Nicotto Town



南の魔女クレア4


お父様はもともと此の家で代々執事長として働いていて今は副執事になったアルバルから此の家を侮辱する言葉をお母様の実家から来た執事長のガゼルに言われたと報告されて大層立腹した。

そして其の問題の発端はクレアが3階の屋根裏部屋を子供部屋として使っている事にあるとその部屋は出入り禁止になりまた鍵をかける様に命令した。
其れを聞いたお母様とお父様は言い争いになった。
そして何か酷い言葉をお父様はお母さまに行ったようでお母様はショックで倒れてしまって部屋に閉じこもって夕食にも降りて来なくなってしまった。
クレアは酷く落ち込んでそれから3人が黙々と食事をする夕食がしばらく続いた。
何故こうなったのかはクレアにはさっぱり意味が解らなかった。
其れでモニリスに聞いたが最初は解らなかった。
モニリスはセリスとマージに聞いて最初は解らなかったが3人で古くから居る使用人にそれぞれが何と無く話を聞きだして何とか解った話をクレアに話してくれた。
そうしないとクレアは自分が原因でお母様が倒れて夕食にも出て来れなくなったと時々モニリスの膝に突っ伏して泣いていた。
其の泣きはらした目を見てマージも心配していたのだ。
だから一番マージが詳しく古くから代々いる副執事のアルベルさんから聞き出してくれた。
其れはお父様のお母様のお姉さまにあたるユビラ様に起きた不幸な事件が発端だった。
ユビラ様はとても美しいお嬢様でリベラ家は既に男爵家になっていてユベラ様は貴族の子女が通うトウニにある女学校に入っていた。
多くの者はユベラ様に立派な養子を婿に迎えて子供を産んで幸せな家庭を築いて此のリアド農場を更に発展させてくれると期待していた。
其れはユベラ様が卒業まじかの最後の冬休みを過ごしてリアド農場からジルドまでは自宅の馬車で行ったが其処からは何度か馬を変えなければならなかったが乗合馬車だと二頭だてて馬車のスピードが違い更に其のスピードを保つために幾つかの止まる街ごとに馬を変えていた為に1頭の馬車を休み休み行かせると8時間もかかる所を半分の3時間で着いたし其の方が安全だと思われたので其の乗合馬車に乗っていた。
所が其の乗合馬車が当時は既にシドリアル地方からキリアマリ軍が撤退していたにも関わらず貧しい地方になって仕事が無くトウニ地方や其の他の地方にシドリアル地方から来た人達が住み着いて貧民街を作って悪事を働く人達がいた。
トウニの街に付く少し手前に大きな川があって其の橋の下や河原周辺にバラックを建てて住み着いて貧民街が出来ていて其処の人達の一部が乗合馬車を襲って金品を略奪する事件が起きていた。
ユベラ様が乗っていた馬車も襲われて金品を取られたがユベラ様は其の内の一人の男にさらわれて乱暴されてしまった。
其の時はそう言う事件が多発していたので近隣の人達が自警団を作って警戒をしていて其の騒ぎを聞きつけた自警団の人たちにユベラ様は命は助けられた。
当時はそう言った事件が多発していてある男爵の娘が一頭立ての馬車に御者だけでトウニの街から隣町の祖母の家に行く途中で襲われると言う事件があった。
其の馭者が元兵士で剣が使えて4人がかりの悪党におそわれたが一人ずつ闘って殺して行って最後に其の娘を襲っていた男も殺して悪党の馬を奪って其の娘を抱きかかえると家まで連れ帰った。
所が貴族社会ではまず若い娘や女性を乗せる馬車は二頭立てで後ろに警備の者を二人乗せて走る作りになっているのが常識で更に横に警備の者が馬に乗って両脇に居るというのが正式でそんな馬車に若い娘を乗せるのは金で爵位を買った男爵家だからでそんな貧相な馬車に乗って恥知らずと言う事になり爵位を返還させられるという事件が起きた。
当時男爵家だったリベラ家はユベラ様の事件で爵位を返還させられることを恐れてユベラ様は馬車の事故で死んだ事になってユベラ様を3階の屋根裏部屋に生涯閉じ込めてしまって妹の今のお父様のお母様に養子を貰ってお父様が生まれた。
そしてお父様に子爵家の娘のお母様の養子になってリベラ家は苗字がダストリー家に変わった。
そして子爵家でもシドリアル地方で貧しかったお母様の家にあった多額借金を肩代わりをした。
そして今も色々と金銭の面倒を見ているのだった。
何時までも金の無心をしてくる事を今度の事でお父様がお母様を非難したのだそうだ。
其れなのに卑しい田舎者の古い慣習と3階の閉じ込めた部屋がある事をガゼルが発した言葉に腹を立ててどちらがいやしいのかとお母さまをお父様が攻めたそうだ。
クレアには何も罪が無い事だが使用人たちの中にはクレアが原因の様に扱って冷たくあしらう物も居た。
クレアは殆どモニリスの傍を離れずに心を閉ざしてしまった。食事も喉を通らない日が朝食昼食は殆ど残す日が多く夕食も無理して食べているのか部屋に戻ると吐く事が多かった。
其の為にクレアの体重はかなり減ってやせ細っていった。

クレアの9歳の誕生日が来てお母様からの誕生日プレゼントに新しいドレスと其れに合わせたお人形が届いた。
其の頃には冷たかった使用人達も普通に接する者も出てきていてクレアも9歳になったという事で庭を一人で散歩する事を許された。
ある日クレアは広い庭の其処から先に行っては行けないという花壇で出来た塀が出来ているのだが其の切れ目を見つけた。
クレアは其処を通って道にそって行けば農場に付く事を3階の窓から見て知っていた。
思い切ってクレアは其処から館の広い庭を出て農場に向かって歩き始めた。
そして農場に付くとすぐにお父様を見つけた。
「お父様!」と言って抱き付くと最初はびっくりしたようだが嬉しそうに畑のあちこちを走り回るクレアに其れまでクレアが明らかに落ち込んで沈んだ表情をしていただけに何も言えなかった。
更にクレアは虫も怖がらずに捕まえて喜んでいた。
そして遂にクレアは思い切って私も畑仕事をしたいと言ってみた。
周りの手前もあってかお父様は畑の一角をクレアの畑として此れを植えなさいとカブの種をくれた。

クレアはモニリスが其れまで読んでくれた本の知識を駆使して手で土を掘って泥だらけになりながらもカブの種を植えた。
お父様は泥だらけになっても虫が土から出てきても平気で夢中になって土を手で掘って種を埋めて土を手で土をかぶせているクレアの姿に驚いた。

そして最初にクレアを養護施設で見た時の事を思い出した。
小さいのに男の子に混じって木に登り髪の毛も松脂だらけになっても気にしない、更に聞けば大人に混じってなたをもって枝切りをして芝刈りまでやり始める子だったそうだ。
何でも大人が働いているのを見て興味をもってやりたがったそうだ。
もしこの子が男の子だったらさぞかし此のリアド農園の力になったかもしれんと目を細めてみていた。
其の事は直ぐにお母様の耳に入ってお母様は泣きだしたそうだ。
泥だらけのクレアと泥だらけになった人形を見てお母様の厳しいお説教がクレアだけでなく監督不行き届きとしてモニリスにも及んだ。
更にお父様にも嫌味たっぷりの言葉がお父様に反撃として飛んだ。
所謂子爵子女のあるべき姿ではないという事だった。
子爵令嬢として育たないで田舎農家の小娘に育ったらダストリー家の名前に傷がつくという事らしかった。
良く解らないがまたお父様とお母さまの喧嘩の原因をクレアは作ってしまったらしかった。




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