Nicotto Town



「 Viaggiatore」~旅人~第2話


第2話「出会い」
「出会い」

8月に入ると月曜日から金曜日までは、
午前中パソコンでチャート画面を眺めながら FX をした。
午後からと土日は、図書館で受験勉強した。
大学に行くお金ができたから 僕は大学に受験することにしだ。
国公立大学を目指すつもりだったのでFXをする時間以外は猛勉強をした。
昔から記憶力が良かったので勉強は、好きだった。
その図書館で僕は、大森泉と出会った。
泉も僕同い年で 一人で受験勉強をしていた。
四人がけの同じテーブルで 何度か顔を合わす数うちに、
最初は目で挨拶していたが、
次第に「おはよう」とに声を掛け合うようになった。
そんなある日泉が、「海くん分も弁当を作ってきたから一緒に食べよう」と 誘ってくれた。
図書館の外にある木陰のベンチで 二人でお弁当を食べた。
図書館では会話はなかなか出来なかったが、 ここで二人は改めて自己紹介して色々自分のことを話した。
彼女は、神戸の樟蔭学園と言う私学のお嬢さん学校に、中学・高校と通っていた。
長い黒髪をツインテールにして、肌は透き通るように白かった。
いつもふわっとした上品そうな ワンピースを着ていた。
僕の通ってる公立高校にはでは見ない上品な美しい人だった。
大学と大学院まであるので受験勉強は、しなくてもいいはずなのに彼女は毎日図書館で勉強していた。
「勉強が好きなんだね そのまま神戸樟蔭大学に行くの」 と僕は尋ねた。
「私、東京の大学に行きたくて受験勉強しているの」
「どこの大学受けるの」
彼女は、東大を受けると言った。
その瞬間に僕の第一志望の大学が決まった。
「海くんはどこ大学受験するの?」
僕は、きっぱり「僕も東大」と言った。
西宮の公立高校で 現時点ではとても東大に行ける成績ではなかった。
FX をする時間を短縮して僕は勉強に打ち込んだ。
夏休みが終わると 彼女ともう会えないのかと思っていたら、
「家だとあまり集中して勉強ができないから
 2学期になってもここで勉強するから 海くんも一緒に勉強しよう」
泉がそう言ってくれたので僕はほっとした。
家は、お互いこの図書館に近かった。
図書館の休館日以外は毎日一緒に勉強した。
平日FXは、席を外してスマホから注文をしていた。
東大に行くとなると東京での生活をする
お金も稼がなくてはいけない。
東京は家賃も高いし物価も高いので
勉強も大変だがお金を稼ぐのも大変だった。
ひょんなきっかけから 東大を目指すことになった僕は、
泉と毎日一緒に勉強できることもあって充実した夏休みを送った。
夏休みの最後の日僕たちは 初めてデートすることになった。
「受験日までもう遊べないから 夏休みの最後の日にデートしよう」
「海くんと USJ で1日遊びたいな」と泉は、言った。
8月31日の日に 開門の30分前に USJに僕たちはいた。
僕が家でUSJ に行く話をしたら 妹の早紀は私も連れて行ってとわがままを言った。
よく考えると僕は小さい時に母親に連れて行ってもらったが、
妹は物心ついてからは、USJに入ったことがなかった。
泉にその話をしたら快く連れてきてと言ってくれた。
「中学生にもなって高校の兄貴と一緒に USJ 行きたいかなぁ」と僕は、思った。
「せっかくの二人っきりの初めてのデートなのに」思っていたが、
泉と早紀はとっても仲良くなって 僕と泉の距離も縮まったような気がした。
泉も歳の離れたお兄さんがいた。
妹ができたみたいでとても嬉しそうだった。
泉は、家でのボクをの事を早紀から情報収集をしていた。
早紀は何から何まで泉に話していた。
僕は「勘弁してくれよ」と心の中でつぶやいた。
夜のパレードまで見て 楽しい一日が終わった。
泉を家まで送って早紀と一緒に家に帰った。
早紀にお小遣いを渡しといたらお母さんに、いろいろお土産を買っていた。
お母さんは目を細めて喜んでた。
「海の受験が終わったらお母さんと 泉姉ちゃん呼んで4人で行こう」
お母さんはちらっと僕を見て
「泉ちゃんって 彼女?」 と聞いた。
「また早紀はいらんことを言ってもう」 と心の中でつぶやいた。
「図書館でいつも一緒に勉強してるんだ。 夏休み勉強頑張ったから
 最後の日は遊ぼうよということになって一緒に行ったの」
そう答えると、
「ふーん」
と言って 母はニヤニヤしていた。
2学期に入って学校が終わると着替えて勉強道具を持って僕は図書館に行った。
いつも僕が少し先に図書館に着いていた。
月曜日と第1木曜日が図書館の休館日だった。
彼女は月曜日と水曜日には塾に行っていた。
それ以外は毎日一緒に図書館で勉強した。




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.