Nicotto Town



「君の瞳の奥に・・・」つづき


「僕の誕生日」

彼女から次に連絡があったのは、僕の誕生日の一週間前だった。 
僕の誕生日は10月15日。 
その日は、ちょうど仕事が休みだった。 
彼女は、有給を取って僕に料理を作ってくれると言った。 
当日 西宮ガーデンズで食材をいっぱい買って 買い物袋抱えて彼女がやってきた。 
「前菜とデザートは私だから」 と言って、冷蔵庫に食材をしまったら 
僕たちは、ベッドに入った。 
僕は前菜だけでもいいやという気分になった。 
彼女は、「ランチはパスタとサラダを作るね」と言って台所にいった。 
僕はそのままベッドで眠りたかったが、 
彼女が料理をする後ろ姿が見たかったのでソファーで座った。 
素早くパスタとサラダを作った彼女は、「ダーリンできたよ」とテーブルにお皿を運んだ。 
僕たちは、並んで座って料理を食べた。 
パスタは、きのこのクリームソースだった。 
サラダにかかってるドレッシングは、彼女のオリジナルで家で作って持ってきた。 
幸せな時間が流れている。 
午後から彼女が高校時代にマーチングバンドで 演奏している DVD を見せてくれた。 
華奢な体に ドラムが五つもついている打楽器を 首から吊るして 叩いていた。 
背筋がまっすぐで 統一された 動きでとてもかっこよかった。 
DVD を見終わると 西宮ガーデンズに散歩がてら行かないと彼女が誘った。 
僕のマンションから歩いて行けるところにあるので、 
一緒にウィンドウショッピングに行った。 
特にどっかの店によるわけでもなく、 
彼女は、僕の腕にぶら下がってブラブラと歩いていた。 
僕たちは、家へ帰った。 
家に帰ると彼女は、「先にケーキを焼くね」と言って台所にいった。 
僕は、キャンディ・ダルファー のCD を聴きながら 
ソファーに座って彼女の料理をする後ろ姿をぼんやり眺めていた。 

ホイップを作った彼女はいちごに塗って僕の口に放り込んだ。 
「いちごホイップと私のキスどっちが好き」と彼女は、悪戯っぽく笑っていた。 

彼女はステーキとポテトサラダを作ってくれた。
彼女は今日僕の家で泊まると言っていたのでワインを一緒に飲んだ。
31歳の誕生日を素敵にしてくれた彼女に感謝を伝えた。
彼女は、食べたものを片付け台所を 手際よくきれいにした 。
僕達は彼女が焼いてくれたケーキを食べた。
ケーキを食べ終わると僕たちは、踊った。
彼女が、僕と踊りたいと言ったからだ。
踊りながら何度もキスをした。 




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