南の魔女クレア102
- カテゴリ:自作小説
- 2022/01/19 03:32:29
クレアは湖の底をあさって宝石を見つけてもどう考えても其れであの古城を修復して更にモゾリアナ国の魔法学校を作る資金をだして更に宝石を現金にするにはイドエルと交渉するとかんがえると其の程度では足りないと思いました。
どう考えても幽霊のマキバルが以前行っていた海賊たちが隠した財宝を取って来るより他になさそうです。
マキバルが言うには特徴のある3つの岩でできた島の真ん中に岩でできた島があって其処までボートを漕いで行って岩の島に近づくと海に潜ると入り口が在って其処を入ると岩島の中の空洞になっている所に入れて其処に仕舞っていたと言うのです。
クレアはもう2度と水に潜る気はしませんでしたがそうするより他にない様です。
仕方なしにクレアはマキバルを連れて木の家に戻りました。
マキバルにストップウオッチを持たせてどの位潜ったら良いかを図らせて潜る練習をしようと思ったのです。
クレアはロッカーの中に洗って乾かしたあの時来ていた水着や水中眼鏡を投げ入れていたのを其の後に何か良いドレスが無いかを探した時に色々出して其の後にそれらもロッカーの中に投げ入れたのでロッカーの洋服の山を今度はひっくり返してロッカーから投げ出したりして色々探しました。
洋服の山の中に手をぐっと入れると硬い物を見つけました。
水中眼鏡にしては硬そうです。とりあえず其の上の洋服を片っ端からとりだして床に投げ捨てました。
其れはクレアが今まで見た事のない魔玉で魔玉の上にデブった龍がしがみついた彫刻の飾りがついています。
クレアは其れを出してデブった龍を触ったり其の魔玉に念じたりしましたが何も起きません。
ちょっと油断した時に手から滑り落ちそうになって慌てて其れの横を持ち直しました。
其の時ボワンと言う音と共にデブった龍が表れてクレアを見つめています。
どうやら新手の龍が出て来たようです。
其れはクレアをみると「今度はずいぶん年増の魔女だな」と言いました。
クレアは其の言葉を聞いてカチンとしました。
そうです。モゾリアナ国でも魔法省の武闘部のトップのアルガーがクレアより5つも若い青年で彼がクレアとあった初対面でも露骨にがっかりした顔をしたのをクレアは見逃さなかったのです。
クレアは「デブ龍、貴方は一体何者?」と負けじに言い返しました。
「残念ながら俺は誰かに付く龍では無い。ドラゴンだ。」と其れは言いました。
クレアは詳しく聞くとやはり雄や雌は無く自分を使った物が雄の名前を付けたり雌の名前を付けたりして使うそうで彼は好きな名前を自分に付ける様に言いました。
クレアは「オレンジ」と果物の中で自分が嫌いな物の名前を付けました。
詳しく聞くと龍は魔石を取って来た魔女に其の魔石の力で呼び寄せられて其の魔石を取って来た魔女に付く物で自分はそれ以前のある程度の魔力を持った魔女が特別な魔玉のある部分をなでると出て来るもので普段は魔玉の中で寝ているのだそうです。
つまり魔石を持ってない魔女が龍を使う様に600年以上前の魔女で魔石を二つ取って来た魔女が自分の娘を魔女を継がせる時に魔石の一つを使って作った物だそうです。
それ以来オレンジは新しい魔女の中でもある程度の魔力を持った魔石を取っていない魔女に仕えて来たと言います。
彼は口からとんでもない火を噴く事が出来ると自慢していたのでどうやらドラゴンを付けた魔女のイメージは此処からきているのかもしれないとクレアは思いました。
オレンジに言わせると此れまでの魔女のほとんどは若い子は12歳から一番年上で20歳で普通は14歳15歳16歳が多かったそうです。
クレアは彼に乗って木の家の周りを囲っている魔女のバラの蔦の森を一回りしてみました。
早さも龍より遅く高さも龍より低いですがクレアにとっては龍は高く早く飛んで上に乗っている時は寒くて高すぎて怖かったので此れは良い乗り物だと思いました。
唯龍は寡黙だったのと比べると彼はお喋りでした。
今まで色々な初めての魔女にやる事を教えて来て彼女らを魔女として成長させてきたと言うのです。
恋の悩みも正義とはとか青春の理想と現実のはざまで悩む若き魔女の傍に寄り添って励まして一緒に悩んで一緒に苦しんでそして魔女を止めて行く魔女を励まして送り出してやったり悪い魔法使いと命がけで一緒に戦ったと言うのです。
魔力を持った者の中には悪に其の力を利用する物が居るので其れとの壮絶な戦いも更に王族に仕えた魔女も居て彼女と一緒に敵と闘った時もあったそうです。
取り合えず其れは其れで置いて置いてクレアはまた水着探しを始めました。
そしてやっと水着と水中眼鏡と浮き輪とストップウオッチを見つけて水を張ったバスタブに向かいました。
オレンジは何を此れからするのだと言うのでクレアは理由を話して水中にもぐる練習をすると言うと呆れてました。
オレンジは幽霊のマキバルにどの海賊にさらわれたのかと聞いたのでマキバルは「ボールとかボーとか言う暗号で呼ばれていた」と言いました。
オレンジに言わせると小さな海賊集団の一つで確かに大嵐で幾つかの海賊船が沈んだ時の一つだと言いました。
彼らの財宝など大した事が無いともっと大量の金かを集めていた海賊もいるとの事でしたがクレアはお金は必要な額が手に入れば良いからと後は農場と果樹園と回復薬で十分贅沢をしなければ生活が出来ると言いました。
オレンジは今までの魔女と違うクレアに呆れた冷たい視線をちらっとあびせて勝手にすればよいと言ってクレアが必死になってバスタブに潜ってどの位潜って居られたかを幽霊のマキバルに図らせているのを暇そうにしてみて居ました。
クレアはバスタブの淵に肘を乗せて顔を付けてつくづく自分は何でこんな事をしているのかと考えました。
クレアが知っている魔女は果樹園の果物と回復薬を売って生活をしている魔女だけです。
其れでも「南の魔女」と呼ばれていました。
クレアも其の生活で良いと思います。
唯あの時は魔石を持った魔女が使える「真実の鏡」が必要だったのです。
どうしても彼らが怯えて口を開かないので彼らが次の手を打つより早くに真実にたどり着いて本当の極悪の根元を叩く粉々にする必要があったのです。
其れには「真実の鏡」と強い権力を持ったモゾリアナ警邏隊が大勢必要だったのです。
その二つがあったからあの大勢が苦しんでいる事件が解決できたのです。
其れが終わったらもうクレアはシンバの様に果樹園の果物と回復薬を売って後は料理をして偶にトウニに出て買い物を楽しんで穏やかに暮らせれば其れで良かったのです。
クレアはまた深いため息をつきました。
自分は何でこんな事になってしまったのだろう・・・・。