南の魔女クレア78
- カテゴリ:自作小説
- 2021/12/24 14:29:35
シグラードもマドレも一目見た時にお互いに兄弟だと理解しました。
マドレは自分達に兄が居ると聞いていました。
兄は生まれて幼い時に自分と同じ様に母親が殺されて自分も殺されるのを機転を聞かした彼の部下が彼をクロラルド国から連れ去ってモゾリアナ国の国王の親族に養子に出したのです。此処まで来ると流石に彼を殺そうとした人たちも国際問題になるので手が出ないと言う事で今まで無事に過ごしてきました。
そして自分の父親がまた再婚して子供を二人産んだが其の母親も殺されて其の二人の子供も殺されたと聞いていたのです。
ですがこうして会うともしかして生きていたのかシグラードは思ったしマドレは兄がモゾリアナ国で生きていると自分達を引き取った魔女に聞いていたのです。
お互いに無事を喜び合いました。カリドも来て3人は手を取り合いました。
マドレはまず此の港町の薬物中毒患者をある程度は今丘の上にある病院に運んで既に届いた麻薬草患者用の聖水で治療を受けているが其れでも追いつかない患者がそこいらじゅうに居るので彼らを治療して欲しいと頼みました。
カリドが町をめぐって其れらしい患者を連れてきてはシグラードが症状によって此の位と言う聖水を数滴水に溶かしたのを飲ましてマドレが「魔女の回復薬」でやせ細って目だけがぎらぎらした女に飲ませると女は普通の表情と肌の色を取り戻しました。
まだカリドはそうやって12人程見つけてきましたが其れ以上は此の町のどこかに自ら隠れておびえて出て来ないのだそうです。
警邏隊もかなり探したが家族が治療してくれると知って探しても既に頭が正常な判断をさせない為に怯えてどこかに隠れて出て来ないそうです。
カリドは此の町は其れなりに広いので長期戦だと丘の上の医者と話し合ったそうです。
いよいよ村に突入する事になりました。
フクロウ人間とマドレとカリドが話し合って兎に角クレアが感情的にならない様に気を付ける事を優先するように確認し合いました。
其の事はシグラードにもアルガーにも伝えられてもしクレアが興奮して自我を失えば何が起きるか解らないと言うと何とクラスバーが自分も傍についてクレアに常に冷静になる様にと諭すと言うのです。
流石に警邏隊長もクラスバーにそんな危険な事をさせられないと言いましたが此れもモゾリアナ国の警邏隊の働きにかかっている徹底的に総てを明るみに出せと言うので彼らの士気は上がりました。
クレアの傍にはイザとなったらクレアを止める為にフクロウがついてクレアは鏡と魔法の危険な魔法の道具が入った籠と龍を従えて村に入りました。
クレアには村がどんな状態なのかは既に覚悟が出来てます。朝日を浴びた美しい村が地獄になっている事は覚悟はできてます。一歩一歩美しい村の姿をした地獄へ足を踏み入れました。
モゾリアナ国の警邏隊が一斉に村人の家に行って彼を家から引き出します。
イドエルからの親書では村全体の総てを任すと全権委任が出ています。
次から次と村長から出された村人名簿を見てひとりひとりをクレアの鏡の前に出して速記する警邏隊二人と其の家に行って総てを家宅捜査して麻薬草一本、麻薬粉一粒も見逃すなとの命令で4人の警邏隊が家宅捜査に走ります。
そして村人を幾つかの班に別けて行きます。全く関わらなかった者、何かを見たり聞いたりしたが関わらなかった者、麻薬草に侵されている者、麻薬草に侵されているが売人になった者、其の売人も脅かされてと人質を取られてと自らの3つに分けられます。
麻薬草に侵されている物はシグラードとマドレがバロルドさんの診療所を使って「麻薬草専門の聖水」と漢方薬と肉体的消耗が酷い場合は「魔女の回復薬」で治療していきます。
治療が終わった人も其々の犯罪に別けて別けられて行きます。
いよいよクレアの農場の元修道院になりました。
既に管理人は薬中毒と売人になってました。
勿論クレアの農場で働いていた農民も麻薬草中毒になっていて売人にもなってました。
春の作付けはおろか土起こしもまともに出来てません。
雑草どころか雑木林が出来ている所もあります。
其れだけではありません。修道院の昔の貴重な本は勿論家具も食器も更に銀の燭台も修道僧の為の十字架も食事の時のナプキンも台所用品も売られてしまってます。
クレアは自分が実家から持ってきたお母様の衣類を含めた当然自分の物が無事かを見に行きました。何とそれらは野菜を入れる様の木箱に入れて釘を打ち付けていたので誇りをかぶったまま無事でした。碌な物が入ってないと判断された様です。
クレアはさっそく持ってきた籠の中から掃除専門の羊のぬいぐるみを2つ出して修道院を掃除するように言いつけました。
魔法省の副長官だと言う若い青年のアルガーがクレアに付ききりでクレアのする事を見ています。
ぬいぐるみが人型に変わって修道院を掃除し始めたのは驚いてしばらく二匹の掃除の様子を見てました。
流石に前の魔女が仕込んだのか更にシンバが仕込んだのか或いはその前の魔女が仕込んだのかは解りませんがてきぱきと掃除をしていきます。
次にクレアは麻薬草に侵されず犯罪にも加わってない唯の見聞きを下だけの主にお婆さんや叔母さん達を集めて修道院を警邏隊の人達の宿屋に出来る様に協力を頼みました。
元気なお婆さんや叔母さん達は羊のぬいぐるみの掃除ぶりに関心をしながらもベットの用意や炊き出しを自分の家から必要な物を持って来て行ってくれました。
本当にイザとなったら此の人達がどれほど役に立つかと言う事を目の前で身に染みる程解りました。
更に小作人達が小作人組合を作ってがっちりと麻薬草の怖さを説いて其れに関わる事を防いで居ました。
其れにも関わらず一人の少年が麻薬草に手を出して一人の少女に関わらせていましたが一度だけでしたし親に見つかって否と言うほど殴られて其れだけで済みました。
此れは小作人全員を鏡で映したので真実だと解りました。
一度だけと言う少年の言葉も真実でした。
少女が怖くて吐いたと言うのも真実でした。
二人は二度としないと言うので警邏隊も小作人を全員調べて更に家の中も隅から隅まで調べて此処は小作人組合ががっちりと守ったのだと言う事が解りました。
やれば出来るのです。
彼らは鎌や鍬を持ち出して彼らを殺す覚悟で立ち向かっていました。彼らは修道院の修道士から知識を得ていました。
そして作物の作り方も含めて麻薬草の恐ろしさも教えて貰ってそれらを庭で見つけると根絶するようにと長い事指導されていました。
其の為には悪魔と闘う覚悟も修道士達に教えて貰ってました。其の教えを代々伝承して守ったのでした。
自分のテリトリーすなわち其れが小さな小作人達の集まった土地でも其処に住んでいる人達を守る為に小作人組合があって守る為には闘う覚悟で鎌、鍬、斧を持って一歩たりとも入れないと相手を殺す覚悟で立ち向かって複数人のけが人を双方に出した闘いも幾度も行われた事が解りました。
そして自分達を守ってきたがモゾリアナの警邏隊が来た時は本当に助かったと思ったと彼らは口々に言いました。
そして家の中を徹底的に調べる其の姿に彼らを信頼できると思いました。
自分の家を幾らでも調べて構わないから他の家も徹底的に調べてくれと思うと彼らは其れが自分達を守る事だと言いました。