紫陽花3
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/06/27 02:50:39
紫陽花が
霧雨の中に泣いている
青い涙が一つ地面に吸い込まれていく
雨音さえ聞こえない静寂の中
わたしの愛が一つ零れ落ちた
そして音もせずに地に消えて行った
霧雨は降り続ける
紫陽花が悲しく青く光っている
やさしく風が吹いた
わたしの頬を撫ぜた
ふと見ると
白い蝶が紫陽花に羽を休めていた
紫陽花を慰めるように
そっと声をかけているようだ
風が吹いた
瞬間蝶は舞った雨の中へと
また風が吹いた
それはわたしの心にそっと暖かくあたった
風の見えない言葉が
体を心を包み込んだ
瞬間わたしの頬に
最後の涙がこぼれた
紫陽花の色がいくつもあるように
それを見る人が受ける感じ方もいくつもあるのでしょうね
さらにその時の心情によって
また違ったものを感じ取る・・・
それでか?
紫陽花シリーズも1から3まで増えちゃった^^
近所であまりにたくさんの家に咲いているので
ついつい書いてしまいました
そのうちパート4が・・・来るかも
なるほど花が咲いたまま雨を受ける様は慈愛さえ感じるね