Nicotto Town



「スローターハウス5」

カート・ヴォネガット・ジュニアの「スローターハウス5」を読み終わったので報告です。

カート・ヴォネガット・ジュニアは、「タイタンの妖女」(以前日記で紹介してます)ですっかり好きになってしまった作家なのですが、

今回のお話は、主人公が異星人にさらわれたことで、自分の生涯の間の時間を行ったり来たりすることになってしまいます。
従って、物語も時間が行ったり来たりします。
なので、ある意味とても分かり難いストーリーとなっています。

投げやりな登場人物たち(描写も投げやり)と、何が起こっても、主人公の口癖「そういものだ」(So it gose.:訳者あとがきより)が、何をかいわんや…です。
よく考えてみると、実は投げやりとはちょっと違うのですが…。

先者自身の戦争体験が元になっているとのこと。
特に、ドレスデンの無差別攻撃が、話の中心にあります。(作者は米国人ですが、捕虜として、ドレスデン攻撃の被害者側だった様です。)
ドレスデンの無差別攻撃は、日本ではあまり有名ではないかもしれませんが、第二次世界大戦において、ドレスデンは、イギリス、アメリカ連合軍により、無差別攻撃を受け壊滅しています。控えめな推計値で死者は十三万五千人。

私は、たまたま数年前にドレスデンを訪れており、再興された(「ヨーロッパ最大のジグソーパズル」と言われた復旧工事)素晴らしい街並みと、ドイツ料理を堪能しました(もちろん、仕事で訪れたので、仕事の合間に堪能したのです)。
その際、向こうで再会した英国の友人であるスティーブが、自国の人たちが壊滅させてしまった都市が、壊滅前の状態とほぼ同じに再建された街並みを、とても感動して見ていたのが印象に残っています。

何だか本の話から、ズレてしまいました^^;

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2020/12/29 02:42
全日本フィギュアのエキシビション観ながら……夜分に失礼します(๑>◡<๑)

そうです!ドイツ南西の端っこのフライブルク・イム・ブライスガウ(Freiburg im Breisgau)です(^ω^;)
音楽大学で教鞭をとる友人が居るので、遊びに行ったのですが、かなりの田舎町でした。(私は好きだけど)
友人の奥様が菜食主義者のアメリカ人で、滞在中あんまり外食せず、おうちで日本料理講習会の日々でした(≧▽≦)

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2020/12/27 23:05
はみさん、
ドレスデンはとても奇麗な街です、コロナで渡航が難しいですけど、
訪れる機会があれば、是非行ってみてください。
定番の教会やお城などの観光から、世界一美しい牛乳屋とか、フォルクスワーゲン工場見学、少し足をのばせばマイセンまで行けます。
街で唯一のバームクーヘン屋とか、一年中シュトレンを売ってる店とか、スイーツの美味しいカフェからリーズナブルなレストランなんかもご紹介しますよ(情報はどんどん古くなっていってしまいますけど)。


りゅぬさん、
アイロニカルで分裂気味な語り口とは、言い得て妙ですね。ややこしいけど面白く哀しい世界に、もう少し、いくつかの作品に触れてみようと思ってます。

映画化されているとは知りませんでした。しかも、ジョージ・ロイ・ヒル監督とは…是非観ないといけないですね。探してみましょう。

ドレスデンの中心部は小さな街なので、仰る様に、聖母教会も、ドレスデン城も、君主の行列も観てきました。

フライブルグとは、これまた地方ですね^^ 
ドイツとスイスとフランスの国境辺りでしょうか。そちらの方は全く手付かずです。
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2020/12/27 11:52
あ、すみません、フリブールはフランス語読みで、フライブルグの事ですm(_ _;)m

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2020/12/27 11:40
すべてはフィクション、高尚な目的なんか持たない。
その最たる存在である政治家なんかが作った虚構を
信じたり振り回されたりしないよう……

人間の愚かさをこれでもか、と炙り出すアイロニカルで分裂気味な語り口は、
ややこしいけど面白く哀しく、どういうこと?と読み進めさせるし。

さえずるしかできない無力な『坑道のカナリア』は、しかし
多くの作家や学者などジャンルを超えて今なお強い影響を与えていますよね。

ドレスデン、フラウエン教会に行かれたんですね!ヾ(๑╹ヮ╹๑)ノ"
私はドイツには入ったものの、地方のフリブールにしか行ったことないんですよ(^ω^;)

それにしてもドイツ系アメリカ人であるヴォネガットの複雑な胸中が偲ばれます……

『スローターハウス5』はジョージ・ロイ・ヒル監督の映画も良かったですよね。

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2020/12/27 10:04
わあー ドレスデンって本当に綺麗な街並みで、行って直接見てみたい場所の
ひとつですが(海外に行けると思ってないので、夢なのですが)、壊滅した過去が
あるなんて、ちっとも知りませんでした。美しい街並みの裏には、色んな出来事が
あったんですね...。戦争って、本当に何でも破壊してしまって、良くないですね。
本には興味を惹かれなかった(ごめんなさい;)ですが、非常に興味深い日記でした。



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