栗
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/09/28 16:15:43
田舎から栗が送られて来た
両手で救えるほど
茹でてみた
ほっこりとしておいしい
あの頃は二人で食べた
栗は田舎の匂いがする
もう何年も帰っていない
でもこうして送られてくる
感謝しなければならないか
差出人には母の名が
何度帰ろうと思ったことか
あなたと別れて辛かった日々
拠り所になるのではないか
迎え入れてはくれないか
その度に首を横に振った
あなたと分かれて一年
時間は空気のようにすぎていった
仕事にも行かねくちゃいけない
時間潰しには何もない
毎日かが悲しかった
今頃あなたはどうしているだろう
風の噂などあてにはならない
あんなに愛したあなただから
今も涙がとまらない
だめだと想っていても
あなたにも栗を送ろう
硬い殻に包まれた黄色の実
実を守ろうとしてイガが鋭い
私も殻から出ないといけない
もう一つの愛を抱きしめるために
ロマンチックな詩ですね。今夜はコーヒーを。
紅茶に変えたのは何故だろう。
ケーキが2つになること、美しい出会いが待っているかもしれませんね。
テーブルの上に一つだけの・・・
わたしはいつもの紅茶ではなく
今日はコーヒーを入れた
芳醇なワインを味合うように
口の中でクリームを溶かしていく
秋の香りがする
それはあなたの香りだ
コーヒーを含む
それはあなたの好きなマンデリン
部屋いっぱいにあなたが広がっていく
わたし一人だけの部屋に
次にコーヒーを飲むのはいつかな
やはりわたしは紅茶が好き
窓の外には色づく街が見える
来年にはケーキがまた二つになるかな
わたしは窓を開け
部屋いっぱいの香りを外へと逃がした