【第8話】天使坂のソロキャン
- カテゴリ:自作小説
- 2021/05/08 21:53:37
なんで、週末のアウトドアショップはこんなに混雑してるんだろ…
俺は人の波を避けるようにちょっと肩竦めて店の中をうろうろしていた。
木曜日はアウトドアキャンプ。
神田さんと約束したんだけど、その直後にクマさんからの思わぬお誘い。それにしずかさんまで乗っかってきたら、もうどうしようもなく…
『あ、すみません…その日は俺、別の人とキャンプに行くって約束しちゃってたんで…』
メッセージを返したら、ほんとマッハの速さで
『そうなのか少年!残念だがどこに行くんだ?』
そしたらそれにかぶさるように、しずかさんのメッセージ、
『そうだよ。だいいち天塚クンが来なきゃ、私とクマさんの二人キャンプになっちゃうんだけどなぁ~』
大宮高原はかなり広いキャンプ場で、第一から第4までキャンプサイトがあるんで、まぁ偶然出会うこともないだろう…なんてとこに一縷の望みをかけてたりね。
てなわけで、俺はまだ揃えていないキャンプ道具を買うために、郊外のアウトドアショップに来てみたんだ。
メスティン、固形燃料、テーブル… 予算もあるもんでこれだけしか買えなかったけどね。
レジで支払い済ませて、荷物をバッグに入れ、出口に向かうところだった。
「あれ?天塚クン?」
防水マットを手にしたしずかさんがそこにいて。
なんて偶然だ。
まるで漫画だ…
「あ、しずかさん…久しぶりです」
「本当、久しぶり!なになに、買い物?」
彼女は俺の口の開いたバッグを覗き込んできたんだけど、まあ大したものは買ってないんで。
「へぇ メスティンか… これ中国製だから、バリ取りした方がいいよ。やすり持ってる?」
「バリってなんすか…?」
「加工した時に、金属の端っこがギザギザになるでしょ。国産品なら大体そのギザギザを処理してるんだけど、中国製だとそこまでやってないものが多いのよ」
「一つ賢くなりました…」
しずかさんは手にしたマットを棚に戻して、ちょっと真剣な表情に戻ってさ
「ねぇ…?」
「はい…?なんでしょう…」
「誰とキャンプに行くの?」
俺は慌てて、顔を逸らしながら、
「だ、大学の先輩とですよっ」
「へぇ…」
「な、なんですか?」
「その先輩と、2人で行くの?」
しずかさん、何でそんなにガンガンボディーをストレートで攻めてくるんだよ…
ラッシュされて俺はもうフラフラだよ。
「でもしずかさんも、クマさんと2人きりでキャンプなんですよね?」
俺はちょっと体勢を立て直し、カウンターのフックを仕掛ける。
しかし、しずかさんは俺よりも数枚上手だったな。
「ん?『しずかさんも…』ってことは天塚クン、キミはやっぱり、女子と2人で行くんだね?」
まいりました。すみません。ごめんなさい。
てか、やっぱりって 最初からバレてたのか?
「女子って言っても先輩だし年上だし、同じ大学だってことで繋がってるだけですからそんな変な関係では…」
「だよね。私も天塚クンと同じ大学だもんね。しかも年上…だしね~」
勝てないよ。しずかさん…
(続く
きっと、出会うな^^広いキャンプ場とは言え、きっと、4人のソロキャンプだね( *´艸`)
きっと鉢合わせするんですよね?
むしろ、してほしいですww
ちなみに、私が買ったダイソーのメスティン、
お米洗ってると手が切れそう!って思ってたんですよ。
バリ取りが必要ですね。
明日には読めるかな~~(^^♪
次はどうなるの?
未来に行って読んで来たーいヾ(⑉• •⑉)ノ”