Nicotto Town



南の魔女クレア95


アルガーの容態は少しずつだが良くなってきていましたが
まだ一人で起き上がる事は出来ずに献身的に彼の妹が付き添っていました。

クレアもアルガーに付き添いたかったが二人の仲には割って入れないような絆の様な物を感じてマドレに容態を聞くだけにして其の間はクレアは神官の居住区に作られた薬草の庭に行って「キノコの妖精」と「花の妖精」と彼女らと話せる神官と4人で風の匂いや雨の匂い色々な花の種類の葉っぱの匂いについて話して過ごしました。

そんな日々が続いたある日クレアはマドレに呼ばれてアルガーがクレアに命を助けて貰った礼を言いたいと言っていると言いました。
クレアは自分がついてながらアルガーに死に追いやる様な怪我をさせた事に責任を感じているから礼等いわれてもと断りました。
其れでもマドレはアルガーが会いたがっているからと言うのでクレアはマドレの後ろから俯きながらついて行きました。

アルガーは少しやせた感じがして俯きながら目を顔を上げて目があった途端にクレアは「ごめんなさい。私が居ながらアルガーに怪我をさせて!」と言うと涙が出そうになったのでアルガーが何か言おうとした気配を感じるとクレアは首を振りながら後ずさりをすると病室を出て行ってしまいました。

クレアはアルガーは体を起こしていたのをみて其れだけで良い此れからはアルガーに頼らないで此れからはクレアだけで闘おうと思いました。
クレアは私は10歳も年下の少年を頼っていて自分の方が魔力があるのに其れを使わずに敵は人を殺す事に何の躊躇いもないのに自分はそんなのを相手にしていると言う自覚さえなかったと思いました。
相手は私達を含めた多くの人達を殺す事を目的としているのに相手の言い分を聞こうとか話し合ってみようとかそんな事を考えていたからアルガーは死ぬところだったと思いました。
そして奇跡的にアルガーが助かったけどもし死んでいたら私のそんな甘っちょろい考えに固執したからだと思いました。彼が生きて此れまでどれだけ努力をし続けて自分を律して勉強をし続けて鍛錬をし続けて来た総てを失くしてしまう所だったと思いました。

今度はこんな失敗はしない次の戦いは覚悟を決めるとクレアは決意しました。

「占いの館」への警邏隊の先遣隊が20名近くで攻撃を仕掛けたが使者15名負傷者5名の散々たる結果に終わったと報告が来ました。
次はモゾリアナ軍を出して制圧にかかると言います。
クレアは其れでは同じ結果に終わるとクラスバーに進言しました。
相手は魔力を使っている。其れに対抗できるのは魔力でしかないとクレアは言いました。

クラスバーはクレアの助言を受けてクレアを先頭に立たせた布陣を敷いて「占いの館」のせん滅にかかる事にしました。

クレアは持ってきたもう一つの人形を使う事にしました。此の人形は相手を殺す事を目的として作られた人形です。
此の人形に人の心は無く敵と認識すれば殺すだけでした。美しいバラの花束を持っているが其れにわずかに触れて擦り傷が出来れば其処から毒が回って体がしびれて動かなくなり其の動かない相手が嘆願しようが涙を流してひれ伏そうが持っている鎌ですっぱりと殺します。
彼に慈悲と言う心は在りません。
彼に惑わす魔力も通用しないし誘惑も魅了も通用しないし心がない人形なのです。

其れとモゾリアナ軍の兵士と魔法省の戦闘部隊と浄化をする神官で出来た部隊でクレアは「占いの館」に向かって出陣しました。

が、途中でクレアは両側をモゾリアナ兵によって馬を止められたのです。

クレアの急がなければならないと言う言葉とクレアが騎乗できると言うので敷かれた布陣でした。
だが途中で先頭を走っているクレアの馬が止められてクレアの馬はモゾリアナ兵によって両側から喉革と鼻革を掴まれていて動けない様にされたのでした。

事の発端は最初の紙面上の会議の時から起きていました。
魔法同士の戦いならクレアが一発で館事焼却爆破すれば済む事です。
だがクレアには気になる事がありました。
先遣隊の警邏隊の負傷者の言葉に死人の様にやせ細った男達が剣を持って切りかかって来る前に口から毒の息を吐いたと言うのです。
其れを吸った途端に息が出来なくなってバタバタと戦闘の警邏隊から苦しみだして倒れて行って其れを其のやせ細って目だけぎらぎらさせた男達が刺殺したと言うのです。

此れは彼らが魔法をかけられて動かされていると言う事でした。
つまり単なるマインドコントロールで信仰心や金の為や人質を取られての犯行ではないのです。
魔法で神経をやられて殺しをやっているのではないのです。
魔法で魔法の毒を吐ける様にされていると言う事は並みの魔法使いではないという事です。
クレアは魔石を持っている物の仕業ではないかと推測したのでした。
だが魔石を持った魔法使いなら既に名が知られているはずです。
更にクレア自体が魔石を取る試練を受ける前に何の為に魔石を取るのかとフクロウ人間に問われています。
其の問いの答えに嘘があれば魔石を取る試練に向かわせはしません。
クレアがとっさに言った言葉に嘘は無かったのです。
そして其の試練はコースは同じでも殆どのある程度の魔力を持った魔女達が途中で自分にまけて挫折しているのです。

更に魔石を呪いに使う恐ろしさを最初にフクロウ人間に教えて貰っています。
其れは本人だけでなく魔石自体も破壊してしまい其れは恐ろしい事態を招くのです。
魔石に偽善は通用しない事も含めて己の欲に使うと魔石の力は半減どころかどんどんと弱くなり唯の石になります。
ましてや悪に使うととんでもない事になるのです。

相手が其れを知らないで魔石を悪に使っていたとして、しかもこの世を呪っていたとしたら其れは大変な事なのです。
此れは決して知られてはいけない事なのでした。

だからフクロウ人間はイメージでクレアの頭に自滅だけでは済まないと言う事を送ったのです。

此れだけの何年間もの間の事件を考えるともし魔石を使っていたとしたら大変な事態になるかもしれない一刻の猶予も無いが訳が言えないしクレア自身が行かなければならないと言うのがクレアの主張でした。

其の真剣な表情から神官長も何かを悟ってクレアの主張は理解ました。
だが次第に此れは大変な事になると其の場に居たクレア以外
の誰もが感じた事があるのでした。

クレスバーが「総指揮官は小隊長にする」と言った時に其れは起きました。
クレアが「ソウシキカンってなに?」と聞いたのです。
一瞬で其の場が静かになりました。
今までの紙面上での計画が総て白紙に戻す言葉を言ったのでした。
クレスバーが「君は彼の言ったとおりにしていれば良いという事だ」と言うとクレアはとっさに「其れは出来ないわ。訳は言えないけど出来ないよ」とクレアは顔色一つ変えずにそう言ったのです。

そうしないと行けないからクレアは一人で行くか自分のタイミングで動かないと此れは大変な事になると訳は言えないけどと言い張ったのでした。

何とか一人で行くのは踏みとどませたがクレアはクレアのタイミングで動くと言う事だけは訳は言えないけど譲らなかったのだ。

後少しで馬から全員降りて「占いの館」に向かう場所でクレアが胸にしまっていた殺人人形を人型にして先頭に立たせた所でクレアは馬を止められたのでした。






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