Nicotto Town



ぐだぐだ劇場R【5】もう一人の来訪者

シニュフォード・メンドーサ隊は、死ぬほど面倒なことを押し付けられる部署である。

苦情処理、揉め事の仲裁、ペット探しなど街の人たちの依頼を請け出動する「何でも屋」みたいな組織である。

ここは、シニュフォード・メンドーサ隊事務所の食堂。現在、お茶会の真っ最中。
「スイちゃん~、ギューちゃん~、あ~んして~」
「スイ~!チュニス、ありがとう~!」「ありがとうギュー」
チュニスは水牛のスイとギューにドーナツを食べさせている。
「最近、特に多いのは、突如、異世界からやってくる来訪者たちだな」
トリオン隊長はハーブティーを飲みながらセルフィを見やった。
「先程『くまくまベーグル&ドーナツ』のお店の中でも言いましたが、
異世界からの来訪者さんたちを元の世界に送り返すのも、メンドーサ隊の仕事なんですぅ~」
トリオンの補足をしたマリアの口の周りにはドーナツの食べカスが付いていた。
「マリア、相変わらず美味そうにドーナツ食べやがって…口を拭いてやるからじっとしてろ」
「ト、トリオンさん。い、痛いですぅ~」
「お二人さん、ラブラブやなぁ~。もう結婚したらええんとちゃう?」
セリカがいつもの調子でトリオンとマリアに茶々を入れる。赤面する二人。
「あ、あの…そろそろ、本題に入りませんか?」
ティルトが遠慮がちに提案した。

「それで、あなたたちはいつもどうやって異世界の人達を元の世界に帰してるの?」
セルフィが話を切り出す。
「ティルトの転送魔法かセリカの簡易魔法陣を使ってるわね」
リコシェが答える。
「その簡易魔法陣なんやけど、今切らしててなぁ…」
「この前、間違ってマリアをセルフィのいる世界に送っちゃった時に、杖にヒビが入っちゃって…」
「ええっ!?それじゃ、今すぐには帰れないってこと…!?」
セルフィの顔が真っ青になった。
「そういえば、セルフィの他にもう一人、異世界から来た奴がいたよね。アイツ、どうしてる?」
「ボウ・ヨミーさんのことですかぁ?
あの人なら気持ち良さそうに寝ていたので、起こさなかったですぅ~」
「ボウ・ヨミー!?」
セルフィはその名前を聞いて驚愕している。
「おはよう、メンドーサ隊の諸君。
やや?そこにいるのは…セルフィ!『セルフィ・イチハラ』ではないか!」
食堂に入ってきたアンニュイな目つきの王子様風イケメン『ボウ・ヨミー』は思わず目を見開いた。
「ボウ・ヨミー…アンタもここに来てたなんて…」
セルフィは思わず頭を抱えていた…。

ーつづくー

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2022/06/27 15:17
ボウ・ヨミーのキャラ楽しみ!



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