NIPPON RISE
- カテゴリ:日記
- 2022/01/11 20:18:51
第一章
IN THE WAKE OF CAT FISH(後編)
そのときファミレスのテーブル上には5品の料理が並んでいた
(いつの間にか4品目、5品目も届けられていたのだ)
①鯰の刺し身
②鯰のカルパッチョ
③鯰の開き(抑えめ塩焼き)
④鯰の髭バター和え
⑤鯰の雑炊(卵抜き)
箭兵衛は立ち去ったノーチャンスに、一瞬母の面影を朦朧としながらも
追おうとした。
しかし、テーブル上からむせ返る臭気が凶悪に彼に襲い掛かり、
窓外に見える降り続ける雪と、幼き頃の食卓と、チラッと垣間見た
ノーチャンスの赤く輝く舌のイメージが混ざり合い、
あっけなく彼の自意識が
全方位で制御不能になった。すぐさま、彼は意識を失いテーブルに突っ伏した。
♪
薄れゆく意識の中で「IN THE WAKE OF CAT FISH」の序章が
流れているのを感じていた。荘厳なメロトロンから展開される
この曲が、やがて日本大陸出現にまで繋がるストーリーまで
聴き継がれることになる、そのそもそもの端緒になる出来事とは
箭兵衛も、いや、彼以外も誰しもが知る由は無かった。
追補
全国の鯰料理専門店の皆様に言い訳をしながらも、お詫びします。
邪悪な存在としての鯰を表現したかったのですが、
生まれてから一度も食べたことのない食材を
悪戯に故意に貶めたことは許されることではありません。
読者の皆様、もし御近所に鯰料理専門店があるならば、
是非ともその滋味深き(だから食べた事ないから知らないんだけど)
至上の味覚を末永く御愛顧くだされば幸いです。
追補②
この後々語られる物語の主人公は
鯰
なのです。
追補③
ただ、その前に、この次の章は一匹のドラゴンの話から始めさせてください。
ドラゴンLOVEの方に次の物語を捧げます。