は此の男を気を引くために来たのだと本来の目的を思い出しました。
そしてしなを作りながら胸を強調して彼に近づいて行って「本が何度もやっても上手く包めなくて」本を机の上に置くと紙と紐を出して「やって頂けないかしら?今農場が繁忙期で男手が無くて」と更にしなをつくって胸の谷間を強調しながら上目使いに彼を見ました。

彼はあっさりと「やってみましょう」というと手際よくあっという間に包んで紐で縛って小包を作りました。
更に此処に送り先を書いてとペンを出すのでクレアがアルガー宛の住所をかいて後ろに自分の住所を書く様に言われたのでクレアとだけ書くときちんと自分の住所を書かないとだめだとかなり強い口調で事務的な言葉で言うので言われるままに修道院の住所を書きました。

此れで用事が終わってさも何故まだクレアが居るのかと言いたげな表情をするのでクレアはやっと思い出したようにもう一つのバックにびっしり入れて来たイチゴを渡して「皆さんで食べて頂こうとおもって」と差し出しました。

「此れはおいしそうなイチゴだ」と彼は其れを受け取るとシーズの子供に一緒に食べるか?と聞くとこくりとうなづいた其の子を抱き上げると椅子に座らせて作り付けの戸棚からお皿を出してイチゴを載せると今度は子供を抱き上げて其の椅子に座って彼を膝の上に座らせて「では遠慮なく頂こう」と子供顔を覗き込んでいいました。
二人がおいしそうにイチゴを食べている姿はまるで親子の様でした。

どやどやと警邏隊の人達が数人巡回から戻ってきて郵便配達員に奥さんと子供がトウニから訪ねて来たのかと聞きました。












月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.