Nicotto Town



南の魔女クレア51


早朝にまだ人が起きてない時間に早い朝食を済ませてお昼の分のパンと飲み物とチーズを籠に入れて貰ってウィル兄さまの話だとリヤド農場はクロラルド国に近い所にあるのでリヤド農場から少し行くと左に曲がる所が在って其処をまっすぐ行くと道が右に曲がっていて次を左に曲がってまっすぐ行くと右に曲がる所が在って後は唯まっすぐ行くと左側に小さな検問所が見えて来るのでそっちの方向へ曲がって直ぐに検問所に付くので其処で修道院に用事があると言えば通してくれるとの事でした。

シドリアルにある修道院とクロラルドにある修道院は同じ教会でもともとはシドリアルにある修道院の方が古いのですが訳があって修道院がクロラルド国に分派して今も両方は行き来しているのとクロラルドに修道院がらみで身内がいる家族がいるのでシドリアル国とクロラルド国は国交は断絶と言う関係にあるが商人の行き来は禁止されているが其れ以外は通れる状態にありました。特に修道院がらみだと大した調べも無く直ぐに通れる状態になっていた。
午後を少し過ぎた頃に其の検問所について其の日は検問所を数時間まっすぐ行くと村があって其処でクレアが引き取られた時も其処のレストランで食事をしたと言われてもクレアはさっぱり思い出せなかったが其の町で一泊して次の日の午前中には修道院が道すがらあるので其処で聞けば売地の事も詳しく教えてくれるとの事でした。
既に検問所が見えても可笑しくないのにさっぱり検問所らしきところが見当たりません。お昼のパンは食べてしまってそれからかなり来たと思うのですが周りは草原と雑記林の繰り返しでした。しばらく行くと一軒の大きな屋敷が見えました。クレアは其処で検問所の場所を聞く事にしました。

ドアをノックしても返事が無いので中に入って行くとツンと鼻を付く消毒液の匂いがしました。もう一度開けたドアを強くノックすると一人の人の好さそうな叔父さんが横のドアを開けてでてきました。「どうした?怪我でもしたか。」とにこにこしながら言いました。クレアはクロラルド国の検問所へ行きたいと言うと其の叔父さんは大きな声で笑って此処はバスタ地方の南の端だと言います。
「ずいぶん道にまよったようだな?こんなに道を間違えてきた人は初めてだ。」と言うと笑顔で今から引き返しても途中で夜中になってしまう。今日は家にとまりなさい。何、部屋は余るほど空いている此処は診療所だからなと言ってまた大きな声で笑いました。
其処は看護婦の奥さんと二人でやっている診療所で開いている病室の一つで今日は止まらせてもらう事にしました。

お医者さんの名前はバロルドさんと言いました。
後で玄関をよく見ると横に「バロルド診療所」と書いてある古びた板が打ち付けて在りました。
診療所の隣にご夫婦の家と言うのが繋がってあって夕食までごちそうになるのは申し訳ないと言うと此の辺りにそんなしゃれたものはないから夕食も我が家で食べなさいと進めてくれました。
この辺りは宿屋もレストランも店らしい所は何もないと言うのです。其のお医者さん夫婦に今夜はお世話になる事にしました。夕食を御馳走にクロラルド国に行く訳を聞かれたので農場を経営したので農地にふさわしい所を見つけて買うつもりで行くと言うとちょうど此の近くの修道院が農地ごと売りに出されていて買い手を探していると言うのです。
もう10年以上も買い手を探しているのだが事情があってなかなか買い手がつかないと言う事でした。其の事情を聞くと幽霊が出るという事でした。
其れが噂ではなく本当に出るので修道院に買い付けに行く人が全員が幽霊を見るので10年近くも買い手がつかないそうです。
勿論修道院の人も自分達夫婦も其れに其の修道院の農地の隣は修道院が課している小作人の農地と家々があるのですが其の全員が幽霊を見ていると言うのです。
バロルドさんがあまりにあっけらかんと言うのでクレアも幽霊が出る修道院に興味を持って行ってみたいと言うと明日にでも此の近くにゾナセル村の村長さんに案内させて貰植える様に手配をしてくれると言いました。
そしてクレアが止めて貰う病室は当面入院患者もいないので其処に泊まる様にと言ってくれたので其れに甘えさせてもらう事になりました。
次の日にゾナセル村の村長さんに案内されて古い修道院に行きました。中に入ると本当に幽霊が一人いるのでクレアは可笑しくて笑い出しました。幽霊が少し恥ずかしそうにはにかんだような気がしました。
ゾナセル村の村長さんが顔色一つ変えずに「あれが幽霊です。」と指さして言いました。そして其れが当たり前の様に古い修道院の中を案内しながら事情を説明してくれました。
既にほとんどの修道士の人達がクロラルド国の修道院に移っていて昔は100人以上いたのだが今は4人しか残っていない事、広い農地をほっとけないので6軒の小作人に貸している事。
其れ以外に広大な農地が此の修道院にある事と言って裏口の様な所から外に出ると見渡す限り総てが修道院の土地だと言う事でした。
つまり此の修道院の外が見渡す限り修道院の土地だと言う事です。遠くに家がぽつぽつと見えてあそこ辺りが小作人達に貸している所だと説明してくれました。
今は収穫が終わっているが主にジャガイモと小麦、其れ以外にもトマトと人参がおもな作物で休耕地もあって全部を使いきれないので其の年其の年で休耕地を作って順番に農地を使っている為に農地がやせ細る事が無く結構良い品が出来るそうです。
地図を見せて貰って数字が書いてあるがクレアにはどんな広さなのかは数字を見ても解りません。
其処でリヤド農場を知っているかと言うと何と昔はゾナセル村の住人はリヤド農場に働きに出ていて其処の娘だと言うと貴方のお爺さんが経営をしていた時代に自分の父親も其処で働きに言っていたと言うのです。
其れで明らかにリヤド農場より広そうなので其れの何倍くらいありますかと聞くと村長さんはリヤド農場は今もジルドの街に用事があって通るが其処の小作人に貸している土地も含めて此処も小作人に貸している土地を含めると4倍はゆうにあると説明してくれました。
修道院の中に戻ると修道士の方がお昼を用意して下さって幽霊がうろちょろする中でお昼を食べました。
クレアが「幽霊は此の幽霊一人だけなのですか?」と聞くと修道士の方が「はい、私は子供の頃から此処でそだったのですが見たのは此の幽霊が一人だけです。何も悪さをしないのですが多くの人に見える様で気持ち悪がって此処を買ってくれる人が見つからないのです。
とっくにクロラルド国の修道院に全員が引っ越していなければならないのですが・・・。」と言うと深くため息をつきました。
クレアが「農場の経営状態を書いた帳簿を見せて頂けますか?」と聞くと修道士の方が分厚い帳簿を5冊ほど持って来てくれてクレアに「全部見て下さい。此処はとても良い農場で運営も黒字で順調なのです。」と言いました。
クレアは其れを時間を貰って夕方までじっくりと其の帳簿を見ました。




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