【第1話】青空の行方~ゆくえ~
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/08/06 00:55:24
「だからっ! お前のせいで寝坊したんだからなっ!」
「バカ言わないでよっ 面白いマンガ見つけたからって、夜中の1時に電話してくるあんたが悪いんでしょうがっ」
「う… まあそれは認める。でも、その後届いた朝刊の記事まで持ち出して『これって変だよね』って俺との会話を引っ張ったのはお前じゃねーか!」
桜が散り始めた、駅から学校へと続く真っ直ぐな道を、息切らせつつ走りながらの会話だった。
制服ブレザーのタイを緩めながら、間に合うはずもないホームルーム開始にちょっとでもダメージ少ないように全力で駆けていく2人。
「あんたねぇ!今めっちゃ走ってるけどさ!どう考えても間に合わないってば!」
椎名沙也加、高校2年生。
調理部というアヤシげなクラブに所属している彼女は、リュックを左右に激しく揺らせながらそう叫んでいた。
「はぁはぁ…そうだなっ じゃ、そこのスタバでお茶していくか?」
息切らせながら、いつも学校帰りに立ち寄る店が開いているのを見つけたのは西藤拓海、同じく高校2年生。
「あほかっ!そんな余裕ないってば! 今日って2年最初の登校日じゃないっ!」
「まぁそれもそうだ…(ゼイゼイ)」
「拓海さぁっ!運動不足じゃないの?ちょっと走っただけでこんなに息切らせちゃって!」
「うっさいっ(ハアハア)」
さすがに体力が尽きたのか、校門まであと500mのあたりで立ち止まった2人は、やや絶望的な視線を、校舎の時計台に届かせると予鈴が鳴った。
「あー 完全アウトだわっ」
沙也加は手にしたスマホをグイっと握りしめ、全身を荒い呼吸で包みながら膝に手を置いて。背負ったリュックを落としてみたり。
「しゃーねーなぁ…」
拓海も左肩に下げたリュックを地面に投げ出し、そのままへたり込んでいって。
「あーあ…新学期早々遅刻かぁ…」
「あんたのせいだからねっ」
「そんなこともうどうでもいいや…」
明るく、しかしそれでも軽く、キンコ-ンカンコ-ンと響く予鈴。
「諦めよっか…」
「そうだな… うん」
拓海は立ち上がり、ズボンをぱたぱたとはたいて、自分のと沙也加のリュックを担ぎ上げる。
「拓海っ 重いから自分で持つよ」
慌てて沙也加が自分のそれに手を伸ばすが、笑った拓海は首振って
「いやいいさ…これくらいは何とかなる。…って めちゃ重い!何が入ってるんだこれっ」
「えっと…リーダーと地理と現国と古文、世界史セットと数2、物理と化学のテキスト…あ、これは参考書もだった…」
呆れるような表情になった拓海は
「あほかお前はっ!今日は始業式だから授業ないんだぞ!」
ぽかんとした沙也加。
「え、そうなん…?」
ここは県立天使坂高校。
かなりキャラが立った生徒たちが集う、素敵な高校だ。
『こいつってマジリアル正味の天然なのかもな…』
拓海が思ったのも無理はないかも。
「ねぇねぇ 拓海ってばさ…1年の時同じクラスだった女の子に片思ってない?」
昇降口で上履きに履き替えていた時、沙也加が思いがけずそう突っ込んできた。
拓海は一瞬慌てて、でも即平静に戻って。
「な…何を言ってるんですか… そんなこと全くないですよっ」
「あんたね、図星突かれると丁寧な言葉遣いになるよね」
「うっさい! 好きな女子なんていないっ!」
「その否定のしかたがアヤシイんだよね」
勝てないなぁ…と思ったのかどうか 拓海は視線を切って走り出した。
「アヤシイ!アヤシイ!」
沙也加は先行する拓海の背中をどやしつけながら階段を駆け上がる。
「と…とりあえず教室にっ」
滑り込んだ新学期の教室。なじまない雰囲気が一瞬、彼らを包み込んで
「お おはようございます…」
「あ、まだ先生来てないんだ ラッキ!」
しん、とした教室は、2人の乱入にも負けてない。
沙也加と拓海が席に着いたその直後、ドアがガラガラっと開いて、担任の槇原先生が入ってきた。
槇原めぐみ先生。一見暴力的で言葉遣いもオッサンレベルだが、じっくり見ると小柄でちまちました、いわゆりダイヤの原石的な美人教師、3年目って感じだ。
マジギリセーフ。
でもね。
この後の学園生活を振り回す出来事が、めいっぱい起こってくるなんて想像もできなかった。
(続く
ココアは活字アレルギーなので、いっぺんには読めないんですよね。
拓海君と沙也加ちゃんは、幼馴染で仲がいいんですね。
長電話で朝が来るwココアもしたことあるよw
小説を書こうとしても、すぐにやめて、最後まで書けないという人が多い中、どんな小説であっても、最後まで書き上げられるのは、才能ですよね。楽しく、自由に書き上げてください。
これって実話なのかな?
次回が楽しみです♬
しかも沙也加ちゃんって沙也加ちゃん?
さてさてどんな出来事が起きるのでしょう~
楽しみです^^
自分の人生の中でも、高校がイチバン楽しかったから・・・
遅ればせながら、初めて読ませて頂きました。
何やら楽し気なお話になって行きそうですね(*´∇`*)
一気に読んじゃいました。
続きを楽しみにしています(o*。_。)o
どんな展開になるのかなぁ・・・たのしみ~~~
マッキー登場の巻?
いつも、ありがとう (≧∇≦)/
15年前に、文字だけの 自作小説みたいな
ラノべ作家に、なりたいと言う 気持ちが ありましたが
現実を 知る事に なってから 挫折していました (´・ω・`)
ユーチューブという場を お借りして、
あまねが 作る 紙芝居ような、人形劇の 動画を 作れたらいいなって 思って
ダラダラと 月日が経って 2年間 素材だったり シナリオだったり 蓄えて
公開できる形に なりました!!
今日も、ありがとう(≧∇≦)/
ゆっくり続き待ってますね