日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2022/04/26 00:23:24
こんばんは!26日(火)は、西日本から東日本や東北では
広い範囲で雨が降るでしょう。
雷を伴った雨の降る所もある見込みです。
土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や反乱に警戒、注意してください。
落雷や竜巻などの激しい突風にも注意してください。
北海道は午前中は晴れますが、午後は次第に雲が広がり夜には雨が降る見込みです。
南西諸島は概ね晴れるでしょう。
風
雪
白銀の世界
標高2000mの展望台
遮たるものの無い天空の峰々
春の光きらめく高原へ
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長野 美ヶ原
〇登山ガイド 植松晃岳さん
植松さんはガイド歴30年のベテラン。
美ヶ原の自然に詳しい山の案内人だ。
*撮影:3月上旬
前回はカノープスという星を観察したところまでの紹介でした。
今回二日目は日の出を見に行くところから始めます。
2日目
朝5時半
「おはようございます。
え~と、今朝は天気がいいので、近くの牛伏山まで日の出を見に行きましょう。
はい、じゃあ行きましょう」
夜明け前、気温は氷点下12度。
冷え込んだな~。
20分程で牛伏山に到着。
〇牛伏山(1990m)
「はい、着きましたよ。
ここでしばらく陽が昇ってくるのを待ちましょう」
「あっ、向かいの上に太陽が顔を出しました~。
美ヶ原の夜明けですね~」
厚い雲の中から滲むように太陽が出てきた。
東の空を段々朱に染めていく。
日の出から間もなく頂上の西側へ。
「あっ、うわっ、見てくださ~い。
凄い、山がこの瞬間だけ薔薇色に染まります。
これがモルゲンロート、朝焼けです。
今、こういったこの瞬間だけの色ですね~」
僅か10分程で消えてしまうというモルゲンロート、感激だ。
午前9時、山小屋を出発
昨日の吹雪で木々が真っ白に雪化粧している。
「凄いですね~、樹氷が輝いてますよ~」
「これ見てくださ~い」
海老の尻尾みたい。
「へぇ~、これ~、昨夜(ゆうべ)の一晩のうちに出来た樹氷ですね~。
こんなに大きいですよ~。
え~、食べてみたくなりますね。
海老の天婦羅みたい、味無いけれど。
美味しい」
一晩でこんな見事な樹氷出来たんだ~。
「はい、では~ちょっと気をつけて~、ここを歩いて行きま~す」
何ですか~、ここは?
「これはね~、柵なんですよ~。
え~と、こっから中はあの牧場なんですけれども、
こっから登山道が始まります~。
で、ここを歩いて、今日凄い雪原ですね~。
普段は、あの~牧草地帯なんですけれども、雪に埋まってますので。
はい、行きま~す」
*現在 柵は閉鎖されています
〇茶臼山登山道
雪に覆われた登山道。
植松さんの後をしっかり付いていく。
ここからはスノーシューを履いていく。
フカフカの雪原を歩くのって~、気持ちいいですね~。
「は~い、雪が舞い上がりますね~」
春の陽に輝く雪原を行く。
とっても贅沢な時間だ。
「ちょっと茶臼山が見えてきました~」
「この辺りに兎の足跡がありますね~」
どこですか?
「ここは辺ずうっと兎の足跡ですよ~」
何で兎って分かるんですか?
「兎は~、後ろ足が大きくて~、兎跳びっていうように跳ねて歩きますよね~。
ですから、これが前足。
あ~、指も見えますね~。
チョンチョンでパッ。
ですから、後ろ足が前足よりも前にくる。
それが兎の歩き方ですね。
これ今下の方からですね~、ずうっと上に向かって、
どんどん上に向かって歩いていますね~。
そちらで餌を探しているんでしょう」
何食べてるんですか?
「新しい新芽ですね。
芽だとか、え~、柔らかい枝。
そういったものを冬は食べて凌(しの)いでいます」
山小屋を出て1時間、ガスが出てきた。
随分気が増えてきましたね~?
「この辺はズミですね~」
ズミ?
「ズミはですね、酸っぱい実という字を書きます」
酸っぱい実か。
どんな実だろう?
「ここにちょうどですね~。
え~、去年の秋の赤い実が残ってますね~」
〇酸実(ずみ)
小さなサクランボみたい。
周りは樹氷で覆われている。
「この辺美ケ原一帯はずうっとこのズミがあります~。
ちょうど赤い実と結晶、これもこの季節ならではのものですね~」
あ~、青空が見えてきましたよ、植松さ~ん。
「や~、これだけ出てくるとね~、もう時間の問題ですよ。
霧がバーっと一瞬に晴れるかもしれません」
美ヶ原を覆っていたガスが消えていく。
気持ちいな~。
どこまでも行きたい気分だ。
この辺は雪がだいぶ積もってますね~。
「や~、これ綺麗ですね~。
これが昨夜(ゆうべ)のブリザードで出来たシュカブラですよ~」
シュカブラですか?
「これはあの風紋といって~、風が織り成す~、雪の芸術ですね~」
風が作ったんですか~?
「このように風が吹いて、それが波のように押し寄せてますね。
ずーっと広がってます。
まるで氷の波ですね~。
まさにさざ波、さざ波ですよ~」
雪に描かれた紋様は高原を通り抜けていった。
風の足跡なんだ。
ここからアルプス展望コースを歩き、最高峰の王ヶ頭を目指す。
〇アルプス展望コース
「はい、色んな山が見えてきました~。
中央アルプスですね」
〇木曽駒ケ岳(2956m)
たなびく雲の上に木曽駒ケ岳が見える。
〇御嶽山(3067m)
「え~、その右が~、御嶽(おんたけ。
正面には乗鞍(のりくら)岳も見えてます」
〇乗鞍岳(3026m)
3000mの峰々が真っ白だ。
「まさにアルプス展望コースならではの景観ですね~」
日本の名立たる山々を眺めながら行く、素晴らしい。
「これから行く王ヶ頭があそこに見えてきましたよ~」
見通しの良い王ヶ頭には放送局などの電波塔が建ち並ぶ。
「はい、こっから~、あと少し最後の登りです。
気を抜かずゆっくり行きましょう。
滑らないように行きますよ~」
結構急ですね~?
「はい、この先は凍ってます~。
チェーンスパイクの爪を食い込ませて、ゆっくり慎重に行きますよ~」
正午過ぎ美ヶ原の最も高い場所までやって来た。
「はい、お疲れ様でした~。
美ヶ原の最高峰王ヶ頭に着きました。
2034mです」
今回は王ヶ頭に到着したところまでと致します。
次回は王ヶ頭からの眺望のことから始めます