【無題】 第3回
- カテゴリ:自作小説
- 2022/01/05 00:16:55
建物の側に到着し魔導車を降りたら、白衣やスーツを着た施設の職員と、制服を着た警官が大人数で右往左往していた。
人の流れを見ていると、建物に入ると言うよりは、建物の入り口を無視し壁沿いに建物の裏手に行くように人の流れが出来ている。
このまま立っていても埒があかないので、誰か見知った職員がいないかと、記憶を掘り起こしてみると。
「あ、あの人知ってる」
そんな科白が口から漏れていた。
見つけた人物は白衣を着ていて、両親と同じ魔導技師として小さい頃に紹介された人物だった。
今は警官の1人と話し込んでいる。
その人物に近付き僕は声をかけた。
「あの、お話し中すいませ……」
「ん? ってトレイズ! ……あれ? 違うよな、もしかしてトレイズの息子か!?」
「はい、ライアスです、前にここでお会いしたことありますよね、もう5年以上も前ですけど」
「おお! 覚えてるぞ、大きくなったなー、すっかり大人っぽくなって。
あまりにも似てるもんだからトレイズかと思ったぞ」
「いや、そこまでは似てないですよ、それで父さんと母さんはどこに」
「あーそれなんだけど、それが上手く説明できないくらい混乱しててな。
で。そっちの2人は?」
僕の横に立つシシルと教師に視線が送られる。
「えーと、私はこの2人を預かる学校の教師でして、この施設から連絡を受けてここまで引率してきました」
「そうでしたか、学校の先生ですね。
参ったな、申し訳ないんですけど先生はここでお帰りいただいていいですか?
ここから先はちょっと関係者じゃないとお見せできない内容というか事件になるんで」
「わかりました、国の研究施設ですしね、お見せできないものもあるでしょう」
「ご理解が早く助かります、ただ施設的にお見せ出来ないものとかではなくてですね、ここにいる全員が何が起こったかすら誰も把握できていないんです。
だから私の判断で部外者に勝手に見せると問題になるかもしれないので、という意味合いのほうが大きいのですよ」
「そうでしたか、いずれにしても私は引率の役目を果たしたので、これで学校へ戻りますね」
「お疲れ様です。
さて、それでそっちのお嬢さんは? もしかしてお前の嫁さんか?」
「バッ! バババババカじゃないのっ! 何言って! 嫁とか何よ、そんなんじゃないわよ!」
顔を真っ赤にして反論するシシルなんだけど、なにもそこまで怒って否定しなくてもいいじゃないか。
でも困ったな、シシルはどう考えても部外者だし。
なんとかごまかすしかないか。
「えーとですね、シシルは僕も含めて父さんや母さんにとっても家族みたいなもので。
とにかく身内で間違いないですよ」
「ふーん、シシルって言うのか。まあ、あれだ、頑張れよ。
コイツの親父のライアスもけっこうアレでな、奥さんのミーネが落とすのにそれはそれは苦労したらしいぞ」
ニヤニヤしながらその人はポンポンとシシルの肩を叩いた。
「だだだだだからコイツとはそんなんじゃないってば!
カンチガイしてんじゃないわよ! 桂の原木で撲殺するわよっ!!」
さらに顔を真っ赤にして怒るシシル、今日のシシルはよく怒るなぁ。
まあ、怒りっぽいのはいつものことだけど。
あと原木で撲殺とか普通にやめてくれ。
「さて、それじゃ現場を見に行こうか。
先に言っておくけど、俺もさっきチラっと見ただけだから、状況を全く把握していない。
だけどこれだけは言える。
二人とも、気を確かにな」
それだけ言うとその人は建物の入り口に入らず、壁伝いに歩き始めた。
僕とシシルが後を付いて歩いていく。
壁の角を曲がり、建物の奥方向にに向かって歩みを進めると……。
無かった、あるはずの建物の奥が無かった。
「なにこれ」
口を紡いで出たのはそんな短い科白だった。
いいところで終わってる♪続くのかな?
ブルーレットの世界ではあまりいなかったタイプの少年が主人公になっていて私は嬉しい(笑)
読みながら進撃の巨人を思い出したよ^^
10日に放送される最終章、楽しみ。
お兄ちゃんの小説も続きがあるなら楽しみにしているね^^
あっ続くのね…
ちなみに原木は自分で切って用意するのかしら…
お兄様、題名が無題なのはもったいないですよぅ~
バイオレンスツンデレキャラ・・・萌えっ!
異空間へ飲みこまれた??
続きを読みたいという気持ちにさせるひっぱりが上手い!!!
いつものお兄ちゃんの日記って、読み手をちゃんと考えて書かれていて、楽しいし、上手だなと思ってた。つい読んじゃうもんね。パンツでも。
読み手の絶対数が多いとこが、いんじゃないかと思いますた。
なぞなぞじゃないよなぁ。。。←こら!