紫陽花
- カテゴリ:小説/詩
- 2021/05/24 02:28:25
つないだ手がちょっと重い
そんな春の一日
もうすぐ梅雨なのかな
わたしの心も曇り空
家を出てから
沈黙が5分は続いている
ちょっと歩く速度がいつもより早い
機嫌が悪いときはいつもそうだ
駅へと続く小路
紫陽花がきれいだ
ストップ!
彼の手を強く握った
うす紫のきれいな花びらに
白い蝶がとまっていた
紫陽花にも蜜があるのかな?
彼はそう言うと蝶を捕まえようとした
そばによると蝶が羽を広げ
飛び立っていった
逃げられちゃった
へたくそ
捕まえるのかわいそうだしね
そうね
何かが吹っ切れた
わたしは彼の手を握ると駅へと歩き始めた
そんなに引っ張るなよ
彼は楽しそうに笑っていた
角を曲がると駅が見えた
春の日差しが暖かい
わたしたちは飛び去って行った蝶のように
改札口へと吸い込まれていった
紫陽花がきれい・・・
なんてコメントを書いたら浮かびました^^
花は何も話さないけれど
何かを訴えているようにも思います
ある時は寄り添うように優しく
ある時は私を見てと自慢げに・・・
見ている人の心の中の想いを
吸い取っているかのように・・・
結果的には心の中に花が咲くのが
ベストなのでしょう
花を見て感傷的になる人もいるでしょうけど
小さなエネルギーをもらう時の方が多いいのかな
十数年前に今の家に引っ越したときの
お祝いで紫陽花の鉢植えをいただき
庭に植えていたら綺麗な花を咲かせていたけど。
住人の心の寂れを敏感に感じ取ったかのように
なかなか枯れないはずの紫陽花が枯れてしまいました。
花はどんな時も、生活や人生に彩りを加えてくれるものですね。
この詩のように、二人の間にも何かが花咲いたように・・・。