ピアノの先生
- カテゴリ：日記
- 2021/12/19 11:40:34
こんにちは＾＾
昨日から針仕事をしているので、肩こりと目の疲れが強く出ています。皆さんは週末をどのようにお過ごしでしょうか？
さて、今日はピアノの先生のことについてお話ししようと思います。幼いころから大人になった今でも通い続けるピアノ教室の先生は、僕の第二の親といっても過言ではないほど大きな存在です。
先生は、おおらかで穏やかな方です。そしてまめな方で、音符を覚えるための学習用に、折り紙を動物や植物の形に小さく切って生徒に提供していました。かくいう僕も、その小さな折り紙に惹かれてピアノ教室に通うことをはじめました。
実は、もともと姉だけが通っていたのです。僕は、母と共に姉の迎えに行く程度でした。そんな、生徒ですらない僕に小さな折り紙を渡してくれた先生は、おおらかそのものだなと感じます。
いただいた小さな折り紙に惹かれ、僕自身も教室に通うことにしたのですが、お察しの通りピアノに対する興味はそれほどにはありませんでした。当時は「どうして椅子に座って鍵盤をたたいているのだろう？」と考えながら、ぼうっと指導を受けていたような気がします。飽き性だったので、放課後に友人と遊ぶ約束を優先させてしまったこともありました。しかし、そんな問題児な僕にも、先生は真摯に向き合って下さいました。
僕が初めてピアノを弾きたい！と思ったのは、中学生の頃でした。その頃、僕はボーカロイドと、彼らの歌う楽曲にとっぷりハマっていました。世間でもボーカロイドの知名度が上がりはじめた頃で、無料でダウンロードできる楽譜がネット上に蔓延していました。なんちゃって、でもピアノを弾き続けていた当時の僕は、楽譜さえ手に入れば弾けるじゃん！と安直に思いました。しかしそう簡単に弾けるはずもなく……ダウンロードして出力した楽譜を、教室に持って行くことにしました。
先生は、未知のジャンルの、未知の曲に戸惑ったことと思います。でも、僕が自発的に弾きたいと言ったことが嬉しい、と言っていました。その日から、ボーカロイドの曲や、アニメの曲を持って行っては練習をしはじめました。
高校生の頃になると、練習日のたびに対人関係の悩みを先生に打ち明けていました。それまでは井の中の蛙だったので、大海に出た瞬間のギャップで戸惑うことばかりだったのです。先生は、ただ静かに聞いてから、ご自身の体験を交えて励ましてくれました。
大学進学や、就職活動の時は、特に助けられてばかりでした。自己PRという、僕の苦手な試験にぶち当たったと言うと、先生は静かに、小学生の頃のこっぱずかしい記憶や、中学生の頃の多感な僕や、高校生の頃尽力していた活動など、僕の忘れていることを話してくれました。一部忘れていて欲しい出来事も混じっていたのですが＾＾；先生に伝えてもらったことを活用して、僕はなんとか自己PRを成功させることが出来ました。
そして社会人になった今でも、教室に通っています。さすがに回数は減りましたが、月に二回。先生に吐き出させてもらう時間が、どうしても必要なのかもしれません。
先生は、僕の弾くピアノの音色だけで「今週はいいことがあったでしょう。」とか「今週は、何か嫌なことがあった？」とか、エスパーのように判断されるようになりました。ぴったり僕の心情と一致してばかりなので、僕は驚いてばかりです笑 そう言うと先生は、「やっぱり。」と話を聞いてくれました。
数多く生徒がいるにもかかわらず、どうして細かく覚えているのか。どうしてピアノの音だけで、何かあったことがわかるのか。そう尋ねると、先生は「性に合ってるのよ。」と微笑んでいました。
また、特に印象に残っているのは、病気になったことを打ち明けた時です。先生は、涙ぐみながら「小さいころから知っているからわかるけれど、蛍くんにはいいところがたくさんあるのよ。」と言ってくださいました。当時の僕は、自分を無価値な人間だと思っていました。自分を見てくれる人の存在を忘れていたのです。先生のその言葉で、恥ずかしながら僕も泣いてしまいました。
そんなピアノ教室ですが、来年の夏に数年ぶりに発表会を行うことになりました。本当は昨年にやる予定でしたが、コロナにより延期していたのです。発表会をする運びになったのは、僕の言葉があったからだと言っていました。正直、どのような発言をしたのかは覚えていないのですが、何かがきっかけで先生の背中を押すことが出来たのかもしれません。
そうですね。このような先生は、あまり多くないかもしれません。なので、先生との貴重なご縁に感謝して教室に通い続けております。
『先生に支えてもらった人生を大切にして、蛍さんが幸せに生きていくことが、先生に対する最高の恩返しなのではないだろうかと感じました。』というお言葉、とても心に響き、励まされました。素敵なお言葉をありがとうございます。
発表会のことは、来年の夏にまたご報告させていただきますね＾＾
世の中にそういう先生がいるということを知るだけでも心が軽くなります。
先生に支えてもらった人生を大切にして、蛍さんが幸せに生きていくことが、先生に対する最高の恩返しなのではないだろうかと感じました。
貴重なお話をありがとうございます。
来夏は心のこもった演奏で先生に感謝を伝えられますように。