Nicotto Town



南の魔女クレア105


ドラゴンはしばらく考えてまずクレアの4つの魔石を持った魔力を出来るだけそぎ落とさなければならないと言いました。

クレアはフクロウ人間も似たような事を言っていたと言うとフクロウ人間は知恵で魔女に寄り添うと言う役目を主にするらしくドラゴンは力で魔女に寄り添うと言う役目に主に別れているがどちらも魔女の使い魔とか使途では無くあくまでも自分達が主体的に其の方が良いと思えば寄り添うのだそうです。
此れは魔石を取ってきたらついて来る使途の様な龍とは違ってある程度魔力を持って魔女になった者、或いは知恵と魔力を持った者、或いは力と魔力を持った者で自分が気に入れば自分の意思で彼女らに寄り添いたければ或いは寄り添った方が良いと思った場合は寄り添う物らしいです。

ドラゴンはお前の事があぶなっかしいと少々気になる所があるのでしばらくついていて指導をしてやろうと言いました。

クレアはどうせもうじき魔女はやめるので好きにして良いわと言いました。
ドラゴンは「果たしてそうできるかな?世の中そんな甘い物じゃないぞ。」と脅しの様な事を言いました。

ドラゴンが言うには「お前の魔力の力をほおって置く奴が居るとは思えぬ。恐らく多くの私欲の持った知能を持った者がお前を利用しようと近づいて来るだろう。其れをお前がはねのけて魔女を止める事が出来るかな?私はお前を見てそうは思わないがな」と言いました。

クレアは確かに今イドエルが私を利用しようと幽霊のマキバルに近づいて偽の絵を豪邸が3軒立つくらいの値段で売りつけて来て私が彼に近寄らざる得ない状態にした事を考えると此れからも色々な人々が耳障りの良い言葉を使ってクレアの力を自分に利用しようとする事は想像がつきました。

クレアは出来るだけ自分で考えて自分で判断して自分で行動すると言いました。

そして此の宝を今の時代に使える様にするにはイドエルの力が必要だからイドエルに会うとドラゴンに言いました。
此れは自分が彼に利用されるのではなく交渉をして自分も彼を利用しなければならないので出来るだけ自分に有利に交渉をする為に彼にあえて会うとドラゴンに言いました。

そしてクレアはドラゴンに乗って彼の屋敷の前で仕事が終わって帰って来るイドエルを彼の館の前で待ちました。

イドエルの家はトウニのはずれにあって大きな館の後ろに工場がくっついている不思議な形をした館でした。

くれは広い館の前庭の所で夜になって彼が仕事から帰って来るのを待ちました。

イドエルは既に過去のクレアが湖から取って来た宝石を売った半分のお金と寄付と国の予算であの悪評高かった粗末で粗悪で古くてボロボロで地下の拷問部屋だけが妙に広くて後は地下は殆ど真っ暗で糞尿だらけで悪臭がして其処に入れられると病死か餓死で死刑と同じで後は死刑人を数日入れて置くだけの場所と其の他は木と金網の犬小屋の様な所で更に狭いので所謂詐欺、泥棒、強姦、恐喝、麻薬の売買及び仕様に関しても数日が入れられる人数が手いっぱいで寝る場所も無い状態で中では犯罪者同士の喧嘩やリンチ殺人はしょっちゅうで死刑にしなくても罠によって其の刑務所に入れて口封じをするとか言うのに悪用される様になっている始末です。

更に過去に警邏隊になったボルアートの友人のダルニが言っていたが捕まえるのが空しくなるほど平然と悪事を働いて三日で出て来るので捕まえてもきりが無いと寧ろ悪事を働いた方が有利な風潮が在ってある意味の無法国になっていて其の中で見えない所の犠牲者は貧しい女や子供達で生まれや育ちや環境によっての犯罪が多発している事は事実です。

其れでもイドエルの頑張りによって新聞が書き立てた様に修道院の塀の立派な塀を作れるのに我が国の刑務所の塀は其の辺の学校より酷いと状態でしたが修道院の塀と同規模の塀は別の広い国有地に作る事が出来ました。

其の功績が認められて彼はあの若さで大佐に就任して今日は就任式が行われて其のパーティが終わって馬車でもうじき自宅に帰って来る時間でした。

大佐の上は総指揮官、総指揮館長しかありませんから軍の上から3番目の地位になります。

普通は彼の若さだと出世して中佐でしょう。

家柄が在ったとしても意味不明のよぼよぼの年寄りが上に仕えているので異例と言えば異例ですが他のお爺さん達は名ばかりで何もきめられないのですが服は派手でやたらと飾りが多くて更に馬の扱いが下手で勿論乗る時は乗り台から騎乗するのですが其れが在っても一人では乗れないお爺さん達なのでやたらと周りに兵が馬から落ちない様にピッタリとくっついて通り過ぎて行くのでまるで兵隊に捕まった髭のサーカスの猿状態と陰口をたたかれていました。

其れがやっと大佐は誰なのかが見える状態になったとの評判で其の事がクレアの住んでいる田舎にも数日遅れの新聞に載っていてクレアも其の論評に大笑いをしました。

其れ程議会も軍も上層部はお爺さんだらけでしかも半分以上は議会に椅子に座っている体力も無い為にだらしなく寝ている始末で此の国の何の問題の解決にも役に立たない連中だという事はクレアが子供時代に大人の話で知っていました。

だいたいキリアマリ国との交渉で其の後にシドリアル国に残っていたキリアマリ人を帰国させたはずなのに彼らはいつの間にか甘い汁が吸いやすいシドリアル国に戻ってきているのです。

彼らを一度出したら二度と入れないという事すら出来ない粗末な国の危機管理体制なのですから国民も此の国の甘さにうんざりしていました。

其の分、商人は上手くやれば儲けが大きくなると言うか、其の中でいかに上手に設けるかが商人の腕なのだとクレアはお父様から交渉が如何に大切かを教えて貰いました。

だからクレアは出来るだけ毅然とイドエルに立ち向かわなければなりません。

油断をすると足元をすくわれて利用されつくされる可能性があります。

上下関係を何時もはっきりさせて置いて決して自分を下に置かない。だが下に置いた方が良いと判断すればするりと下に潜り込む。

其の辺りの処世術も言葉使いも更に社交界での奥方のふるまいも其の中に組み込まれているのです。

だが今回は社交界のパーティの場とは違います。
対等な交渉相手です。

クレアは出来るだけ目立つ灯りを持って仁王立ちと言う状態でイドエルの屋敷の門の中の庭にドラゴンに乗って入って待ってました。

イドエルを乗せた二頭立ての豪華なイドエルの家の紋章が付いた馬車が門の所に来ると門が閉まっているにも関わらず中に派手な灯りを付けた女が立っているのを馭者が見つけてイドエルに如何いたしましょうとか聞いています。

イドエルは一目で其れがクレアだと解るとかまわず門の中に馬車を入れて馬車から降りてクレアの方に歩いてきました。

明らかにクレアがにらみつけてイドエルを見ているのが解ります。
イドエルは鼻で笑って「こんな夜中に如何いたしましたかお嬢さん?」と白々しく聞きました。

クレアは「貴方の幼い時の思い出の品の代金を払いにまいりましたの。」とにらみつけながら言いました。

此れでお支払いしたいのですがとクレアは海賊の宝箱から持ってきた古い色々な種類の金貨の袋を渡しました。

彼は其れを手に取って中身の金貨を数枚みると「現在は使えませんので無価値ですね。」と言いました。

イドエルがにやりと笑いました。クレアも負け地に口角をあげました。









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