Nicotto Town



「君の瞳の奥に・・・」つづき


「大阪ブルーノート」

次に彼女から連絡があったのは1ヶ月後だった。 
「キャンディ・ダルファー サックス奏者のライブが、大阪ブルーノートである」 
「チケット取れたので、一緒に行こう」 
と僕を誘ってくれた。
彼女は、吹奏楽部の時に打楽器担当だったが本当はサックスが吹きたかったらしい。 
演奏は素晴らしいものだった。 
 僕は特に「My Funk」と「sax-a-go-go」 この2曲が気に入った。 
彼女は、今日は僕の 家に泊まると言っていた。
僕が住んでいたのは、西宮北口の駅前の分譲マンションだった。 
そんなに酔っていなかったので阪急電車に乗って僕の家まで行った。 
彼女は、大学を卒業して就職のために 大阪市内に住んでいる。 
僕たちは、部屋に入るとすぐベッドに入って激しく抱き合った。 
シャワー浴びて ブルーノートで買った、 
キャンディ・ダルファー のCDを聴きながら ワインを飲んだ。 
3LDKの僕の部屋を彼女は、とっても気に入ったみたいだ。 
特に今座ってるソファーが気に入っていた。 
僕もこのソファーは気に入っている。 
とっても座り心地が良かった。 
彼女は、CD を聴きながら踊った。 
「私、踊るの久しぶりなの」 
「社会人になってこっちに来ても 地元に帰るとチームのみんなと踊ってたの」 
そう言って楽しそうに踊っていた。
彼女はとてもダンスがうまかった。 
今日の彼女は会った瞬間からずっと楽しそうだった。 
大好きなキャンディ・ダルファーのライブで聴いたからかもしれない。 
もう一度僕たちはベッドに入って抱き合った。 
僕が目覚めるとベッドに彼女はいなかった。 
彼女の甘い香りの代わりに美味しそうなトーストの匂いがした。 
彼女が僕を呼ぶ声が聞こえた。 
僕は、歯を磨いて顔を洗ってダイニングに行った。 
彼女は、ホットサンドとコーヒーを テーブルに持ってきて、僕の隣に座った。 
僕たちはキスをしてから 朝食をとった。 
ホットサンドはとても美味しかった。 
「どう?毎朝ホットサンドの朝って」 
彼女はくすくす笑いながらそう言った。 
僕は、今日は休みだったが彼女は有給を取って休んでいた。 
彼女は、「海くんと海に行きたかったんだ」と言ったので 
朝食をささっとすまして 
昨日買ってきた キャンディ・ダルファーのCD聴きながら、ドライブをした。
明石大橋を渡って淡路島まで行った。 
途中舞子を超えたあたりにお洒落な明石大橋が見える 
海沿いのカフェで僕達は、ラテを飲んだ。 
初夏の真っ青な空、海は、太陽の光でキラキラしていた。 
淡路島の五色浜を僕たちは車を 駐車場に止めて歩いた。 
彼女は、ステップを踏んだり スピンをしたり 踊りながら歩いていた。 
太陽の光のように彼女の笑顔は、キラキラしていた。 
平日だったので 人気はまばらだった。 
こんな陽気で 快活な彼女にあの日は何があったんだろう。 
それを考えると僕の頭は混乱した。 
僕の手を取ってスピンをした 彼女が少しよろけた。 
僕が抱きしめると 嬉しそうにニコニコ笑っていた。 
 
夕食は、神戸、 御影にあるザ・ガーデン・プレイス 蘇州園で食事をした。 
ここは、豊かな自然環境に恵まれた土地で 
明治の時代より、各界のセレブリティが居を構える閑静な邸宅地。 
1600坪もの広大な敷地、昔は中華料理店だった。 
今は、結婚式もできるフレンチレストランになっていた。 
僕は、車で来てたのでワインが飲めないのが、残念だったが食事は素晴らしかった。 
1品ずつゆっくり 料理が出てくるので 、ゆっくり美味しい食事を楽しめた。 
彼女は美味しそうにワインを飲んでいた。 
デザートのアイスクリームとカプチーノを飲んで店を出た。 
僕の家に帰ると 別れを惜しむように僕たちは抱き合った。 
眠そうな彼女を車で、彼女の家まで送った。 
車の中では彼女は気持ち良さそうに寝ていた。 
家の前につくと僕は彼女を起こして荷物を持って彼女の部屋に行った。 
玄関前でキスをして僕たちは別れた。 




Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.