Nicotto Town



エデンと蛇。第一章 1



 分厚いコンクリートの個室にいるアルファは窓から見える中庭の木にいる鳥の数を数えている。
 画像で記憶できる能力のためこういうことには有利だ。
12羽・・・
昨日より多い。
春が近いのかな?
アルファは始まりの子と揶揄されるのはこのエデンという施設で長子だからだ。
女の子と言いたいが20歳では子供ではない。
ブザーを鳴らした。
職員を呼んだのだ。
看護師の美々さんはアルファより若い。
19歳の新人の子だがそれでも子供がいるらしい。
美々「またスケッチするの?」
スケッチブックと120色の色鉛筆を持ってきた。
アルファ「うん。でもできれば道具は私がずっと持っておきたいんだけど・・・」
美々「・・・駄目よ。鉛筆は凶器にもなるでしょ?」
アルファ「ずーっとこんな檻みたいな場所に閉じ込めておくからじゃないの?
何がしたいの?蛇の人たちは」
美々「知らないけど・・・そういう指示なの。あ、・・・絵、私にも見せてよ。
・・・うーーーん。細かく描けてはいるけど描写は独特ね」
アルファ「記憶力は自信あるんだけどね。でも腕が細かく動いてくれない。
私の症状、サヴァン症候群だって?その資料私にも見せてよ」





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