南の魔女クレア109
- カテゴリ:自作小説
- 2022/01/30 21:45:33
クレアは魔女の城の塔の屋根裏部屋から直ぐ下の螺旋階段を下りた部屋を作り上げました。
最初の床張りはクレアと二つのぬいぐるみの一つを床や壁の板を張って行くのが上手な大工の技能をぬいぐるみに投影させて其の技能を習得させてもう一つのぬいぐるみには家具職人の技能をぬいぐるみに投影させて更にドラゴンにも手伝わせて4人でやりました。
次に横壁の板張りをやって作り付けの家具を付けました。
特に家具職人の技能を投影させた人型ぬいぐるみは紙やすりで綺麗に磨きたがりましたので其れを大量にジルドまで買いに行ったりその他に仕上げの塗料とか仕上げの小さなかなやすりをとかやたらと道具に拘るので大量にそれらの色々な道具を買ったのでクレアは此の部屋だけを作るつもりでいましたがそれらの大量の専門的大工道具がもったいないと思いましたが気が向いたら別の部屋も覗いてみて使えそうな気がしたら直しても良いかなと思う様になったりもしました。
だけど当面は此れで十分仕上がりに気に入りました。
最後の螺旋階段を付けて後はきれいに磨き上げて拭き掃除を隅々まで他の掃除人形を持って来て仕上がるとクレアは其の出来栄えに満足しました。
木の壁と床を張り外窓も作って雨が入りにくくしました。
南側と北側に窓があって風通しは抜群です。
本棚にもともとあった本とクレアが修道院から持ってきた本を入れると様になりました。
此の家作りをしながらクレアは水の魔法と物を動かす物理魔法を習得しました。
習得魔法とは物を浮かして移動させる魔法で其の上に自分が乗って移動する事も出来る様になります。
最初は小さな物を少しだけ浮かして少しだけ移動させていくのを次第に大きな物を長距離移動させる事が出来る様にして行きます。
最終的には其れに自分が乗って移動できる様にします。
此れが出来る様に成るとクレアは修道院の庭に運んだ建築資材を運ぶ分の上に自分が乗って運ぶ事が出来る様になりましたので其れの必要性から水の魔法より習得が早く出来ました。
水の魔法はクレアは水が苦手だったこともありなかなか習得が進みませんでした。
此の水の魔法を習得すると最終的には水龍を使途に出来る魔法の習得も出来るのですが最初は小さな水たまりの水を上に持ち上げてまた落とすと言う事が出来ずに最初はコップの水を持ち上げて洗面器に落とすと言う所からになりました。
其れすらも習得するのに時間がかかりました。
ドラゴンも意外なクレアの弱点を知る事になりましたがクレアが海に潜って海賊の宝を取って来るのにお風呂で潜る練習をしていた理由が解りました。
其れでも魔女のお城の一つの部屋が出来る頃には川の水を3m程上にあげて戻したり、2m四方の水の塊を作って岩壁にぶつける事が出来るまでになりました。
クレアはやって一部屋が出来て魔石が仕舞えた事にほっとしました。
後は自分を助けてくれた赤いオオカミに在って助けてくれたお礼を言うとクレアは其れで魔女を止めようと思っていました。
魔法学校を作る資金も渡したし、自分を助けてくれた者たちへお礼を言うと一区切りになります。自分がなりたいと思ってなった魔女ではないしなっている理由も無いのでクレアは元からの自分の決めていた道の幽霊のマキバルに任せている農場経営にちゃんと関わろうと思っていました。
其れをしながら農場の片隅か広い修道院の中庭にでも薬草の葉を植えて薬草作りの研究をして過ごそうと思っていました。
クレアの水の魔法の習得が遅かったのと魔女のお城の塔の魔石をしまって置く部屋の内装に細かい所の細工や研磨に拘ったせいですっかり時間がかかってしまってアルガーと港で別れてから3か月近くかかってしまいました。
やっとクレアは水を4m位上に持ち上げる事が出来る様になりました。
此れではとても大津波を起こして海賊船を沈めたと言うドラゴンが南の島で活躍していた魔女の話にかないません。
大層悪い事をする大海賊が居て其の海賊を20mも海を持ち上げて海賊船を沈めた様で其の海賊の財宝が其のまま未だに誰も手つかずに残っているそうです。
幽霊のマキバルをさらった海賊は小さな海賊でドラゴンからしてみればそんな海賊のあの程度の宝等比じゃない程の金額が手に入るとの事で一国を買う位の金は手に入るとの事でしたがクレアには全く興味の無い話でした。
ドラゴンは当時の大悪党の大海賊と闘った其の若い勇敢な魔女との時代を懐かしがっている様でしたがクレアには其の感性がかすりもせず寧ろ其れを懐かしがる度に冷たい視線をちらっと浴びせて無表情な顔になるだけでした。
其れでもドラゴンは川や沼の水を動かす事から今度は海の水を動かす事を提案しました。
海の水は川や沼の水と違って同じ力を使っても川や沼の水と違った抵抗力が在って倍の力が必要です。
最終的には海の水を10m位上げて其れを横に投げ飛ばす事が出来るイメージで使わないと此の水の津波の魔法は敵の集団を一度に大きなダメージを与える魔法なので其れが出来ないと平地で其のイメージで魔法を使わないで水が出て来ないそうです。
それが出来る様に成ると水龍を扱う杖が作れて水龍を使途に出来ると言うので其れが出来るとあの悪を斬る剣とでマキバルが教えてくれた海賊の宝を取りに行くのに助かります。
其れを励みに思いながらもこわごわ海での水の扱う練習に進む事を承知してクレアはドラゴンに乗って海に向かいました。
今度はモゾリアナの首都の街に用事が無いのであの小さな港町の近くの浅瀬の海から始めました。
其れでも落ちたらと思うとクレアは内心はビクビクしてますから水を持ちあげる様に念じて片手をドラゴンにしがみついている所から離して手を上にあげて念じても50cmが赤ったかな?とそれとももともとの波なのかなと思う程度の変化しか最初は出ませんで一日目はぐったりと自分の非力を味わって終わりました。
海での練習の二日目で其処が見える浅瀬なら何とか2mまで水を上げる事が出来ました。
3日目でドラゴンはクレアを乗せて浅瀬から海洋に出ました。
海の色は青く其処は勿論見えません。其処で1m位上げられる様になると更に深い海を目指して進みました。
海の色は群青色と言うか濃紺になりました。
クレアは下を見る事が出来ずにドラゴンにしがみつきながらも手だけは動かして水を上げる様に念じましたが自分でどの位上がっているのかも確認もできません。
其の場所はちょうどキリアマリ国の港とモゾリアナ国の港の中間地点になり見渡す限り地平線も海になっています。
モゾリアナ国に用事で魔女の城から此の辺りを通る時は何でもないかったのですがイザ下を改めてみると深い海の底を想像してクレアはドラゴンにぺたりとしがみついたままじっとしているだけです。
此れでは話にならんとドラゴンは少しキリアマリ国の港の方に向かって移動し始めました。
やがて遠くに陸が見えて来ましたが其れでもクレアがドラゴンにぺたりとしがみついたままなので尚もキリアマリ国の港が少し見える所まで移動しました。
クレアはやっと顔を上げて其れを確認するようにキリアマリ国の港をじっと見ていました。
そしていきなりクレアが更に顔を上げました。
何か様子が前に見た時と違ってます。
もう少しキリアマリ国の港に近づく様にドラゴンに言いました。
ドラゴンもキリアマリ国の港の変化に気が付きました。