日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2021/03/26 00:30:46
こんばんは!26日(金)は北陸から北の日本海側で雲が広がり、
雨や雪の降る所がある見込みです。その他の地域は概ね晴れるでしょう。
輝く秋の森
発見!動物の痕跡
錦に染まる山肌
鼓動する大地
噴煙たなびく深秋の山
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那須岳
〇ガイド 菅原遊さん
菅原遊さんは関東各地で自然公園の運営に携わってきたネイチャーガイド。
三年前、那須の自然に魅かれ、移り住み、その魅力を伝えています。
*撮影:10月中旬
前回はテンが木登りをして何かしらの獲物を探した痕跡まで
ご紹介をでした。今回は動物が残す痕跡についてから始めます。
<山旅スタイル> 山のフィールドサイン
〇山のフィールドサイン
野生動物が残す爪痕、フィールドサインについて教えてもらおう。
「フィールドサインを見つけることで
山歩きの楽しみがプラスアルファで増えるんじゃないかな。
食べ痕もそうだし」
〇フィールドサイン
食べ痕・足跡・ふんなど動物の痕跡
「あとは足跡とか、え~、ふんもそうですね。
いろいろな動物達がそこにやってきたことを
うかがい知れる痕跡」
この木に残っていたのはツキノワグマの爪痕。
青肌の木の実を食べるため、爪を立て登ったのです。
登山道に残るヒヅメの痕。
ニホンジカが夜中に食べ物を探して歩き回ったようです。
「実際に見かけることは出来なくても
その存在を身近に
感じることができる情報源。
何をしているのか?」
木の実を食べた痕から分かることも。
〇二ホンリス
リスはクルミのからをかじってすき間を作り、
歯を差し込んで半分に割る。
〇アカネズミ
ネズミは鋭い前歯でからの横に穴を開ける。
〇イノシシ
猪は丈夫な奥歯でかみくだく。
様々な動物が残す痕跡、
フィールドサインを見つけて山歩きを楽しもう。
登山口から3時間、爽やかな秋晴れのもと、
標高1600m近くまで登ってきた。
あれ?木の背丈が低くなった。
周りの雰囲気が随分変わってきたなぁ。
「もう間もなく姥ヶ平の中心部に着きますよ~」
〇姥ヶ平(1600m)
わぁ~、この景色凄~い。
「お~おおお、綺麗ですねぇ」
やった~、紅葉の見頃にぴったり合った。
「周りがねぐるっと山並みなので、そのままね、山並みに囲まれているような
シアターみたいな雰囲気ですよね」
ダケカンバやカエデが織りなす錦の森。その先に噴き上がる噴煙。
そして山頂部の溶岩ドームがそそり立ってる。
流石人気の紅葉スポット、賑わってるなぁ。
菅原さん、どこへ?え?何?
〇奪衣婆(だつえば)
「奪衣婆というあの~、おばあさんの石像ですね。
これがこの地名の姥ヶ平の由来になっているものです」
〇姥(うば)=おばあさん
姥はおばあさんのこと。なぜ?地名に?
「三途の川の畔(ほとり)にいて亡くなった後に
一番最初に出会う地獄の役人だといわれています」
っていうことは、ここが地獄の入り口?
天空の楽園のような山腹の紅葉、その先に聳える荒々しい火山。
この風景、まさに地獄との境って感じですね。
登山口から4時間、姥ヶ平を後に三つ目の自然、火山帯を登って行く。
足元のゴロゴロした岩は火山岩。
目の前にそそり立つのは巨大な溶岩の塊(かたまり)。
「あそこのあの枯れた木」
高さ10mはありそうな枯れ木だ。
「実はあの~、見えてる那須岳、
約140年ぐらい前に大噴火をしているんですけど、
その時に枯れてしまった木の名残りが見えてる枯れ木ですね」
火口近くのこの一帯の木は、火山灰が降り注いで焼けてしまったんですって。
「なので我々が見ている紅葉はその枯れてしまった後にまた復元してきている
あの木々の紅葉ということになります」
そうなんだぁ。
140年前噴火するまではこの辺りには大きな木が生えた森が
広がっていたんですねぇ。
ここで山旅スケッチ。
<山旅スケッチ> 火山が造った自然
噴火を繰り返してきた那須岳。
140年前を遥かに上回る規模の噴火が何度もありました。
最大規模のものは1万6000年前、火砕流や溶岩流は広い範囲に及び、
那須高原のほとんどを覆いつくしました。
〇神明鏡 天文九年
室町時代に起きた噴火の様子は古文書に記されています。
応永15年1月18日、那須山が噴火し空から硫黄が降ってきた。
二年後の1月21日、また噴火。
この時の噴火口から流れ出た溶岩によって山頂部のドームが出来ました。
火山岩などに覆われた大地は耕作などに適さず、
那須駒と呼ばれる馬などの放牧地として利用されました。
〇那須駒
〇那須御用邸
大正15年那須の御用邸が造られました。
それによって1200ヘクタールを超える
広大な土地が自然のままで残されたのです。
100年近く人の立入が制限されたことで豊かな森が復活。
800種近くの植物が生い茂り、3000種を超える生き物が確認されています。
〇那須平成の森
丸子哲平さん
「この森は枯れてる木も、え~と、その枯れてる木が
え~、役に立つ。枯れてる木もそのまま残す。
キノコができたりとかって
その自然のサイクルが作り出されるので
ありのままの姿、それが一番自然らしくて
美しいっていう風に昭和天皇も考えられていまして、
我々もその考えを引き継いで森を管理してます」
10年前、御用邸地の半分が一般に開放されました。
破壊と再生、地球の営みによって
もたらされた那須の森が広がります。
今回は山旅スケッチのここで終了と致します。
次回はここ火山帯の所からいよいよ那須岳山頂を目指します。
現在はといいますとお月様、お星様が出て綺麗ですよ。
どうもお疲れ様です。
ああ~、なるほど~そうですね。
例えばですが野兎や狐などの足跡がある場所もありますものね。
流石ですね、どうもありがとうございます。