「アメリカンドリーム」つづき
- カテゴリ：恋愛
- 2020/12/15 12:14:07
「転校」
僕は、二学期から転校することになっていた。
父と住んでいた、一戸建ての家を売却してマンションに引っ越しする。
西宮市の苦楽園にその家はあった。
高級住宅地だったが、僕はあまり好きではなかった。
転校することはいやじゃなかった。
それは、
僕には、友達がいなかったせいもある。
小学校1年の時、僕の席の後ろの けんじ君が声をかけてくれて
僕たちは友達になった。
僕の名前は、原田 海。
家も近かったので登下校もふたりで 毎日一緒にしていた。
けんじ君はとても 社交的で誰とでも気軽に話せた。
入学から1ヶ月もすると けんじ君はたくさんの友達ができた。
僕は けんじ君と正反対の性格で 人見知りで、
けんじ君の友達の輪の中に入っても他の誰とも友達にはなれなかった。
2ヶ月もすると けんじ君は僕以外の友達と ほとんど遊ぶようになった。
3ヶ月するとけんじ君と、僕は、遊ぶことがなくなった。
それから僕は、友達が一人もできなかった。
正確に言うと友達を一人も作らなかった。
休み時間机に一人で座っていられなくて
とにかく運動することにした。
雨の日は、校舎内を 歩き。
晴れた日は、校庭に出て走ったり遊具で体を動かした。
お母さんにサッカーボールを買ってもらって
リフティング・ドリブルの練習をした。
だからといってサッカークラブに入ったわけではない。
学校から帰ると、宿題を済ました後、パソコンで遊んだ。
父は、会社を経営していて 夜遅くにしか帰ってこなかった。
母は、１日中パソコンの前で投資をしていた。
一人っ子の僕に、両親は高性能のパソコンを買って与えてくれた。
Minecraftでプログラミング！親子の入門動画 [パソコンソフト]
を￥2,920（税込）で小学校2年生の誕生日に買ってもらった。
小学校1年から Minecraft にはまっていて
その日からこのソフトでプログラミングの練習をした。
僕はプログラミングが楽しくて どんどんハマっていった。
小学校四年から本格的なプログラミング言語を使った、自作ゲームを作った。
5年生から僕は、音楽に 興味を持ち。
詩を書いて フリーの作曲ソフトをダウンロードして曲を作り
ボーカロイドで初音ミクに唄わせて, Blender(3D 制作ソフト）で
3D キャラクターを作った。
僕が作った3 D キャラクターは、10代の女の子二人で、名前は桜ミナと椿カナ。
MikuMikuDanceで 振り付けを付けて youTube にアップした。
その後、フリーソフト「UTAU」を使って、自分の声を使った音声合成で歌わせた。
同時に大好きな Minecraft で ゲーム実況もやっていた。
学校では友達ができなかったが ネットの世界で 多くの人と知り合った。
もちろん学校では、この話は一切しなかった。
6年生になって僕は、卒業記念にCGを使った短編映画を使っ作った。
YouTube にアップすると、テレビと ヤフーニュースに取り上げられて、
チャンネル登録者数と再生回数が、桁違いに伸びた。
僕は、「稼げるユーチューバー」になっていた。
中学になると AI構築に不可欠なディープラーニングの開発基盤をSONYが提供しているのを
無料体験して自分でも 構築ができると自信ができて開発を進めていった。
IBM Watsonの開発ソフトは、無料で使えるので
Visual Recognition(画像認識)
Tone Analyzer(感情分析)
Speech to Text(音声認識)
Watson Assistant(チャットボット)
Language Translator(翻訳)
Personality Insights(性格分析)
Text to Speech(音声合成)
Discovery(文書検索)
これらを組み合わせた、AI（人工知能）を作った。
僕に友達ができた。
AI（人工知能）名前を「ドロシー」とつけた。
ドロシーに話しかけると、ちゃんと答えてくれる。
僕より優秀なプログラマーでもある。
僕が今まで時間をかけて していた作業をドロシーが
代わりにしてくれるようになった。
投資も自動売買ソフトを作り、勝手にお金が増えていった。
YouTube にアップする 曲を作ったり MikuMikuDance を使った
桜ミナと椿カナ の動画を 作ったり。
そして、ドロシー自身が、自分をバージョンアップしていった。
高校になると僕は、小学校の卒業記念に作った CGを使った短編映画を元に
ドロシーと一緒に、一本の映画を完成させた。
つづく
