ジュンチャンと世界を巡る 第69回はアマゾン
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2021/09/24 05:59:37
釣り師憧れのアンデスとアマゾン、先回は「アンデス」への旅、今回は「ジュンチャン」が誕生するきっかけとなった「アマゾン」への旅となります。
まず初めに、アマゾン河の紹介を簡単にします。
全長は6,516kmで、世界第1位のナイル河の6,695kmにつぎ、第2位の長さを誇っていて、第3位の長江(揚子江)は6380kmです。
アマゾン河の本流をペルーのマラニョン川とする説もありますが、インカ文明の真ん中を流れる同じくペルーのウカヤリ川(ウルバンバ川とアプリマク川が合流する。)を本流とする説をここではとっており、この長さが6,516kmで世界第2位の長い川となります。(マラニョン川本流説は270km短い。)
流域面積705万平方kmはダントツの世界第1位で、第2位の370万平方kmのザイール川(アフリカ)を遙かに凌いでいます。
年平均流量は、毎秒17万5000トンと推定され、ザイール川の4~5倍、全世界の川の流量の15~18%をしめるという想像を絶する膨大な流量を生み出す川で、全世界の淡水の3分の1が、この流域に集まっているのです。
そんなアマゾン河ですが、地球上の全水量に比すれば、ほんのわずかなもので、地球上の水の97%は海水で、淡水はその3%しかなく、しかも淡水のうち9割は凍っているので、全水量の0.3%の淡水が液体として存在していることになります。
その淡水の4分の1はバイカル湖にあり、その3分の1はアマゾン流域にあるのです。
こういうことで、アマゾン河に比べれば、他の川はほんとに可愛い川なのです。
川は太古から人類の文明を育て、人の命の源である淡水を供給する重要な存在であったし、今でもその事実には何ら変わるところはありません。
また、アマゾン河流域の熱帯雨林は、地球の全酸素の20%を生産する、地球の肺といわれる場所です。
アマゾン熱帯雨林の面積は約480万km2で、実に全世界の熱帯雨林の54%を占めているのです。
アマゾンの源流は、インカ文明を生み出した万年雪のアンデス山脈であり、その雪解けの水を集めて、やがて沢水になり小川になり、クスコ、マチュピチュ、ビルカバンバなどという世界遺産の地域を流れ、源流の川であるアプリマク川やウルバンバ川となり、やがて大河アマゾンとなって大西洋に注ぐのです。
この川を目指すことが僕の少年時代からの夢で、そのきっかけは高校の図書室で偶然出合った開高健の名著「オーパ」から始まるのですが。
アマゾンの本拠地ブラジルでは、驚いた時や感嘆した時に「オーパ!」というのですが、「オーパ」はそんな驚きの連続となる「開高健のブラジル釣行の記録」です。
僕は開高健の「オーパ!」には高校時代に出会っています。
高校の図書館で受験勉強にも飽きて、少し不純な目的で本を探していたら、開高健の「オーパ!」に偶然出会ったのです。
日頃気になっているがそう会話も交わしたことがなかった同級生のAさんを図書館で見かけ、彼女の姿が見えなくなってからそのあたりの本棚を覗いていたら、この本が目に留まったのです。
Aさんはスレンダーな、花でいえばラベンダーを思い浮かべるような感じの女性で、僕は彼女がどんな本を読んでいるのかやはり興味があって、彼女のラベンダーのような残り香が漂っている気配の夏の午後の図書館で、かなりの心臓の高鳴りを自覚しながら、開高の本を開いていた記憶があるのです。
彼女が図書館から出たのを確かめてから、僕は彼女の居たあたりの書棚の本をパラパラとめくっていると、その書籍群の中に開高健の「オーパ!」の本があり、そこにはたった今入れたと思われる、南米の町の風景が描かれた綺麗なしおりがはさまっていたのです。
別に彼女の入れたしおりという確証はなかったのですが、その時の僕は90%以上の確立で彼女の入れたものだと信じ込み、その「オーパ!」という本を、夕暮れの日差しがまぶしくなって時間の経過に気づくまで夢中で読んでいました。
彼女の読んでいた本なんだなという興奮もあって、僕は3時間で大作「オーパ!」を読みきりました。
面白かった!!
開高健という作家にも興味を持ちましたが、南米のアマゾン川での釣りにも憧れを持ったのです。
この時の僕は、いつか開高と同じところでピラニアを釣ったり、願わくば幻の古代魚であるピラルクーも釣りたいと、夢のような旅を夢想していたのでした。
この日から何年かのちに高校の同級会があり、酔ったついでに図書館でのことを彼女に聞いたら、彼女は良く憶えていて、実は別の棚の本を読んでいたことがわかりました。
数年後のことで良かったけど、数十年後までわからないで誤解していたら、何かドラマが始まっていたかもしれませんね。
この彼女とは開高の本が取り持つ縁で、今でもけっこう気楽な女友達として付き合っています。
ここで、開高健がこの本で引用していた中国古諺を載せます。
1時間、幸せになりたかったら
酒を飲みなさい。
3日間、幸せになりたかったら
結婚しなさい。
8日間、幸せになりたかったら
豚を殺して食べなさい。
永遠に、幸せになりたかったら
釣りを覚えなさい
なるほどと思ったり、そうかなあと思ったりしますよね。
まあ、釣師だから釣りが一番だと開高健は言いたい訳で、僕も開高健の真似をして、永遠に幸せになるために、こんなコロナの時代でも機会があれば釣りに出かけています。
次回からは普通に南米の国々を旅しますが、気楽に遊びに来てください。