日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ①
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2021/04/09 00:19:29
こんばんは!9日(金)は北陸から北日本の日本海側で雪や雨が降るでしょう。
その他の地域は概ね晴れますが、南西諸島は曇りで雨が降る所もある見込みです。
訪れるのは山梨の乾徳山(けんとくさん)。
落ち葉に覆われた森を歩き、険しい岩稜を登る山旅です。
冬枯れの
木立を歩く
静寂の森
月下
ナイトハイク
岩の峰
その頂へ
冬へ 美しき静寂の山
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山梨 乾徳山
一都四県にまたがる広大な山塊、奥秩父。
その南西部、甲府盆地を見下ろすように聳える乾徳山。
〇乾徳山(2031m)
俊とした姿の山は北西の方角を示す乾(いぬい)が名前の由来とされます。
〇乾徳山登山口(830m)
乾徳山の麓(ふもと)徳和渓谷(とくわけいこく)近くの
登山口でガイドさんと待ち合わせ。
おはようございます。
〇登山ガイド 中嶋和也(なかじまかずや)さん
「おはようございま~す。ガイドの中島です。よろしくお願いしま~す」
ガイドの中島和也さんは山梨の自然に魅せられ、
25年前、移り住みました。
奥秩父や八ヶ岳を中心に一年を通してマルチな活動をしています。
早速見どころを教えてください。
「そうですね、あの~、山頂からの眺めは勿論なんですけれども、
今の時期は木々の葉が落ちているので、とてもあの森が明るいですよ。
春や、あの紅葉の時期と違った、
あの~、凄く、あの~、魅力的な美しさが感じられる時期ですねぇ」
乾徳山を巡る一泊二日の山旅。
1日目
登山口を出発。
まず乾徳山ゆかりのお寺に参り、
そこから尾根ずたいに冬の自然を楽しみながら進み、
大平(おおだいら)高原へ。
爽快な景色を堪能し、避難小屋に宿泊、夜はナイトハイクを楽しみま~す。
2日目
冬枯れの森を歩き、眺望の開けた扇平(おうぎだいら)へ。
険しい岩場を登り詰め、垂直の壁に挑み、山頂を目指します。
帰りは徳和の登山口に下る、初心者も楽しめるコースです。
午前10時出発
いい天気、登山日和になったなぁ。
「青空がとても綺麗ですねぇ」
〇徳和山 吉祥寺
「こちらが吉祥寺ってお寺さんになります。
あの乾徳山とゆかりのあるお寺さんなので、
ちょっとお参りしてきたいと思いますね」
おお~、雰囲気ある~、歴史がありそうですねぇ。
「そうですねぇ、鎌倉時代建立といわれてますねぇ」
吉祥寺はかつてこの地を治めた武田家を守る為に建てられたお寺。
〇棟札
その後荒廃していた本堂を戦国時代の武将、武田信玄が再築したそうです。
〇武田信玄 永禄8年(1565)
どうか無事に登れますようにっ。
吉祥寺から徳和峠へ向かうこと15分。
〇道満(どうまん)尾根登山口(920m)
「さぁ、こちらが登山口になりますね」
徳和峠
乾徳山登山口
Mt Kentoku Trail head
(道満尾根)
(Doman Ridge)
「これからあの、道満尾根っていう尾根を上がるんですけども、
比較的明るい雑木林が広がってますので、楽しめると思います。
じゃあ行きましょう」
お願いします。
*撮影:11月末
まずは針葉樹の森を歩く。
「ここは杉、ヒノキの植林地なのでちょっと暗いですよね~。
まぁ、もう少し歩きますと、あの、広葉樹の森になるので
もっと明るくなると思います」
出発して1時間近く、森の景色が変わってきた。
「そうですね~、ようやく植林地が終わりましたんで、
ここから先は明るい森が続きます。
これが夏だとねぇ、あの~、木の葉がいっぱい付いてるので、
まぁ、他と同じく暗いんですけど、今の時期は明るいですね。
これが今の季節の良さですね」
なるほど~。
落ち葉のサクサクなる音が心地いい、それにしてもすっごい量。
「ほんとですねぇ、もう全ての葉っぱが落ちたんで
今の時期が一番落ち葉が多いですよね」
木がこんなに沢山の葉っぱをつけたんですねぇ。
「ん?」
何かありましたか?
「ちょっと面白いものがありますよ」
何ですか?
「これなんかに見えません?」
あっ、エビフライ。
「そうですね、エビフライにそっくりですよねぇ、これ何だと思います?」
何だろう?
「実はこちらですね大元は、赤松のマツボックリですねぇ」
〇アカマツのマツボックリ
「これ実はあの、リスが食べてこうなったんですよね」
へぇ~~。
エビフライの正体がマツボックリだったなんて。
リスは赤松の松かさを剥がしてその中にある種を食べるんだそうです。
それにしても面白い形、あははっ。
だいぶ緩やかになってきた。
「ちょっとこの木をご覧いただいてもいいですか?」
何の木ですか~?
〇クロモジ
「あの、クロモジっていう木になります。
あの、この木から爪楊枝を作る木なんですよねぇ。
ちょっとこの冬芽があるんですけど、
え~、真ん中のが葉っぱが出る葉っぱの芽になりますね。
で、両側のまあるいのが花の芽ですねぇ。
ちょうど今ね、冬に向かっている季節なんですけれども、
冬の語源ってご存じですか?」
冬の語源?
「はい、冬の語源は増えるからきてるといわれてます」
〇冬の語源 増える
*冬の語源は諸説あります
「で、何が増えるかというと、昔の人はこういう冬芽の一つ一つも
魂とみていたんですね。
こういった魂が増えるから増える。増えるがふゆるになったと」
〇ふえる=ふゆる=冬
冬芽が増える季節から冬か、素敵な語源ですね。
葉っぱの落ちたこの季節だからこそ見えてくるものってあるんだなぁ。
出発して2時間近く
「このままこの上に上がると山頂なんですけれども、
ちょっと寄り道をして行きたいと思います。
じゃあこちらへ行きましょうか?はい」
寄り道か~、何があるんだろう?
分岐を東に林道を進む。
歩くこと5分。
「開けましたね、こちらが大平高原になります」
〇大平高原
わぁ~、広々してる。
標高1300m程にある大平高原。
戦後まもないころに開拓され20年程前まで牧場があったそう。
牛や羊が放牧され、草をはぐ長閑(のどか)な風景が
広がっていたんだそうです。
「ちょっとこちらご覧ください」
わぁ~、真っ青な空に山が映える。綺麗~。
「もう殆どここが広葉樹林なので、
葉が落ちて、で、青空とのコントラストがとても綺麗ですよね」
枝の隙間から青空が透けてる。
「僕はこの冬の景色がとても好きですねぇ。
今の時期は色の美しさよりもこういった形の美しさっていうのが
良く分かりますよねぇ。
この時期ならではの美しさですよねぇ。はい」
大平高原を後にシラカバやミズナラの森を歩き、
再び乾徳山を目指す。
今回はこの辺りで終了と致します。
次回は避難小屋を目指しながら進み、
そして乾徳山の自然の恵み等をご紹介致します。
はい、映像で実際にみたのですが、白くて本当にエビフライに見えました。
自然界でリスさんが齧ってできたエビフライみたいに見えるのが
存在をするって不思議ですよね?
スーパー等で販売をされている冷凍のエビフライのようでした。