【護神】 書き遊び:緋金の見合い・後編
- カテゴリ:自作小説
- 2021/09/07 20:32:57
前編はこちら ↓ 旧題は 黒背景(緋金バージョン)
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=70457831
(やべぇ~想像以上のイケメンだ)
見合い相手の青年を紹介され、緋金の言葉遣いはイッキに崩れた。内心で。
第一印象はイケメンだったが、次に思ったのは〝すげー育ちが良さそう〟だ。
見た目はミルクベージュの柔らかそうな髪を持ち、肌は褐色。
……え? ドコの国の人? と緋金が首をかしげても仕方がないだろう容姿をしていた。
(そういや【釣書】があったな。封を開けてもいないけど)
せめて一読くらいしておくんだった! と緋金はイマサラながら、手元にあった情報の取得さえ怠ったことを後悔する。軍人にあるまじき失態だ!
とか反省を交えつつ、いや~それにしても眼福だわー、と見惚れていると、そこになぜか特務統合司令部の、我らが羽鳥軽第七代司令長官が「遅くなって申し訳ない」と言いながら入室してきた。
(はぃ?)
そこからなぜか滔々と緋金を褒めちぎる、けれど緋金には全く褒めているように聞こえない、羽鳥の語りを聞き流しながら、緋金は見るともなく羽鳥の横顔を眺めた。
司令ってホント変わらないなぁ。
最初に会ったのは、仮入隊の14歳の時だから、……13年前か。
そんとき28歳? 29歳? そんな感じだよね。変わんないっつーか、若返ってたり、しないか?
暇つぶしのような取り留めもない思考は、羽鳥の微妙に褒めていない緋金評… 曰く『そこらの男よりよほど腕がたち、弁もたち、頭も回る』というところで終わりを告げる。
(やっぱり褒めてねーーーっ)
控えめで楚々とした女性が美しいとされるご時世に、その紹介はないだろう。
いや、文化の違いとかで許容されるのか?
待てよ? 暗殺を防ぐための盾として女性を先行させるレディファーストを始めたお国柄だっけ?
そういや女性の関心を引くため、意に反して優しくしたのがレディファーストの起源って説もあったな。
もしかしてソレか?
とかなんとか頭の中で転がしている最中にも『私の意を汲んで辛い任務に耐えてくれたり、弟たちの面倒をみたり、家庭人としても…』と、全身が痒くなりそうな語りは続く。
(家庭人として優秀はウチの朱継なんだけどなぁ。ってか司令、ホント何しに来たんですか?)
ソッコー問い詰めたい気持ちはあるが、どーせツブす予定の見合いだし~好きに語らせておいてもいいかぁ、と投げやりな気分で相手を見やる。
クリシュナムルティ・カーと名乗ったインド系イギリス人らしい青年は、とても綺麗な日本語を話し、羽鳥の微妙な緋金評を、柔和な笑みを浮かべて聞いていた。
時折目が合うと、その笑みに、ややはにかんだような色が混じる。
普段、脳筋やら腹に一物も二物も抱えているのやら変態やら猪突猛進やら研究バカやら幼女趣味やら、癖のある連中ばかり見慣れている緋金にとっては、たいそう新鮮で、まるで稀少種!
(怪で言うなら危険度・甲の中でも超最悪クラス並み ……そういえば前にいたな、超最悪)
そんなことを考えていたせいで、ウッカリ顔が険しくなっていたのだろう。
「アカネさん、どうしました? 僕が何か失礼なことでも?」
「いいえ、何も…。ただ、」
と、慌てて、失礼なことなど何もないと訂正し、その上でやや眉を下げるよう強く意識しながら目線を伏せ、
「私、まだ仕事を続けたいと思っておりますので。思いがけずクリシュナムルティ・カー様のような紳士とお会いできて…… 少々困っておりました」
儚げに表情を取り繕いつつも、嬉しさを隠しきれない、と見えるよう微笑んでみせた。どやっ、と内心で思っていたのは秘密である。
「どうぞクリスとお呼びください。僕もアカネさんのようなチャーミングな方と出会えたことを神に感謝したい気持ちです」
これはもしや、オトモダチから始めましょうというヤツか? やった! 稀少種の知己GET。
見合いを終えて帰宅し着替えを済ませた緋金は、取り急ぎ【釣書】を確認し、
クリシュナムルティ・カー 28歳 英国海軍少佐
父はロイヤルファミリーの血をひく子爵家当主 英国軍人
母は英国統治下のインドのある藩王の息女……
己れの情報取得怠慢を再び呪う。
なんでこんな優良物件が、私の見合いに出てくるんだよーーーっ!
声にならない悲鳴が、緋金の心中にこだまする。
まぁそれでも、あれほどのハイレベルを知己として得られたことは、利点しかない。
あの落としどころで良かったのだろう。
やや精神的な疲労を覚えつつ居間に顔を出した緋金は、〝見合いはどうなったんだ?〟という家族(護神3名を含む)全員の無言の圧を一身に受けた。
ひとまず簡潔に結果だけを報告をする。
「とりあえず、オトモダチとして付き合うことになったー」
一瞬、部屋の温度が数度低くなったように感じて、皆を見渡すと、緋金の視線がかすったあたりで詞名(ジーナ)がさっと日向の背にしがみつき、日向の右首のあたりからちょこんと顔をのぞかせ叫ぶ。
「緋金の浮気者ぉ!」
瞬間、緋金の目が吊り上がり左拳がぎゅっと握られ……。
そのまま突き出された左拳が目前に迫っていた、日向の悲痛な叫びがとどろいた。
「ちょっ… 緋金ちょっと待てーーーっ」
茜色に染まる空に蜻蛉が行き交い、残り火のような陽射しが窓から差し込む、のどかな夕暮れ時であった。
「人聞きの悪いことを言うなっ! だれが浮気なぞするか」
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クリシュナムルティ・カー ロワゾーさん
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1104605&aid=70468359
羽鳥軽(はとり・かろみ) ロワゾーさん
護神・渢刃(ふぅば) るーしぇさん
護神・詞名(ジーナ) ばにら☆*さん
護神・荷葉(かよう) ロワゾーさん
九曜緋金(くよう・あかね) 和.com (以下同
九曜日向(くよう・ひむか)
九曜朱継(くよう・あきつぐ)
前編で饒舌だった渢刃の存在感が今回ゼロwww
見合い姿は、前編のコーデです!
このコーデは見合いを終えて帰宅した後の感じ。緋金だって和服を着るんだ。
イベント特典の金魚帯、すごく好き♥ 古いPショ通常リボンと8月P限の金魚髪飾りの重なりも好き。
…… 私の書く緋金って、ゼンゼン真っ当な仕事してないなー (*ノωノ)
そんなとこ隠れないでww
コメント欄の 両手に花でいいじゃない論にも笑いました
いやこれはw あっさり振れない相手来ちゃったなぁw
釣り書きスペックもですけれど
物腰やわらかで自分を好きになっているイケメン は振れないなー( *´艸`)w
お相手のお話もあかねちゃんところに入れた。
有能な遺伝子を残すのに二股… そんな器用なこと出来るヤツかなwww
っていうか二股するには見合い相手、ハイクラス過ぎません?
物凄い優良物件のイケメンだったのね。
これはこのままお付き合いしてもいいよねー
護神さんは護神さんで・・・2人ともゲットってだめ?
そんなこと言ってたら護神つきはみんな結婚できないことになっちゃう。
有能な遺伝子残したいよ。
浮気OKって無理か。
1942年以降のイギリスは悲惨でしたもんね ( ̄~ ̄lll)
コッチの世界も、きっと、始まりはものすごーく悲惨だったと思うなぁ。
弟たちの年齢との兼ね合いもあって、こうなりました。
ご声援ありがとうございます! けど、緋金的にはゴールインは困るんですよー (*ノωノ)
なんせ意中の相手がいるのでwww
でも大丈夫! 緋金に浮気は無いです。フラつくことも無いですw
あるとしたら (。-‘ω´-)ンー どんなだろうなぁ?
クリスが英国に帰るとか、かな?
相手がハイレベル過ぎるのもタイヘンでしょーっw
そもそも緋金の能力は、渢刃がいないとヤバいこともあって、
緋金には〝渢刃から離れる〟選択肢は無いと思う。
私のなかの緋金は、意外に執着しているんだ、渢刃にw
ロリコンはねーwww 仮入隊が14歳だから、そういうのに狙われたことがあるって
エピソードがあってもいいかな、と思って入れてみた (((o≧▽≦)ノ彡
ただ、そんだけ。
日向の悲痛な叫びに笑ったw
しかしこれは、もったいないご縁なのでは・・・
お友達でももちろんいいけど
弟たちが結婚しちゃったたら・・・
あ、弟たちも護神が好きだから この家族はこのまま?w
この時代、その年齢だと親親戚も婚姻を焦りますよね~。
でも、お見合いとはいえ、なかなか素晴らしい相手が廻って来たようで、申し分ないかも??
あとは相性かなぁ~。(微笑)
無事にゴールインできますように。。
・・というか、善は急げ・・ですよ!あかねさん!
続きが気になります!
と きっと渢刃が無言で泣いております(*´艸`*)
殿下のビジュアル見てこよーε=ε=ε=ε= ワーィヽ(。・ω・)ノ タタタタ・・・
まだ帰り道、あと一時間くらいで
うちに帰るのでまた来るね!
ラブコメだ。