君の好きな、この街で
- カテゴリ：小説/詩
- 2021/11/07 14:43:14
夕暮れ迫る頃に
今日の一日が静かに終わりを告げる頃
街の灯りがアーバンライトに照らし
二人の待ち合わせ場所に君の姿が
君が、この街に来てもうどれくらい
経つのだろう
きっと毎日に追われ疲れているだろうに
頬の笑窪がチャーミングで
そんな笑みで僕を見る瞳が悩ましい
いつもの、この店のお気に入りの席で
ふと見せる横顔が
何処か寂しそうにも見える
ゆっくりと目を閉じてはグラスを見て
君が言った
この街の夜景が凄く素敵で好き
何だか嫌な事があっても忘れてしまう
何処か冷たい感じで
でも貴方と同じで私を受入れてくれて
守ってくれている感じで
ゆっくりとグラスから目線が僕に
そんな瞳で見つめられたら
僕は泣きそうなってしまう
君の過去を僕は知らない
君も僕の過去を知らなくていいと言う
今は、この街で 出逢い
二人で同じ時間を過ごす
僕は今の君が大好きだ
無条件に君を許せてしまう
普通の子とは違う
スキの無い気丈な感じで何処寂しい
物静かでいて
その微笑みにミステリアスな雰囲気
僕も、この街が好きなように
何処か君が似ていると思ってしまう
僕が泣きそうな表情になると
その微笑みで君が言う
また、そんな顔して
涙腺弱いんだぁ
おじさん、なんだから
そう言って僕の頭を子供をあやすように
撫でながら 泣かないの男の子でしょ
細く白く優しい指が僕に触れた瞬間に
僕は、素直な気持ちになれる
年の差なんて関係ないよな
そうは言っても
もっと前に君と出逢っていたら
いや、今だから
いいのかも
親子程、年齢が離れていても
こんな関係あるなんて
君の帰る場合はここにある
僕は君を守りたいのだから
明日もこの街のこの場所で
同じ景色を二人で眺めて家に帰ろう
アーバンライトに染まる街を二人で
歩いて帰ろう
