南の魔女クレア112
- カテゴリ:自作小説
- 2022/02/05 17:21:20
ドラゴンがクレアの説得でアルガーを乗せて火薬玉を落とす事に協力すると言うと男達はさっさと行ってしまいました。
クレアが自分も参謀会議に入れる様に言う暇もありません。
クレアが追いかけて玄関を出た時には3人の乗った馬がはるか遠くに在ってゆったりとドラゴンが其のあとを飛んで行ってしまいました。
クレアはどうして男達は解らないのかとボルアートの思考と変わらない此の対応にうんざりしました。
アルガーの火薬玉を扱う訓練が始まった様で其の日からアルガーは此の度ピンクの館に帰って来てません。
そうこうしている内についにキリアマリ国の大型戦艦が港を出たとのドラゴンとアルガーの定期偵察の報告が入ってモゾリアナ国は大騒ぎです。
クレアはひとしきり港の様子を見に行ってどうやら彼らは大型戦艦は大砲とアルガーの火薬玉で撃沈して其の他の船は現在あるモゾリアナ国の船で対戦して其れでも港に着港して上陸して来たキリアマリ兵は陸で応戦する様で何隊もの小隊があちこちに応戦の準備に配置についていました。
クレアの案は大型戦艦は同じ様に大砲とアルガーに任せるけど残りのキリアマリ軍の船団は一艘でも多くクレアが海水を一部上昇させて4m位になると其れを船の横にぶつけて横倒しにして沈没させて彼らの戦力をそぐと言うのが入ってます。
クレアはドラゴン以外に龍を使途に持っているのです。其れだと高い位置に飛べますのでどの場所に居ても彼らの大砲も弓矢も届かない位置から海水をぶつける事が出来るのです。
其のクレアの能力を何故使おうとしないのか理解できません。
クレアが能力がある魔女だと解って居るのならまず参謀会議に出席させてクレアが何を出来るのかを聞くべきでしょう。そして其の戦力を組み入れた作戦を計画すべきだとクレアは思うのです。
ボルアートもクレアと一緒に対策を考えればクレアの父親の知人達に法律に詳しい人から其れなりに権力がある知人がいます。クレアと結婚したのなら其れを使おうとするのがより良い方向へもっていけると少し考えれば解るはずです。
なのに最後は自分達の見捨てる方をまるで運命か定めの様に一人悲観的になって感傷に浸って女達を置いて行ったのです。
今回も明らかにモゾリアナ国に勝ち目が薄い戦いにクレアの力を入れないで戦いに挑もうとしているのです。その為に大勢のモゾリアナ兵だけでなくモゾリアナ国民は犠牲になるでしょう。
其れでも今、目の前の彼らは半分負けると解って居る様な闘いの戦略を彼らだけの思考で選択しているのです。
其の愚かさにクレアはいい加減にして欲しいと男達の思考の情けなくなりました。
其れでもみすみす見殺しに出来ないとクレアは城に正面から入ると阻止されるので壁伝いに二階の窓から入ると深く中に入って直接王様に言うよりなさそうだと望遠鏡を持って侵入しました。
此の辺りに王様の住居がありそうだと思う妙に立派で華やかな所を見つけると其の辺りに居る兵を見つけて王に呼ばれてきたのだけど王様はどこにおらせられますか?と其れらしく毅然と聞きました。
兵は王は城の塔に居ると言って難なくクレアを其処の傍まで案内してくれて王様のお付きの兵に魔女クレア様がいらっしゃいましたとクレアの言葉を信じて言いました。
王様のお付きの兵の間を当然の様に毅然とすりぬけると塔の見晴らしの良い所からクレアと同じように望遠鏡を持って戦況を見ている王様の所へ行くとクレアは恭しく挨拶を知れっとした顔をしてしました。
王様はクレアを見ると何の疑いもせずクレアが望遠鏡をもっているのでクレアも戦況を見に来たのかと思ってクレアに此の場所が良く見えると手招きをしました。
クレアはこの機を逃さず、王様にクレアの考えを言いました。
王様は「で、わしに何をして欲しいのか?」とクレアに聞きました。
クレアは王様に「私に王様から一艘でも多く船を撃沈して来いと命令を頂きたく存じます。」と言いました。
王様は「クレアよ、今すぐにお前の魔法を使って一艘でも多く船を撃沈して見せよ、」と命令をクレアに命令を下しました。
クレアは深々と頭をさげると「はい、承りました。」と言うと龍をよびよせました。お付きの大臣の一人に望遠教を預けるとやっと心配してアルガーの妹がハアハア言いながら塔の下の所で其れ以上はお付きの兵に来る事を阻止されて説明をしているのをしり目に龍にまたがると遥か高く飛んで行ってしまいました。
王様と側近の兵と大臣がクレアを望遠鏡で追いました。
大きな戦艦の遥か後ろに6艘の戦艦が確かにこっちに向かっているのが見えました。
クレアが其の6艘の船の近くの遥かうえで龍に乗って旋回を繰り返しています。
やがて其の1艘に目を付けたのか其の上で留まると其の船の近くの海の水がせりあがりました。そして其の船に向かって波打ちましたが船は大きく揺れただけでした。
何度か其れが繰り返されました。
王様が大きな声で「クレア、もう少しじゃ頑張れ!」と声を張り上げました。
周りの望遠鏡でみていた兵や大臣たちも其れを見て「クレア、がんばれ!」と応援し始めました。
クレアはしばらく考えて海の水を上げたと同時に風も其れに合わせて波を打ち付けると同時に風も強くぶつけました。
船が大きく傾くと乗っていた兵たちが傾いた側にどっと滑り始めたかと思うと中の色々な物が片側に押し寄せたのか船のバランスが崩れて船が次第に横倒しになって兵たちが船から次から次と落ちるのと同時に船が横倒しになりました。
何とか一艘船を倒す事が出来ました。
その間にも残りの5艘はどんどんモゾリアナ国へ向かっています。
其の頃3艘の大型戦艦の一つが灯台を壊して其の場所に作った大型大砲の射程距離に入って其処から大砲を撃ちこまれて大砲の打ち合いになってました。
アルガーの火薬玉も大型戦艦に落とされて爆発をしてますが予定の両方に肩掛けカバンに一つずつ入れて二つの火薬玉で1艘を沈めてまた戻ってきて二つの火薬玉でもう一掃を沈めると言う計画が二つの火薬玉を命中させたぐらいでは大型戦艦は沈まなかったのです。
アルガーは急いで戻ってきてまた二つを大型戦艦に命中させるとやっと一艘の大型戦艦を沈める事が出来ました。
そうこうしている内に一層の大型戦艦がモゾリアナ国への大砲を撃つ射程距離の所へ近づいてきていました。
アルガーはまた戻って二つの火薬玉を持つと大型戦艦に向かいました。
クレアは一艘を倒すのに思ったより時間がかかった為にどうしたら良いかを考えました。
そして今度はイメージで船の底の水を横にずらしながら上にあげてみる作戦に出ました。
船は一度軽く持ち上がって何事かと思っている内に横から海水が持ち上がって船のバランスが大きくずれました。案の上上に居た兵を含めて乗せて在った砲丸の入れた箱も含めて大きく片側に滑って行きます。2艘目は簡単にバランスを崩して横倒しに出来ました。
其の様子を城の塔から見ていた王様たちはやんやの喝采を上げました。
三艘めはクレアがいくらやっても船の船長と言うか操舵士の腕が良いのかバランスを崩しそうになると波に向かって直角に船の船先を向けてバランスを持ち直します。クレアがどっちに向けて横倒しにしようと波を高くしても高くした方に船先を向けてかわすのです。
そうこうしている内に大型艦船の一つはアルガーの攻撃を受けながらもモゾリアナ国を射程距離に捉えました。