Nicotto Town



「君の瞳の奥に・・・」


「レミー」

3月に入って彼女から会社に電話があったのが 
出会ってから3ヶ月経ってからだった。 
お礼にご馳走したいといって待ち合わせの店の場所と時間を教えてもらった。 
彼女が指定した店は、大阪の北堀江にあるおしゃれなイタリアンの店だった。 
コース料理を注文して パスタとドリンクと デザートだけ 僕たちは選んだ。 
お互い自己紹介をした。 
彼女の名前は、海原麗美、「友達からは、レミーと呼ばれいる」 
と言った
彼女はこの辺に勤めているOLで年は、24歳。 
綺麗な顔立ちをした。 
肌が白く静脈が浮き上がっていた。 
ずぶ濡れで目を真っ赤にしている彼女の顔しか僕は覚えていなかったので 
あまりに素敵な女性なのでびっくりした。 

彼女は、あの日の話題は避けて よく喋った。 
高校時代吹奏楽部に入っていて マーチングバンドで 金賞も取ったといっていた。 
彼女は打楽器担当でパートリーダーをやっていた。 
僕は目を閉じて 想像してみた。 
今の彼女から 打楽器を持って マーチングバンドの服を着て歩いてる姿が想像できなかった。 
レミー のおばあちゃんは、茶畑農家だった。 
忙しい両親の代わりに おばあちゃんに育てられた。 
小さな時から歌とダンス 大好きな女の子だった。 

中学生の時にドラムを 誕生日に買ってもらってから 
勉強するよりもドラムを叩いている時間が、長かった。 
高校卒業して大学生から今まで 高校時代の同級生と 
「Team LOVERS」というダンスチームを作って踊っていた。 
YouTube でそこそこ人気のあるダンスチームだった。
3か月前に彼女はダンスをやめた。 
ちょうど僕と出会った日から止めたらしい。 
「私のあだ名がレミーだからあなたはシーちゃんね 」 
そう言って彼女は笑った。 
結局あの日に何が、あったか 分からないまま
次は、僕が店を選んで一緒に食事する約束をして店を出た。 
僕は、彼女を「送るよ」と言ったが、 
彼女は、一人で大丈夫と言って帰って行った。 

初めて会った時と違って彼女は、よく食べよく笑いよく話す快活な女性だった。 
たぶん彼女に初めて会った日に、僕の心の全てを奪れていた気がした。 
そして、2度目に会ってそれを確信した。
次は、僕が選んだ店でデートする予定だったので
僕は、彼女からの連絡を待っていた。 




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