Nicotto Town



「LIFE」のつづき


「LIFE」


「真弓と響子」 

沖縄から帰って、しばらく僕は、彼女と連絡を取らなかった。 
そして彼女から手紙が来た。 

Dear海 
沖縄から帰ってきて ちっとも連絡をくれないね。 
なぜ? 
そう聞くと二人が終わってしまう気がする。 

私は、あなたの忠告を聞いて沖縄に行かなかったら 
よかったと後悔しています。 
私が、沖縄に行かなかったらあなたも行かなかった。 
 
ちょっとしたことで泣く私をあなたはいつも優しい笑顔で 
泣き止むまで一緒にいてくれた。 
わがままばっかりであなたをいつも困らせていた。 
でもあなたは、「わかったわかった」と言って、私のわがままを聞いてくれた。 

初めてあなたから、お願いされたことを 私は聞かなかった。 
だからバチが当たったの。 
あなたから連絡くるのを待ってます 

                     from響子 
 
響子は、同じ高校の一つ下の学年だった。 
僕が高校3年の夏休みに、響子の同じクラスで友達のバスケ部だった真弓と付き合った。 
付き合っていたけど僕は、受験勉強、真弓はバスケ部活でなかなかデートする時間はなかった。 
それでも僕たちは 手紙のやり取りをし、お互い時間が空いた時は必ずデートした。 
僕が高校卒業するとますます彼女との時間が、なくなった。 
今度は、彼女が受験生 僕は、学校とバイトが忙しかった。 
彼女が大学に合格してしばらくしたら 
彼女から手紙が来た。 

海 へ
こんにちは! 
私が、高2の時に 海に一目惚れして、 
そのことを 同じ野球部の 同級生に 話をしたら 
ひょっとしたら 海の耳にも入るかなと思った。 
海が、野球の夏の予選の最後の試合に負けた日に 、
打ち上げをしてる店の横を偶然私は、自転車で通った。 
海は、店から出てしょんぼりと自動販売機の横で座っていた。 
私は、勇気を出して初めて海に声をかけたね。 
海は、私のこと知ってくれていた。 
「海先輩」 
私が話しかけると、 
「真弓ちゃんだよね。今日試合負けたんだ」 
海は悲しそうに言ってくれたね。 
私は海の横に野球部の後輩が呼びに来るまで
黙って座っていた。 
かける言葉が見つからず ただ海のそばにいてあげたかったから。 
 
次の日海から電話があって私に、告白てくれた。 
あの時私が、あそこをお通りかからなかったら 
海に、話しかけなかったら 
私達は付き合ってなかったかもしれないね。 
お互い忙しくすれ違いの時間が多かったけど、 
海との思い出が私を元気にしてくれた。 
海のことが、大好きだったし、そんな自分も好きだった。 
「会えない時間が愛を育むんだ」と手紙で書いてくれた。 
あなたのまっすぐさ、が大好きでした。 
守谷
同じ大学の先輩に 何度も告白されて断っていました。 
でも私、寂しさに耐えれなかった。 
ごめんなさい 
後悔するのはわかってます。 
でもあなたを裏切った私は、あなたと一緒に居ることは出来ません。 
とても会って話すことはできないので、手紙にしました。 
今まで本当にありがとう。 
海の幸せを心から 祈っています。 
さよなら・・・
 
                       from真弓 

三度読み返してやっと 僕たちは終わったんだと思った。 
僕は、返事を書かなかった。 
真弓から手紙が来たのはゴールデンウィーク前だった。 

ゴールデンウィーク明けに僕が、友達と待ち合わせしている喫茶店で響子と出会った。 
響子も友達と待ち合わせているみたいで、その間少し二人で話した。 
響子は僕と真弓が別れたことを知っていたけどその話題には触れなかった。 
お互いの大学の話や 友達の話をした。 
話をしたら二人とも 同じ大学に行っていた。 
お互い友達が来たので 挨拶をして別れた。 
その次の日に 通学の電車の中で響子とまた会った。 
お昼休み学校で一緒にランチを食べる約束をした。 
僕たちは毎日会って急速に、仲良くなった。 
響子はスレンダーで、手足が長かった。 
ワンピースがよく似合うよく笑う素敵な人だった。 
日曜日に僕の車で、ドライブする約束をした。 
僕は、迎えに行き彼女を乗せて 神戸に行った。 
デートコースは、 六甲山の 展望台から神戸の街を見て 
土器投げ(かわらけ投げ)をした。 

彼女が作ってくれたお弁当のサンドイッチを食べて、 
神戸異人館へ行った。 
駐車場に車を置いて 坂を登って 洋館巡りをした。 
ここからポートピアランドに行って 海を見ながら 歩いた。 
帰りは、山手幹線を通って途中にある洋菓子店「ハイジ」の 
喫茶室でケーキとコーヒーを飲んだ。 
真弓 の友達であったことと、 
知り合ってそんなに時間が経っていなかったが、 
そんなことどうでもいいぐらい響子に惹かれるていた 
僕は、彼女に告白した。 
彼女は、あっさりと僕の告白を了承してくれた。 
彼女を車で送った別れ際に僕たちがキスをした。 
僕たちは毎日一緒の電車で学校に行き、 
キャンパスでは、一緒に食事をしたり空いた時間 常に一緒にいた。 

付き合ってみると響子は、 感受性がとても強く泣き虫な子だった。 
この歳の女の子がみんなそうであったように 
彼氏にわがままを言うのは当たり前だと 思っているみたいで、 
わがまま言っては泣いていた。 
それが愛おしくて仕方がなかった。 
 
真弓は、会えなくてもじっと我慢して僕からの連絡を待っていた。 
そして連絡するとすごく喜んでくれた。 
わがままの言えない子だった。 

夏休みの前に突然僕に、沖縄に友達と旅行すると彼女は言った。 
 
                         つづく




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