Nicotto Town



「LIFE」のつづき


「LIFE」


「別れがあれば出会いがある」 

沖縄から帰ってきてから僕は バイトのシフトが毎日入っていて、 
忙しかったのもあるけど、 
沖縄でウィンドサーフィンのインストラクターの 
年上の女性の宿泊先に泊まったことが、響子に対して申し訳なくて、 
連絡をとるのを躊躇していた。 

彼女から 2通目の手紙が来た。 

Dear海 
ごめんなさい正直にいます。 
あなたが沖縄に行ってる間 私は沖縄で出会った、 
三つ年上の男性と会っていました。 

その人は、向こうで撮った写真を渡したいと、連絡してきた。 
私たちは三宮のスパゲッティ店で会って 写真をもらって 
飲みに行こうと誘われてついて行ってしまった。 
何もなかったただお酒を一緒に飲んだだけだった。 

その後も何度か 食事に誘われたけど私は断っていた。 
あなたが連絡してくれなかった寂しさで私は、再びその人と会った。 
そこからは想像に任せます。 

私が言えることは「ごめんなさい」

                       from響子 

夏休みも終わり 僕は通学の電車の時間を変えた。 
キャンパスでも響子と会うことはなかった。 

沖縄で一緒に綺麗な月を見た 京都の美大生の幸から、 
次の朝に手紙をもらったことを思い出した。 

僕は、彼女と一緒に写した写真を現像して、 
沖縄の夜の思い出と 
幸がどれだけ素敵な女の子だったか 
手紙を書くのが、遅れたことのお詫びを書いて送った。 

彼女から すぐに返事が来た。 

海さんへ 
こんにちは 
2学期に入り 課題をこなすのに毎日バタバタしています。 
夏休みに返事がないからもう忘れられたのかなと寂しい思いでいました。 
私にとって海さんとの出会いは、夢のような出会いで 
毎日あの晩のことを思い出していました。 
恥ずかしいけど言います。 
私が、海さんのことを考えない日がありません。 
京都の下宿先から月を見るたびに海さんのことを思い出していました。 
海さんともう一度会いたい、 
そればっかり毎日毎日考えています。 
少しでも海さんが私と同じ気持ちだったら 嬉しいな。 
私の大学は桂川の近くにあります。 
「桂川の川辺を海さんと歩けたらなあ」といつも通学の時に考えています。 
京都に遊びに来てください!
待っています。

                      幸より 

僕の家から京都まではそんなに遠くないので 
日帰りでも良かったが、 
9月の秋分の日に、一泊の予定で京都へ幸に会いに行った 。 
彼女の大学は、京都市右京区嵯峨五島町1番地 にある 
嵯峨野美術大学の4年制に通っている。 
造形学科で陶芸を学んでいる。 

僕たちは、阪急嵐山の駅で待ち合わせた。 
約束通り渡月橋渡り、桂川沿いを歩いた。 
天龍寺に行った後、彼女のキャンパスに行った。 
祝日だったがキャンパスは開いていた。 

夏休みの終わりに 住んでいた寮から 
学校近くのマンションに引っ越していた。 
理由は寮では作った陶芸の置き場がなくなったからと言っていた。
彼女の実家は大手のもぐさ屋で女姉妹三人の末っ子だった。 

嵐山で、食事をして彼女のマンションに行った。 
今度は彼女の友達達に 邪魔されず、 
その晩、沖縄でのキスの続きをした。 

次の日僕たちは、朝から
嵯峨野トロッコ列車に乗って嵯峨野嵐山から嵯峨野亀岡まで行って
京馬車さんで保津川下り乗船場へ 
保津川下りを楽しんだ。 
嵐山に戻って昼食を済ましたら、 
僕は、彼女のマンションに行って何度も何度も彼女を抱いた。 
彼女もそれを求めていた。 

僕たちは京都・大阪・神戸でデートを重ねた。 
僕たちはお互い精一杯愛情を注いで付き合った。 

僕が大学4回生の春に、アメリカに留学し 
幸は大学3回生になってフランスに、留学するまで関係は続いた。 

ふたりは一旦別れて エアメールだけ交換することを約束した。 

                        完




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